『周禮』春官占夢を読む
『周禮』春官というと、占い師だの巫覡だの、変なモノが山のように出てくる(ちなみにいろんな種類の医師も出てくる)、ある意味楽しいテクストなんだが、今は
占夢
を読んでいた。十三経はきちんと読まないとイケナイのであるが、取り敢えず、『周禮正義』占夢の点を切ったところ。
杜子春大活躍の部分で、
古書
と出てきたら、
もうわからない、でいい
と、以前、別な個所を読んでいた時に、池田秀三先生に教えていただいたので、気楽に読む。
しかし、鄭注を読み、賈公彦の正義までチェックすると、唐代の『周禮』解釈ってトンでもないよな〜。賈公彦は一体何を考えていたのやら。特にこの辺りの解釈は、当時の律令制とばっちり呼応してるような気がしないでもない。
経文だけ挙げておく。
占夢掌其歳時、觀天地之會、辨陰陽之氣、以日月星辰占六夢之吉凶。一曰正夢、二曰噩夢、三曰思夢、四曰寤夢、五曰喜夢、六曰懼夢。季冬聘王夢、獻吉夢于王。王拜而受之。乃舍萌于四方、以贈惡夢。遂令始難歐疫。
経文はこれだけだけど、附属する注と疏、釈文がある。使ったのは、台湾の中央研究院のデータベース。これは白文なので、辞書無しで一通り点を切るのに、気がついたら二時間くらいかかっていた。校点本を使ってカンニングすれば、そんなに時間はかからないだろうけど、そんなズルばかりやってると、十三経をマジで読めなくなりますからなあ。ま、『周禮』なら何とか読めそうな気はするけど、『尚書』と『毛詩』は辞書無しだと自信はない。『尚書』の洪範以外(僞古文を除く)と『毛詩』小雅以下は鬼門だ。
あとは、余裕があれば、孫詒譲等の清人の疏を引っ張ってくる予定。
辞書を引かない、というのは、京大中文の輝かしい伝統で、最近はちゃんと引くように指導していると思う。昔は『大漢和辞典』を研究室で引いているところが見つかると、怒られたりした。
辞書がなぜイケナイか、というと
そんな他人の引っ張ってきた用例など信用する前に、その引用の元になっている『佩文韻府』等を確認しろ
という教育方針だったからである。某Y氏は、『佩文韻府』を引くために、学部の頃だったか、平水韻の106韻を暗記、いまは立派な中国語研究者になっている。
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