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2010-08-11

ホメオパシーを標榜する助産院でビタミンK欠乏によって起こる頭蓋内出血予防のために医学的に効果が実証されているビタミンK2シロップを不投与 代わりに「レメディ(毒入り砂糖玉)」の超希釈液を与え新生児が頭蓋内出血死(その4)朝日はガチ

第一報以来、朝日のスタンスは
 ホメオパシーの問題は「通常の医療を拒否する点」にある
としているのだが、今朝の記事も秀逸。


代替療法ホメオパシー利用者、複数死亡例 通常医療拒む

2010年8月11日5時46分

 代替療法ホメオパシーを利用している人の中で、病気が悪化して死亡する例が相次いでいる。通常の医療は末期になるまで受けていなかった。東京では5月、国立市の女性(当時43)が、がんで死亡した。埼玉でも昨年5月、男児(同生後6カ月)が死亡した。女性の遺族らは先月、「憂慮する会」を設立し、ホメオパシー療法家らに真相解明を求めて運動を始めた。

 5月16日、東京都東大和市内の病院の集中治療室。女性は、悪性リンパ腫が悪化して人工呼吸器を付け、声も出せない状態だった。親交のあった荒瀬牧彦牧師=めぐみ教会(東大和市)=が見舞うと、手話で3回、「ごめんなさい」と訴えた。ホメオパシーに頼り、前日に救急搬送されたばかり。入院から11日後に死亡した。
 荒瀬牧師は「最後の最後になり、自分の誤りに気づいたのかもしれない」と話す。
 両親によると、女性がホメオパシーを始めたのは3年前。離婚直後で精神的に不安定な時に友人に紹介された。昨春から体調を崩し、全身の痛み、強い肌荒れを訴え始めた。荒瀬牧師は何度も病院受診を勧めた。だが女性は「今までのホメオパシーの努力が無駄になる」と拒み続けたという。
 5月には外出も困難に。激しい胸の痛みに母親(69)が救急車を呼ぼうとすると、「西洋医学はダメ」と最後まで拒んだ。気を失いかけたすきに、母親が救急車を要請。搬送先で、初めて悪性リンパ腫と診断された。

 さいたま市では昨年5月、生後6カ月の男児が体重5千グラム前後の低体重のまま死亡した。両親は助産師の勧めでホメオパシーに傾倒。市によると、病院での男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種も拒否していたという。
児童相談所は、病院の受診拒否などを虐待と判断。保健師の指導で男児が4月に入院した際、両親が連れ戻さないよう病院に要請していた。男児は5月2日に死亡した。

 ホメオパシーでは、病気の症状が重くなっても、自然治癒力が増した証拠の「好転反応」ととらえる。これが患者を病院から遠ざけているとの指摘がある。

 女性や男児の両親が頼った療法家を認定した日本ホメオパシー医学協会は取材に「現代医療を否定してはいない。(女性が死亡した)案件は調査中」と回答した。(長野剛、岡崎明子)

まあ、百歩譲って、悪性リンパ腫で亡くなった女性は大人だから自分で治療を選択した結果、最悪の転帰を迎えてしまったと、日本ホメオパシー協会は言い逃れることが出来るかも知れないけど、
 赤ちゃんの死亡例
については
 赤ちゃんは自分で治療法を選べない
わけで、両親と指導した療法家、そしてその療法家を認定した日本ホメオパシー医学協会の責任は免れないだろう。

「好転反応」というのは、こうした
 エビデンスに基づかない「代替医療」
でもよく使われる言葉で
 身体の毒が出ているから「ひどい症状が一時的に現れているのだ」
と説明されることが多い。子どもの頃から
 アトピーなどが皮膚科の標準的治療で軽快しない場合、この手の「代替医療」にすがる家族
によって
 「代替医療」によってより症状が悪化する例
というのは、結構身近で見聞きしている。結局、
 最後まで好転しないので、別な療法を試す
という悪循環に嵌ってしまうことも少なくない。わたしの場合、子どもの頃に3度手術を受けても、斜視が治らなかったので、
 こうした宗教がかった「代替医療」の獲物になりやすい立場
ではあったのだが、なんせ
 斜視が治る薬
という便利なものはないから、ぎりぎりのところでこの手の「代替医療」から逃れられたのである。これが
 投薬での治療を行う疾病
であったなら、同じような
 「好転反応」を伴うと喧伝される効果は定かでない代わり、滅茶苦茶金の掛かる「代替医療」商法の餌食
になっていたかも知れないとは思うが。

