ショパンコンクール2010 審査結果全部公表 全参加者の得点とYes/No獲得数
今回
なぜ日本人ピアニストが全員2次予選までで姿を消したか
を残酷に示す
ショパンコンクールの全ての審査結果
が
公表
されている。場所はこちら。
Score of the participants
1次〜Finalまでの
各人の得点(Finalは順位点)
と、1次〜3次までの
Yes/Noの獲得数
がきちんと公表されている。今回は、1〜3次までは
Yes/Noシステム
で進出者が決まっている、という話で、
Yesの獲得数が次のステージ進出の鍵
だった。
日本人ピアニストの1〜2次での得点を纏めてくれたヒトがいるので、それを流用。2010第16回ショパン国際ピアノコンクール2スレッドより。なお
student
というのは審査員の教え子なので、審査員が審査から外れた、という意味である。1次では、ほぼ同じ得点だった参加者の内、2次予選まで進んだ日本人ピアニストは青で、3次に進んだ外国人ピアニストは赤で示す。
928 :名無しさん:2010/10/26(火) 01:34:15 ID:.kuOrAZ60
日本人と外国人数名 ( 名前の左:1次 名前の右:2次 )Yes Points Yes Points
8 77.42 岩崎洵奈 4 72.67
8 76.83 渡辺友理 3 72.92
7 76.50 Wai-Ching Rachel Cheung 6 73.42 →3次へ
7 76.18 須藤梨菜 (Student 1) 2 70.30
8 75.92 Yury Shadrin 9 79.08 →3次へ(棄権)
8 75.67 Helene Tysman 7 76.00 →3次へ →ファイナルへ
6 75.67 Fei- Fei Dong 6 75.91 →3次へ
7 75.00 片田愛理 1 69.08
7 74.75 大崎結真 2 70.58
4 74.27 實川風 (Student 1)
5 74.18 永野光太郎 (Student 1) 0 67.73
5 72.92 後藤恵里
5 72.08 佐野隆哉
4 70.75 岡田奏
4 70.25 工藤奈帆美
2 69.50 深見まどか
4 68.08 野上真梨子
3 67.27 木米真理恵 (Student 1)
0 62.50 宮崎翔太
1 60.75 峯麻衣子
0 59.83 萬谷衣里
はっきりしているのは
Yesを貰えないと次に進めない
ということで、2次予選には
Yesを最低5つ以上貰ってないとダメ
だった模様。点数は恐らく
Yesが同数だった場合にふるい落としのために使われた
のではないか。点数では
2次に進んだ永野光太郎よりも實川風の方が高い
のだが、残念ながら
實川風が得たYesの数は4つ
で、2次に出られなかった。永野光太郎も
2次では1つもYesがなかった
わけで、これはかなり辛い結果だろう。
1次では、日本人の中では
岩崎洵奈がトップ
だったが、2次で審査員から貰うYesの数を8から4と半減させ、2次敗退が決まった。
岩崎洵奈よりも1次では
Yesの数が少なかったピアニスト
でも、
2次で6つ以上Yesを貰えば、3次へ進出
している。残念ながら、手の故障で3次を棄権した
Yury Shadrin
に至っては、
1次では8だったYesの数を、2次で9に増やしている
わけで、
コンクールで、ステージが上がるにつれ、評価が上がった
ことが分かる。
いかに
審査員の共感を得られるか
が、今回のショパンコンクール1〜3次までのポイントだった。
それにしても
Yesが0のピアニスト
というのは、審査員が誰も認めてくれなかったってことで、本人もそうだけど、指導者も含めて、いろんな意味で今後考えないといけないことがありそうだ。
では、Finalistsの成績。これも、纏めてくれたヒトがいる。
489 :名無しさん:2010/10/25(月) 17:45:25 ID:K270dpnM0
>>477つけ忘れた これで完全か?1次 2次 3次 合計点 本選 順位
■Yulianna
12【92,17】 12【93,58】 12【94,33】 #280.08 【1,47】 1位
■Bozhanov
11【90,25】 12【92,50】 12【93,17】 #275.92 【3,92】 4位
■Dumont
11【82,00】 7【75,42】 7【80,92】 #238.34 【5,17】 5位
■Lukas
11【87,17】 11【93,08】 12【92,83】 #273.08 【2,50】 2位
■Khozyainov
11【93,58】 11【83,42】 8【77,75】 #254.75 【6,50】
■Kultyshev
12【88,08】 12【85,42】 8【77,33】 #250.83 【6,38】
■Trifonov
11【84,25】 11【87,58】 10【87,92】 #259.75 【3,48】 3位
■Wakarecy
9【79.73】 8【80.73】 7【77.55】 #238.01 【6.58】 +1student
■Wunder
11【85,36】 11【89,73】 10【89,18】 #264.27 【2,48】 2位 +1student
これで見ると、優勝した25歳の
Yulianna Avdeevaは各ステージで平均して高い評価を得ていた
ことがわかる。一方、
Nikolay Khozyainovは、1次はトップ通過だったが、2次以降徐々に評価を落とし、Finalの評価が良くなかった
ために、入賞を逃している。要は
3次以降の課題は、まだ消化し切れてなかった
ってことで、
今回の敗因が準備不足にある
と、これで明らかになった。まだ18歳の若いピアニストだから、次のコンクールが楽しみだな。
一方、今回25歳で出場し、
1〜3次までの得点ではNikolay Khozyainovよりも下のFrançois Dumontは、順位点が5.17で、Finalの評価で上回った
ため、5位入賞を果たした。また19歳の
Daniil Trifonovは、1〜3次では平均して審査員の支持を集めており、Finalでもそれは変わなかった
ために、3位に入賞した。DumontがFinalでそれまで引いていたFAZIOLIから
Steinwayに変更(サイト上ではFAZIOLIとなっているが実際には違う)
したのは、
同じFAZIOLIを弾いても、Trifonovの音に敵わないから変えた
という話なのだが、それほどTrifonovの音色の美しさは脅威だった。もっともDumontがSteinwayに変更したのは、作戦としては良かったとは余り思えなかったけどなあ。
次のショパンコンクールは、従来と同じ年齢制限に戻るんだろうけど、そうなると
25歳が上限
ということになるから、Dumontにはリベンジの機会はない。他のコンクールには出ずに、ショパンコンクール2010で5位入賞として、やっていくのかな。
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コメント
Yulianna Avdeeva はコンクールの主催者Chopin Institute から与えられた特別賞として12月に来日し、
NHK交響楽団定期演奏会(4日+5日)に出演するほか、
ソロ・リサイタルを行います。
詳細は11月25日に主催のKAJIMOTOのホームページで発表されます。
Yulianna の演奏を生でお聞きいただくことをお薦めします。
投稿: Chopin 2010 Celebrations Committee | 2010-11-21 16:47