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2011-03-18

福島第一原発事故 "Fukushima50"の涙 読売、「菅ちゃんが事故発生直後、アメリカからの支援申し出を断る」と報道 ソースが「民主党幹部」って内ゲバ煽ってる場合か→どうやら読売 vs. 産経の報道合戦になってる模様→追記あり

福島第一原発事故では、
 中で放射線を浴びつつ、文字通り、決死の覚悟で作業を行うごく僅かな人たちが今後の動向を左右する
状態になっている。一昨日辺りから、国外のマスコミが取り上げ、twitterでは
 fukushima50
というタグが作られ、彼らの
 英雄的行為
を讃えている。
でも、
 初動で、福島第一原発の廃炉を決意していれば、ここまでにはならなかった
というのが、本当のところで、今後
 国と東電の責任が問われる
のは間違いない。現在行われている
 ホウ酸投入は廃炉への道程
である。
(追記 3/19 13:00)
ロイターは
 アメリカが冷却材を輸送するよう打診した
という報道そのものを否定している。


UPDATE 1-US did not deliver coolant to Japan nuclear reactor

Fri Mar 11, 2011 5:41pm EST
(Adds quotes, background)

(Reuters) - The U.S. military did not provide any coolant for a Japanese nuclear plant affected by a massive earthquake on Friday, U.S. officials said.

U.S. Secretary of State Hillary Clinton earlier had said that U.S. Air Force "assets" had delivered "some really important coolant" to a Japanese nuclear power plant.

One U.S. official said he believed Clinton was told Japan had requested the material, that the United States had agreed to provide it, and that an operation to do so was under way.

Ultimately, however, Japan did not need assistance from the United States but Clinton did not appear to have been updated before she made her public remarks.

"We understand that ultimately the Japanese government handled the situation on its own," said another U.S. official, who spoke on condition of anonymity.

(Reporting by Arshad Mohammed; Editing by Will Dunham)

元になった情報自体とっくに否定されているのに、読売は
 ロイターの訂正記事を無視して記事を作った
ことになる。
(追記おわり)

ホウ酸投入の件で、jackeyさんから貴重な補足を頂いたので、再掲する。


私は昔、東芝で軽水炉の解析担当をしていたものです。こちらの記事はいつも拝見させて頂いておりますが、1点だけ誤解があるようなのでコメントさせてもらいます。

ホウ酸(ホウ酸水、ボロンといいます)は通常、沸騰水型軽水炉(BWR)では核分裂反応を抑制する、いわば”第二の制御棒”として注水系等に使用されています。あれを炉内に注入する事は廃炉を意味するものではありません。

海水のように、高エネルギー粒子(中性子等)の衝突によって放射性物質を際限無く生じさせてしまう有機物・無機物を大量に含む液体を炉内に入れてしまうと炉は汚染されてしまいます。又、被覆管(ジルコニウムライナ)や圧力容器、格納容器、再循環ポンプ等への腐食を誘い完全に使い物にならなくなってしまいます。

海水注入は、上記のような危険の無い冷却用「純水」が圧倒的に不足した結果、残留熱の冷却が追い付かなくなってしまった挙げ句の苦渋の選択だったという事になります。

jackeyさん、どうもご指摘ありがとうございました。海水投入のことを飛ばしたのは誤解を招く表現でした。
(追記おわり)

で。民主党がこの非常時に早速
 内ゲバ
を始めた。それに読売が乗っかっている。

福島第一原発事故では、早い時期から
 国と東電の初動ミス
が囁かれているのだが、それを裏書きする記事。これまで
 アメリカが冷却剤を空輸したとクリントン国務長官が発言、国務省が否定
という経緯があったところまでは出ていたのだが、その奇怪な話の謎解き。問題は
 ソースが「民主党幹部」
ってとこだ。
読売より。


原発事故直後、日本政府が米の支援申し入れ断る

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、米政府が原子炉冷却に関する技術的な支援を申し入れたのに対し、日本政府が断っていたことを民主党幹部が17日明らかにした。

 この幹部によると、米政府の支援の打診は、11日に東日本巨大地震が発生し、福島第一原発の被害が判明した直後に行われた。米側の支援申し入れは、原子炉の廃炉を前提にしたものだったため、日本政府や東京電力は冷却機能の回復は可能で、「米側の提案は時期尚早」などとして、提案を受け入れなかったとみられる。
 政府・与党内では、この段階で菅首相が米側の提案採用に踏み切っていれば、原発で爆発が発生し、高濃度の放射性物質が周辺に漏れるといった、現在の深刻な事態を回避できたとの指摘も出ている。
 福島第一原発の事故については、クリントン米国務長官が11日(米国時間)にホワイトハウスで開かれた会合で「日本の技術水準は高いが、冷却材が不足している。在日米空軍を使って冷却材を空輸した」と発言し、その後、国務省が否定した経緯がある。

(2011年3月18日08時12分 読売新聞)

菅ちゃんの判断力について云云するのは、後からでイイ。てか
 いまは、事態の収拾に努める
ということで、
 迅速な判断
が必要。で、
 いま菅ちゃんを替えてるヒマはない
のだ。
 読売は、この非常時に首相の指導力を低下させるニュースを流して、何の得がある
んだ、って辺りが問題。
 いま政局ネタをやってどうする
んだよ、読売。やるなら
 福島第一原発が落ち着いてからやれ
よ。

続き。朝日は
 枝野官房長官が否定
という記事をさっき載せた。(12:45)


