東北地方太平洋沖地震 取材ヘリは自粛しろ いまは救助・救援が最優先→枝野官房長官「ヘリ取材自粛を」
夜が明けたと同時に
マスコミ各社が被災地上空にヘリを飛ばしている
のは、いつも通り。まだ、
瓦礫の下で救助を待つ人々がいる
というのに。それも
時に雪の舞う、寒さの厳しいまだ冬の東北での地震、津波
なのだ。
寒さ、水の冷たさは一分一分、生存者の体力を奪う
わけで、
救助は一刻を争う状態
なのに
ヘリの轟音が、衰弱した被災者の声をかき消す
のだ。
取材ヘリは人殺しヘリ
である。そのつもりで飛ばしてるんだろうな。
(追記 18:09)
現在行われている会見で枝野官房長官は
マスコミへのヘリ取材自粛を要請
した。
(追記終わり)
続き。(15:12)
低空飛行はしてない
という反論。twitterより
http://twitter.com/#!/TsukubaNakamura/status/46373754653245440デマについての情報です。報道関係者のヘリコプターが低空飛行するのは、阪神大震災の時から報道規制で禁止されています。報道ヘリの騒音でヘルプが聞こえなくなるのはデマです。被災地を低空飛行していいのは自衛隊など公共機関のものだけに限られています。 #jisin #jishin
基本的に
絵作りのためにヘリを飛ばす必要はない
と思う。どうしても出したければ、
代表取材で一機だけ出せ
といいたい。
低空を飛んでないからイイだろ
ではない。
できるだけ、現地の静穏を保つためにも
不要なヘリ音は、ストレスを高める
と言いたい。たとえ低空飛行をしてないとしても、それが何機もやってくるのだ。
いま住んでいる奈良の家は、ヘリの基地から近い(ヘリの飛行機能からみての「近い」であって、人間が歩いて行ける距離ではない)ため、報道ヘリが飛ぶと、かなりの音がする。奈良は遺跡の撮影等で、大きなカットを必要とするため、結構ヘリが飛ぶ。ヘリ音というのは、快適な音とは言い難い。遠くから長い間聞こえているヘリ音は、健康な状態でもかなり気になる。離着陸時は更に大きな音になる。
たぶん、
津波被害の衝撃的な絵
が欲しくて、上空にヘリを飛ばしているんだろうが
誰が喜ぶ
んだ? 阪神淡路大震災の時もそうだったが
焼け落ちた町並み
や、北海道南西沖地震の時も何度も流されたが、
巨大津波の惨状(あの時は、知り合いがNHK札幌のクルーとしてたまたま奥尻島にロケに行っており、目撃者としてレポートしていた)
とか、
悲惨きわまりない映像をのべつ垂れ流すのが「国民の知る権利」に奉仕する「マスコミの仕事」
なのか。ついでに言っておくと、道南に親戚を持つ多くの道産子同様、北海道南西沖地震では、遠戚が津波で被災した。
それとも
911のときに、たまたまドキュメンタリーを撮影していたフランス人兄弟
のような
現場にいたから「撮れた絵」
を狙っているのか? それこそ
マスコミの自己満足
でしかない。
今朝、たしかFNN系列だったか、被災地閖上で、一般家屋からお子さんと女性が救出される光景に張り付いているクルーがいた。何をしていたかと言えば
救助隊が、恐らく怪我をしているか、低体温の恐れがある女性を搬送しようとしている経路の邪魔をしてカメラを回していた
のである。しかも
追っかけコメントを取ろうと、マイクを向ける
という鬼畜振りである。
視聴者が望んでいるのは
悲惨な映像
ではなく、たとえば今なら
福島第一原発がどうなっているのかの科学的で明晰な説明
である。原発はどうでもよくて(電力会社は大スポンサーだからな)、
個個の被災者の「悲惨」を「テレビを見ている人に届ける」
のは、単なる
見世物
でしかない。
阪神淡路大震災、新潟県中越沖地震、岩手・宮城内陸地震等等、地震報道でで繰り返された
ショーアップされる「悲惨」
は、単に
マスコミが「同情心をそそる情報操作」で「大衆を満足させられる」という自己中心的なパフォーマンス
に過ぎない。
これくらいやっておけば「愚かな大衆は満足する」
とでも思っているのだろう。それは阪神淡路大震災から15年以上経ってもちっとも変わってないわけだ。
友人の一人を、阪神淡路大震災後に失った。震災のショックが友人の生きる力を奪って、病魔が襲い、あっけなく逝ってしまった。
まだ、被害実態が分からない今回の地震でも、また、連絡の取れていない、知り合いやそのご親戚が被災されているのではないかと心を痛めている。わたしの家のルーツは今回の被災地にある。
命を失わないまでも、希望を失ったら、人間は辛い。
そうした
被災者の希望を打ち砕く映像の一つが「今回の津波被害の空撮映像」
である。
911の後しばらくして、ツインタワーの崩壊映像は、なるべく放映しないように配慮されることになった。
同じことが、日本のマスコミに求められている。
今しなくてはいけないのは
一刻も早い救助
である。救助の邪魔になる取材はすべて
被災者の敵
である。そして
被災者の希望を奪う映像を繰り返し放映したり、家財産を失って途方に暮れる被災者にマイクを向けて「喪失の確認を強要」する行為
も、やはり、同罪である。
今後、今回の震災の悲惨な映像の扱いについては、慎重になるべきである。
何度も繰り返す必要はない
のだ。どうしても
映像として提供したい
のであれば、YouTubeなどに資料映像としてアップしておき
必要な人が見られるようにしておけばよい
のである。
視聴率狙いで悲惨な映像を繰り返し垂れ流す
のは極めて浅ましい行為である。
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コメント
お台場のテレビ局は家や家族を津波に攫われた年配の女性をアップで見せてました。
一人で悲しみに沈んでる人を写す事が災害報道に必要とも思えませんが、テレビ屋さんは
容赦ありませんね。我慢出来ずにテレビをきりました。
投稿: にのちか | 2011-03-12 13:05
夜の寒さですが、非常に深刻であると考えます。
昨日、通勤難民となって帰投したのですが、夜12時ころまではふつうに堪えられますが、夜1時になると体が冷え込みを感じ、夜3時になると体を動かすことが苦痛になります。
たまたまこのときは、夜2時にバスを乗継ぎ、自宅に近いところまで辿りつけたのであとはタクシーで帰れたからいいのですが、今回のような被災の場合は、冗談抜きで凍死者大量発生のおそれがあります。
ヘリの轟音は、声をかき消す以上に、助けてくれるんだと思いながらも一向に来ないという、被災者の絶望を強める意味で害悪でしょう。
投稿: SY1698 | 2011-03-12 14:57
熊本で起こった3歳児が巻き込まれた殺人死体遺棄事件で(現場まで1㌔ほど)
地元民放ラジオの速報で容疑者逮捕聞いて
「えらく上空が騒がしくなったなぁ・・・」と思って上を見上げてみたら
取材ヘリらしきのが6機wほど群がって飛び回ってたのを思い出しました。
遺体の捜索活動捉えてた取材だろうけれど
阪神大震災の取材ヘリへの強い批判の理由を改めて痛感した次第です。
投稿: おばQ | 2011-03-12 21:00