東北地方太平洋沖地震 後方支援 被災地の名産を食べよう
支援物資は、徐々に被災地に届き始めているが、いま問題なのは
仕分けしてくれる人員が足りない
点だ。大量の物資が届くが、それをこまめに分けるのには人が要る。当然、被災者でもある現地で人員を割かなくてはいけない。また、
避難所にいる人だけが被災者ではない
ので、自宅で生活されている人たちには、なかなか支援物資が回らない。これはこれまでに起きた災害でも、よく問題になったことだが、相変わらずシステム改善の目途が立っていない。
募金はどこにすればいいか迷っている、物資は送るのが難しいし、というのであれば
被災地の名産を食べる
のも、立派な後方支援だと思う。
たとえば、「いけずな京女」さんは、、ご自身のblogコン美味食文化論で地震発生後から
【東北応援部会】
というタイトルで、被災地に関係したおいしい名産品を紹介して下さっている。
今日紹介されているのは
風評被害が心配される福島の名産品「ももの甘酢漬け ほんのりピーチ」と会津の桜肉で作った「さくらドライソーセージ」
だ。
【東北応援部会】福島県のももとさくら
他にも、今回の被災地にはおいしいものがたくさんある。
災害復興のためには
日本全体の経済が回っていないといけない
わけだから、買い物をするときは、原料や生産地がどこかをチェックして、ちょっとでも被災地を応援できるものを選びたい。
これは隠れた被災地、茨城の名物納豆の名品。
舟納豆
ところで
福島産の牛乳の問題
だけど、
現在酪農家が十分に搾乳等が出来る状態ではない
ので、そもそも市中には出回ってないと思われる。
うっかりすると、忘れてしまうけど、牛乳は、
子牛を持っている母牛が出している
ので、工業製品ではない。牛の妊娠期間は、人間同様、およそ280日前後で、出産後1カ月で妊娠可能になるので、
母牛は、出産したら、その後2〜3か月で妊娠させる
のである。だから、
乳牛は1年の大半は妊娠している
ことになる。
理論的には365日ずっと牛乳は出るけれども、それでは乳牛の消耗が激しいので、普通は、出産後しばらく休ませる。
だいたい、乳牛は4〜6回出産したら、乳量が落ちるので廃用牛となり、食肉用に屠殺される。(ただし肉質は劣る)
母乳で育児した方なら御存知だろうが
母乳の原料は血液
である。出産後、発達した乳腺が血液を母乳に変える。
同様に、牛乳の原料は、母牛の血液だ。体内に放射性物質が取り込まれると、すぐに牛乳に出てくるのは、そのためである。
もともと、子牛を育てるための牛乳を、人間が横取りするために
乳牛は、必要以上の牛乳を産出できるよう品種改良をされた特別な牛
だ。
人間だって
余分な母乳が残っていると、絞る必要があり、それを怠ると乳腺炎になる
のだけれど、
人間が利用するために、生物学的に子牛が必要とする量を無視して、大量に牛乳を分泌する乳牛
は、
毎日2回搾乳しないと、すぐに乳房炎などの病気
になる。乳房炎になると、牛乳は飲用不適ということになり、捨てるしかない。酪農家はともかく
牛を乳房炎にしないように気を配っている
のだ。ところが、被災地は今回の地震で、施設が破壊されたり、停電になったりしている。いま、大抵は
機械搾乳
だから、電気が止まると、それだけで搾乳できなくなってしまう。
さらに
搾乳した牛乳を集めに来る工場が被災
しており、集乳が出来なくなっている。
このような状態では、残念ながら、そもそも物理的な原因で、しばらくは福島県産の牛乳は市中には出回らない。
さらに
現在販売されている福島産の米は昨年収穫されたもの
であり、全く、今回の原発事故とは関係ない。
| 固定リンク
« 東北地方太平洋沖地震 時系列で地図上に地震の規模・震源・深さを表示する"Japan Quake Map(日本の地震地図)" | トップページ | 福島第一原発事故 不安に思う、妊婦の方やお子さんをお持ちの保護者の方へ 日本医学放射線学会がお答えします→追記あり@3/22 »
コメント