銭超塵主編『黄帝内経太素研究大成』北京出版社 2009.9 150元
『黄帝内経太素』といえば
中国では散逸したけれども、日本では仁和寺に写本が残っていたのが幕末に再発見された
ことで有名な医書である。『黄帝内経素問』と『黄帝内経霊枢』の内容を隋〜唐の人といわれる、楊上善が編集し直し、注を付けている。実をいうと、この3年ほど、
香港・台湾・中国
で探し回ってるのが、この『黄帝内経太素』の写本だ。なかなかに味わい深いモノがある。(まだ論文を書いてないんだけど、材料だけは大量にある。あとは杏雨書屋に調査に行かないといけないんだが、時間がなくて先延ばしになっている。)
で、『黄帝内経太素』の近年の日中の研究と基本資料をまとめたのがこの
黄帝内経太素研究大成
だ。日本側からは、2000年に亡くなった島田隆司さんと茨城大学の真柳誠さんの太素研究が入っている。
かなり詳細な
伝写の過程の分析
や
本文の校勘
が行われている。『太素』だけでなく
『黄帝内経明堂』
の校勘もおまけについてくる。
巻末には
中日『太素』研究年表
なんかもついていて便利。
全776ページに及ぶ大冊だけど、『黄帝内経太素』に限らず、『黄帝内経』の研究をやるヒトには多分必携の書物だと思う。
| 固定リンク
コメント