走馬看北京 瑠璃廠・前門の惨状
本を買いに行くなら瑠璃廠、老北京の喧噪を楽しむなら前門。
というのが一昔前の中国語教科書の決まり文句だったわけなんだが
五輪前の大改装工事
によって、瑠璃廠も前門もすっかり様変わりして
観光客向け「映画セット」風名所
になってしまった。そりゃ
再現された清朝風町並み
はあるけどさ。
何が悲しいって、
瑠璃廠西北側の店の半分近くが「榮寶齋」になっている
ことくらい悲しいことはない。現地留学中の永塚憲治さんの情報によると、
商品が売れないから店が潰れると、店を丸ごと売却して、全部「榮寶齋」の看板を掲げている
のだとか。文物出版社の店員さんの水準も地に墜ちていて
自分たちが売ってる本の内容が分かってない
のである。嗚呼、21世紀。
前門は前門で
再開発によって、街の息吹がまったく失われた地域
で、映画セットの如く、美しい「清朝風町並み」が作られたモノの、中に盛られていた清朝の雰囲気は全く失われていた。てか
都一處で冷凍もんの焼売を出される
なんて、誰が想像できただろう。すでに店の誇りはないんだな、都一處。安くて、うまい、出来たての焼売には永遠にお目に掛かれなくなったらしい。その昔
冷凍のもお土産であるけど、ここで食べるのが一番うまいんだ
と店員さんが胸を張っていたのを悲しく思い出す。
古い町並みの再開発が、街の活気を完全に失わせてしまった。
瑠璃廠もあのさびれっぷりだと、いつまで続くかな。
前門は、場所はいいから、あの書き割りのニセ清朝風街区で売っていくしかないだろう。テナントはいくらでも入るだろうしね。今だって
ユニクロやナイキ
が軒を連ねている。
いつ行っても人混みで、猥雑だった前門は、区画整理とともに雲散霧消したモノと見える。ある意味、北京らしい場所だったんだけどね。
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