AASの入会処理は迅速
何で今更AASだ、って話になるかも知れないけど、元々印度学では、JAS辺りは学部の頃からチェックすべき雑誌だった。
で、たまたまちょっとしたきっかけで、昨日、オンラインで入会の申込をしたら、もう、入会が認められた、というメールが来た。
仕事が速いぜ、アメリカ。
日本の文系学会はというと
年2回くらい入会申込を「紙」でする
推薦者が2名必要
とか、迂遠な手続きを経て、学会入会となったりするわけで、半年くらい待たされるのが当たり前だ。某学会に入るとき、推薦者二人が
どちらも理事
だったので、文句言われたりしたけど、そんな悠長なことをやっていると、どんどん会員は減るんじゃないのかなあ。そこは、平会員2名に推薦して貰う決まりだったようなんだが、
知ってる先生がどちらも理事
なんだもん、しょうがないじゃんねえ。つか、それまでは
恩師に推薦してもらうと恩師は必ず学会の理事
ってことばっかりだったから、さすがに分野が違うと学会の組織も違うのだな、とその時はちょっと遠い目になったことを覚えている。
最近
古典研究者が少なくなった
とか、慨嘆する向きがあるんだけど、歎く前に
学会入会手続きの迅速化を図る
方が、いいんじゃないのかな? 水準を守る、と裾野を拡げない方向に走っていると、少子高齢化の日本では、かなり痛い目に遭うように思うんだけど。ちなみに
世界的に古典研究は衰退分野
だそうだけど、だからといって
古典研究に比べれば、手軽で金になりやすい近現代分野ばかりに研究者が固まる
というのも、いいとは思えないんだよね。一定数の古典研究者は、いかに
デジタル化が進む現代
だろうとも必要だ。古典研究なんて、人が良くないとできない分野なわけで、なんせ
華々しい成果を毎年コンスタントに上げるのは難しい
んだけど、それでもみんなちょっとずつでも前進しようと努力するから、なんとか学問的水準が保たれている。
AASがエライと思ったのは
学界から孤立している研究者にも発表のチャンスを与える態度を貫いている点
で、これは見習うべきだろう。ま、アジア研究のパイの小ささからいうと、
相互扶助の立場で東洋学者が結束している
って話でもあるんだろうけどな。AASの会員限定サイトには、各地の東洋学研究者の公募情報が集められていて、
UHの現代日本語教師募集
なんてのもある。Manoa校ってところがいいのだが、実はこれには落とし穴がある。
で、
現代日本の映像に強い人
なんて条件を見ていると
いまの日本研究を志す若者の入口は漫画とアニメなのね
というのがよくわかる。
結構、近現代の日本研究者の需要はあるみたいだから、英語に自信がある研究者は、片道切符になるかもしれないけど、AASなどで仕事探しをする、ってのも手なのかな。もっとも、アメリカの大学教師は
日本の教師の3倍くらい働いている
というのがわたしの印象だ。特に、日本語教育もやらされる日本研究ブランチの教育のたいへんさは、日本の
国文・国史の比ではない
と思う。だって、国文も国史も
外国人に日本語を教えるのは日本語教師の仕事
として、自分は携わってないもんな。
香港中文大学
の公募も出てたから、まあ、やる気のある人はAASに入会して見て頂戴。
も一つ、AASのエライのは
研究者の収入によって学会費が異なる点
で、これは
いかにアメリカのアジア研究がしんどいか
って話でもある。日本の学会も
学生割引
だけじゃなく
PD/非常勤割引
をすれば会員数は減らないと思うんだけど。
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