わが家は北海道に入る前から神仏習合で、神棚・仏壇を丁寧に祀っており、神仏に祈ることはあっても、この手の怪しい薬や治療法を導入する機運はまるでなかったので、定期的に大きな病院で治療を受けていた。
もっとも、根本的な信仰を持たない家庭だと逆に
 疑似宗教にひっかかりやすい
かも知れない。
 宗教と疑似宗教の違い
がわからないと、トラブルが起きたとき、疑似宗教に付け入れられる隙が出来やすいのだ。最近の病院はどうか知らないが、昔は外科や内科の病棟に
 新興宗教の宣伝に来る人達
というのがいて、
 治らないのは、わたしたちの宗教を信じないからだ。入信すれば、たちどころに良くなる
などと、暇な入院患者の枕元で延々説教する人がいたりした。断わられてもせっせとやってくるところを見ると
 心の弱っている病人は「よい市場」と判断
されているのだろうと子ども心にも思った。

わが家の場合の更にちょっと困った話をすれば、祖父が
 ある種の霊能者
であった時期があって、こうした
 現代の治療法では治りにくい人達が一時期やってきていた
こともあったのである。なので
 治らないから必死になる人たちの姿
は身近で見る機会もあったのだ。もっとも、祖父の能力はわたしが学齢に達するまでには、衰えていたので、信者が門前市を為す情況は目にすることはなかった。たまに、町で祖父に
 先生、あのときはありがとうございました
と泣かんばかりに挨拶をするヒトがいて、後で家族に聞くと
 おじいちゃんが治してあげた人の親御さん
ということもあったりした。果たして祖父の何に効力があったか知らないが、そういう風に考えてくれていた人がいたのは事実のようだった。ただし、身体の病ではなく、いわゆる心の躓きの一部に効果があったということらしかった。いまなら
 カウンセラーが対応する役割
をしていたってことなんだろうと思う。
もっとも、祖父のこの「霊能者活動」は他の家族には極めて冷淡に扱われており、
 病気は現代医学で治す
のが、わが家の指針であった。

家付き娘だった祖母は化学療法がない大正年間に海岸での転地療法でその当時で言うところの「肋膜炎」を治した世代である。女学校の頃に発病、夏は札幌に近い蘭島、冬は寒冷な北海道から鎌倉へ出て転地療養をして治したという。それで結婚が少し遅れた。祖母の末の妹であった三女のおばは、結核で15歳で亡くなった。仏壇には死を控えたセーラー服姿のおばの写真が飾られている。祖母は
 順子(おばの名前)が死ぬちょっと前の写真だから、痩せて、こんなに目が大きくなってしまって
とよく言っていた。皮肉なことだが、白黒写真の順子おばさんは憂いを帯び美しく見えた。殊に大きな瞳が印象的だった。
祖母から直接聞いたことはないけれど、化学療法がない時代の結核の治療法はそれこそ
 代替医療が百花繚乱
であっただろう。当時も戦後すぐも結核は「死病」であり、感染者への差別は凄まじかった。そうした修羅場を乗り越えて、肋膜炎を完治させた祖母にとっては
 代替医療など検討するにも値しない
ものだったのかも知れないな。晩年X線撮影すると、祖母のかつての病巣は見事に石灰化していたという。

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コメント

治療してても一過性に症状が悪くなったり、色々するんですけど、それを好転反応と言ってしまって納得してもらえるのはいいなぁ、と思います。
治療してるのに、入院してるのに、わるくなってるじゃないか!と責められる事がたまにあります。
説明してたのに...orz

好転反応とか言ってみたいw

投稿: physician | 2010-08-11 15:08

助産院は危険です。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/images/s0905-7f1.gif

50年前、分娩場所が助産所や自宅から、病院や産婦人科医院(診療所)に代わり、母体死亡率が激減してます。

半世紀前に戻るのか????

投稿: beauty | 2010-08-11 18:24

ホメオパシーを代替医療と呼称すること自体にも問題があるんじゃないですか。
代替医療などと言われると現代医療に代替し得る効能があるかのように聞こえる。
はっきりと似非医療とか擬似医療と言ってあげないと。

投稿: 超時空漫才 | 2010-08-12 05:08

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