「米政府の支援断った」一部報道を枝野長官が否定

2011年3月18日11時48分

 枝野幸男官房長官は18日午前の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所の事故直後に米政府からの技術的支援の申し入れを日本政府が断ったとする一部報道について「政府としてそうした事実はまったく認識していない。むしろ米国政府からの申し出に対して最大限のご協力をいただきたいということで、こちら側から必要ないというようなことを官邸として申し上げたことはない」と否定した。

ますます奇々怪々。

続き。amdoさん経由。(11:50)

ところで、読売の報道とはちょっと違う内容が産経には書いてある。


「東電のバカ野郎が!」官邸緊迫の7日間 貫けなかった首相の「勘」 またも政治主導取り違え
2011.3.18 00:15

(略)
 大地震が発生した11日、首相は参院決算委員会で野党の激しい攻撃にさらされていた。前原誠司前外相に続いて政治資金規正法が禁じる外国人からの献金が発覚し、退陣の一歩手前に追い詰められた。

 ところが、この日午後2時46分の地震発生で一気に政治休戦となった。

 決算委は急遽中断され、首相は直ちに首相官邸に戻り、危機管理センターの巨大モニターから流れるメディア映像を食い入るように見た。目にとまったのが、第1原発だった。
 大津波をかぶって自動冷却装置が破損し、炉内の冷却が思うようにいかない、との報告が上がってきた。官邸内に緊張が走ったが、首相には野党の追及から逃れた安堵感とはまた別種の「意外な自信」(政府関係者)がみなぎっていた。
 「まず、安全措置として10キロ圏内の住民らを避難させる。真水では足りないだろうから海水を使ってでも炉内を冷却させることだ」
 首相の意向は東電に伝えられた。「これが政治主導だ」。首相はそうほくそ笑んだのではないか。
 だが、東電側の反応は首相の思惑と異なっていた。
 10キロの避難指示という首相の想定に対しては「そこまでの心配は要らない」。海水の注入には「炉が使い物にならなくなる」と激しく抵抗したのだ。
 首相も一転、事態の推移を見守ることにした。東電の“安全宣言”をひとまず信じ、当初は3キロ圏内の避難指示から始めるなど自らの「勘」は封印した。
 「一部の原発が自動停止したが、外部への放射性物質の影響は確認されていない。落ち着いて行動されるよう心からお願いする」
 首相は11日午後4時57分に発表した国民向けの「メッセージ」で、こんな“楽観論”を表明した。
 ところが、第1原発の状況は改善されず、海水注入の作業も12日午後になって徐々に始めたが、後の祭りだった。建屋の爆発や燃料棒露出と続き、放射能漏れが現実のものとなった。
(以下略)

なんか、話が若干食い違ってますがね。

でも、産経は最初から「反菅」なんで、これも内ゲバ煽り記事なのである。続く部分。


 「16日に自衛隊による放水ができなかったのは、首相の決断が半日遅れたためだ。その間に放射線量が上がった可能性がある」
 放水オペレーションにかかわる政府高官は指摘する。だが、首相の頭は東電への不満でいっぱいだ。
 「東電の危機感が薄い。だから乗り込んだ」
 首相は16日夕、官邸を訪ねた内閣特別顧問の笹森清元連合会長に向かって、こう胸を張った。続けて東京工大応用物理学科卒の経歴を誇るように言った。
 「ぼくはものすごく原子力に強いんだ」
 東電出身の笹森氏は会談後、記者団に「(首相は)原子力について政府の中で一番知っていると思っているんじゃないか」と述べた。皮肉交じりなのは、半可通の口出しほど危険で邪魔なものはないと内心考えたからかもしれない。
 笹森氏は、首相が「ここから第1原発の方も収まりそうなので、原発の問題で枝野(幸男官房長官)さんや福山(哲郎官房副長官)さんの荷を軽くさせたい」と述べたことも明かした。
 この「収まりそうだ」との発言も波紋を呼んだ。官邸筋は「とてもそんな状況じゃない」と驚愕した。
(以下略)

ええっと、
 放水担当の「政府高官」
って、誰? まさか官房副長官の誰かじゃないだろうな。

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コメント

私は昔、東芝で軽水炉の解析担当をしていたものです。こちらの記事はいつも拝見させて頂いておりますが、1点だけ誤解があるようなのでコメントさせてもらいます。

ホウ酸(ホウ酸水、ボロンといいます)は通常、沸騰水型軽水炉(BWR)では核分裂反応を抑制する、いわば”第二の制御棒”として注水系等に使用されています。あれを炉内に注入する事は廃炉を意味するものではありません。

海水のように、高エネルギー粒子(中性子等)の衝突によって放射性物質を際限無く生じさせてしまう有機物・無機物を大量に含む液体を炉内に入れてしまうと炉は汚染されてしまいます。又、被覆管(ジルコニウムライナ)や圧力容器、格納容器、再循環ポンプ等への腐食を誘い完全に使い物にならなくなってしまいます。

海水注入は、上記のような危険の無い冷却用「純水」が圧倒的に不足した結果、残留熱の冷却が追い付かなくなってしまった挙げ句の苦渋の選択だったという事になります。

投稿: jackey | 2011-03-19 00:41

福島第一って廃炉にすることに戸惑うような代物でしょうか?
そしてなぜにこのタイミングで?
と違和感ありまくりの昨日の廃炉検討、謝罪ニュース。

こうなると、まともに検証できるのは政権交代後ですね。

投稿: nyamaju | 2011-03-19 17:40

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