「全世界の人民よ団結してアメリカ帝国主義を打倒せよ アメリカの走狗を打ち破れ」@文革期の中国のポスター
学会というと、日本でも
本屋の学会特別販売
がつきものである。で、ここハワイでは、コンベンションセンターの大きなホールに山ほど本屋のブースが出ているのだが、入り口はいってすぐのところに
歴史的刊行物を扱うブース
があって、そこのブース正面に掲げられている色刷りポスターが標題の通り
「全世界の人民よ団結してアメリカ帝国主義を打倒せよ アメリカの走狗を打ち破れ」
というスローガンの入ったものである。てか、すげーよ。
今回の学会を後援している一つが
ハワイ大学孔子学院
みたいなんだけど、この真っ向勝負のポスターの真意は何だろな? ブースに座ってた人は50代くらいだったから、もし、彼が学生の頃、中国語を勉強していたとすれば、当然、教科書はあの文革期に編集された、中国語学的に高水準だけど、中身も文革一色でトンでもない、中英対訳の
基礎漢語
の筈である。
アメリカからは、
東洋学の学部のある大学出版局
が軒並みブースを出している。
学会では、一部の出版社が
30%offとか35%off
とか、
学会名物出血価格サービス
で、自分のところで出している書籍を売っている。再版制度で書籍の価格が硬直化している日本の学会だとせいぜい
20%off
くらいなんだけど、そこは、ベストセラーがすぐに値引きで大量に売られるアメリカ、太っ腹だ。
もっと太っ腹なのが
中国から出展している出版関係者
である。あちこち覗いていたら、
ドル・元レートに近い価格で書籍を販売しているブース
があって、とうとう3冊ほど買ってしまった。ちょっと変わった本だったしな。ドル・元レートで販売ってことは、
運送料・出展料などは無視して商売
してるってことで、
顔見世興行で顧客をゲットするための王道のやり方
をハワイでも展開してるわけだ。中国人は商売のやり方を心得ていますな。
全世界的に研究者が減っているのが
古典語
で、
中国語文言(日本で言う「漢文」)
を扱う研究者も減っているのだが、古典籍関連のブースはちゃんとあった。一番役に立ったのが、古典籍関連の出版社が連合して出していたブースで、ここに
中華書局・上海古籍出版社・北京大学出版社・中州古籍出版社等等のCD-ROM版カタログ
と、普通の紙のカタログが置かれていた。そこにいるおばさまに
これもらっていいかしら?
と聞いたら、喜んで全部くれて
ハードコピーはいかが?
というので、それも貰ってきた。
みなさん、ハードコピーは欲しくないんですって
だって。分からないでもないけど。
日本からは
ちょっとだけ出展
で、実に淋しい限り。てか
大学出版局のブースがあるかどうかわからない位
だった。(あったかも知れないけど、気がつかないレベル)
アジアからは
香港大学・香港中文大学・マラヤ大学
がブースを出し、コレージュ・ド・フランスなんかも出展しているのをみると、
日本の学術面での凋落
というのが実感をもって迫ってきた。てかさ〜
中文での出版社が現物で出してたりする
わけで、
日本語で勝負してもいいじゃん
とは思ったんだがなあ。たぶん
ウチの大学は英文出版してないし、出展して見合うだけのメリットはない
とかいう判断なんだろうけど。香港大学・香港中文大学・香港科技大学は
香港で勉強しよう!
と、留学勧誘ブースも出していたよ。
日本からの出展では、面白いものもあったので、朝日新聞と文生書院のブースで立ち話をしてきた。
今日覗いたパネルでは
アジアの中の日本
について発表した研究者に
日本の世界的地位をどう扱うか、という質問
が出ていて、なんていうのか、
日本の内向き主義がもたらした弊害
が、何を世界に「発信」しているか、ちょっと考えさせられた。
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コメント
はじめまして!コンニチワ!!
2008年2月26日、管理人さんの書き込まれ
た記事により、朝日、電通、松岡正剛という「レ
ッツゴー三匹」の活躍ぶりを知りました。そのお
よそ2年後に、やってくれました、松岡が。おそ
らく彼のことですから「私は関係ない。弟子たち
が間違ったのだ」と責任逃れに終始するでしょう
が、「編集工学者」なら潔く責任を認め、契約金
は戻すべきだと思います。
http://mytown.asahi.com/areanews/nara/OSK201101310177.html
http://www.nara-np.co.jp/20110201111950.html
そんな松岡にも熱心な弟子がいるようです。
http://projectlearning.blog38.fc2.com/blog-entry-442.html
追伸
手持ちのパソコンが故障のため、外部のパソコン
を用いますので、メールアドレスは架空のもので
す。あしからずご了承くださいませ。
投稿: 路上の石 | 2011-04-04 12:02