NHKラジオが文化的に突出するのは伝統芸
テレビ主体のNHKでは
ラジオセンターは傍流
という抜きがたい
協会内差別意識
がある。しかし、
ラジオはラジオでしかできないことに、常に果敢に挑戦
してきた歴史がある。
永田洋子死刑囚が病死したらしい、というニュースが流れているけれども、あの
連合赤軍事件
の頃、
フォークは反体制
と、色眼鏡で見るメディア関係者は結構いた。その内、カッコだけ反体制の人たちは鞍替えして
ニューミュージック
という、毒気抜きの存在になっていくのだが、ともかくも、そうした時期、なぜか
コミックバンド
という位置付で
かぐや姫がNHKラジオでレギュラーを張っていた
りするのである。どちらかというと
治外法権
じゃないか、ラジオセンター。
学部生〜院生の頃は、テレビをもってなくて、その当時は主流だったCDラジカセで、NHK-FMを聞いていた。「朝のバロック」で目を覚まし、「ジョイフルポップ」or「ミュージックジャンプ」で寝る毎日だったが、渋谷陽一が好き勝手やってたり、中島みゆきが、
NHK風味に控えめ
にしゃべってたりした。渋谷陽一ネタでは、
エレファントカシマシの宮本浩次
が、かつて
東京放送児童合唱団に在籍して、NHKみんなの歌「はじめての僕デス」
でソロを取っていたことをリスナーからのはがきで知り、しかも番組のプロデューサーが
NHK青少年こども番組の王道を歩んでいたヒト
で、NHKのレコードアーカイブから、そのレコードを掘り出してきて、その当時のエレカシとの落差を楽しむ等、のアホなことをやっていたのを覚えている。
それ以外でも、実験的放送をやってたり、いろいろ。
ま、そんなこんなで
NHKの傍流だからこそ、腰軽く出来ちゃうあれこれ
というのが、NHKラジオの伝統芸でもある。
4月から、
ボーカロイド番組をレギュラー化
するというので、アスキーがインタビューを取っているのだが、この番組担当CPの
橋浦明彦CP(53)
が
NHKらしい、とんでもなさ
に溢れていて凄い。
ともかく、以下から始まる一連の記事をご一読ください。
四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第46回 NHKの本気!ボカロラジオ「エレうた」の高き志
なんせ
自慢じゃないですが、最もVOCALOID楽曲を聴いているNHKのプロデューサーであると自負しています
とか、
MMDはできるだけ見るようにしてます。あれは、ある期間を経て優勝とか決まるじゃないですか。あれは神ですね。「ネ」で「申」の世界ですね。
とか、言えちゃう53歳がいるラジセンって、ある意味
NHKだからあり得る状況
ではあるよね。それとNEPの川上秀人EPも凄い。
僕らとしてはクラシカルなラジオ番組を作りたいと思っているんですね。それは歌詞が良かったり、曲が良かったり、そういう本来の歌番組にしていきたいなという気持ちです。リスナーからリクエストを受けるという形も取りながら、自作のオリジナル曲も募集しますと。
と文面通り受け取れば、
ラジオ番組の本質からボーカロイドを見た発言
が出てるんだけど、これも
いかにもNHK的
だ。上記記事では、
企画を通すのになにをやったかの過程
が語られているのだが
周到な準備の上に、今回のボーカロイド番組が作られている
ことが分かる。
官僚的組織NHKで、トンでもなく新しいことをやるための「戦略」
を読むと、なるほど、
ラジセンがどうやって常に「突出」できるのか
が理解出来ちゃう。ラジオという縛りの緩さを、それに甘えずに
正面突破する戦略
が、ちゃんとあるわけだ。
残念ながら、我が家は相変わらずNHKラジオが入らない
難視聴地域
なので、
新番組「エレうた!」
は聞けないんだけどね。
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コメント
我が家もNHKが高感度ラジオ(お勧めはソニーのICF-SW11)でないと聞きにくいんです。我が家,実はradikoのエリア内だったりします。民放はクリアに聞けるのに何でNHKが…と一度あの人にリツイートしてみたら,「オンデマンド配信以外はオンタイムで聞いてね」とサラッとスルーされちゃいました。
投稿: ripplepapa | 2011-02-06 23:48