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2011-05-24

「マスコミたらい回し」とは?(その161)奈良県南部の産科医療今も回復せず→県外搬送は県内医師の血のにじむ努力で4%台へ

2006年10月に始まった毎日新聞奈良支局による
 大淀病院産婦搬送事例一大反医療キャンペーン
がきっかけとなり、息の根を止められた奈良県南部の産科医療だが、今も回復はしていない。
5/12付読売奈良版より。


県南部 相次ぎ産院閉鎖…奈良

お産の現場を訪ねて

歌に合わせて踊るようになった保乃果ちゃん(中央)の成長を喜ぶ柳谷さん夫婦(天川村洞川で)

 奈良県内でお産を扱う病院や診療所が減っている。24時間体制の激務や、医療訴訟の多さなどから医師が不足し、残った医師に負担が重くのしかかる負の連鎖が続く。そんな中、地域のお産を守ろうと、様々な取り組みが始まっている。模索する現場を訪ねた。(白石佳奈)

 「保乃果(ほのか)、ええ顔して」
 天川村洞川でそば店「清九郎」を営む柳谷孝至さん(42)と妻の久美子さん(34)の声に、長女の保乃果ちゃんが手をたたいて笑った。4月7日に1歳の誕生日を迎えた。歌に合わせて体を揺らしたり、手遊びをしたり。2人は成長する姿に目を細めつつ、あの夜のことを思い出す。
 昨年4月6日。久美子さんは大きなおなかをさすりながら、孝至さんが運転する車で橿原市内の病院へ向かっていた。予定日を過ぎても陣痛がないのを心配し、往復約4時間かけて健診を受けようやく帰宅した夜、陣痛が始まったのだった。
 県南部ではここ数年、産科医不足や採算面などを理由に、医療機関から「産科」の看板が次々に消えた。五條市の県立五條病院が2006年に、大淀町立大淀病院が07年に相次ぎ出産の受け入れを休止し、残ったのは診療所1か所だけとなった。妊婦の多くは和歌山県橋本市や橿原市、桜井市の病院に頼らざるを得ない状況だ。久美子さんの病院も車で1~2時間。店の定休日に合わせ、孝至さんが付き添ってきた。
 予定日は吉野の桜のシーズンと重なる4月。「万が一のとき、渋滞に巻き込まれないだろうか」。大淀病院で06年、妊婦が次々転院を断られ死亡した問題が頭をよぎる。孝至さんは何度も地図を眺めて迂回(うかい)ルートを考えた。
 祈るような思いでハンドルを握った。約2時間後、病院に到着。翌日夜、保乃果ちゃんは大きな産声を上げて誕生した。「元気に生まれてきてくれたんだとわかり、本当にほっとしました」と2人は振り返る。

 南部の産科医療を立て直そうという取り組みが始まっている。県と南部12市町村は昨年から、大淀病院、五條病院、吉野町国民健康保険吉野病院の公立3病院の再編に乗り出した。県立医大と連携し、大淀町に新設する救急病院に産婦人科をつくり、妊婦健診を行う計画だ。しかし、南部で年間約400件というお産ができる病院を整備するには、医師の確保や、採算面など課題は多い
 柳谷さん夫婦はともに天川村に生まれ育った。のどかな山や川も、店で忙しい夫婦を気遣い、保乃果ちゃんをあやしてくれる周囲の人々の温かさも、代え難い宝物だ。
 「古里で子供を生みたいと願う人は多いと思う。近くに妊婦を受け入れてくれる病院があれば本当に心強い」

 <メモ> 県内でお産を扱う医療機関は2010年度に37か所で、05年度の43か所から減少。特に産科・産婦人科は09年9月現在、16病院40診療所あるが、お産を扱うのは9病院18診療所。人口10万人あたりの産科医数でみると、県内は5・7人(08年)で、全国平均の8・1人(同)を下回っている。

(2011年5月12日 読売新聞)

2008年現在の統計で
 奈良県の産科医数は81名
である。最近、奈良県立医大の産婦人科教室に入局者が増えているとはいえ、まだまだ足りないのが現状だ。
奈良県立医大の小林浩教授が先頭に立って、奈良県産婦人科医療のために奮闘されている。あのポジティブさがなければ、奈良県の産科医療はもっとしんどいことになっていた。

大淀病院産婦搬送事例、そして翌年の奈良高槻産婦搬送事例が、
 医学的には正しくない内容でフレームアップ
され、後者では
 奈良県立医大産婦人科教室が全国的なメディアスクラムの対象となった
のはまだ記憶に新しい。NHKが全国ニュースで叩くという、あれだけヒドイ目に遭っても、小林教授は改善のための戦いをやめなかった。

で。
現在、奈良の産科医療は
 改善
している、という。改善の内容は
Nrg
 県外搬送が4%に低下
した、ということなのだが、そのためには、
 NICUの増床

 消防との連携
はもちろんなのだが
 開業医の先生方にも協力して頂いて「夜間・休日輪番」で一次救急を担う
という体制になっているのだ。これが
 そうでなくても苛酷な産科医療現場にとっては、どれだけ大変な体制か
と思うと、頭が下がると同時に、現場が疲弊しないかどうか心配だ。
その紹介ビデオが奈良県のサイトに上がっている。少々長いので、お暇のあるときにどうぞご覧下さい。
尚、行政のPR番組なので、その点は割り引いて見る必要がある。
奈良のお産はどう変わったか 2011年5月21日放送

で、
 奈良県の中では闘える
かもしれないけど、全国的な産科医不足の中では
 外から奈良県に「医師を招聘」して増員
というのは、たぶん相当に難しいだろう。
産科や小児科の不足を補うべく設置された奈良県立医大の地域枠入学生の現状はこちらに。5/15付読売奈良版より。


お産の現場を訪ねて<5> 学生にやりがい伝える

「山中先生、分娩(ぶんべん)が始まりますよ」。橿原市のSACRAレディースクリニックで、阪本義晴院長(45)に呼ばれ、白衣姿の山中彰一郎さん(21)は分娩室へと急いだ。
 山中さんは、県立医大4年の学生だ。同クリニックなどで研修を続けており、正常分娩の立ち会いは初めて。「はい、息を吐いて」。助産師の声かけに、分娩台の女性と一緒に息み、汗がにじんだ。約3200グラムの女児が元気な産声をあげると、分娩室の空気が一気にほぐれた。
 「まだ心臓がバクバクしている。赤ちゃんが生まれるってすごい」。言葉にするのがやっとの山中さんに、阪本院長は「産科現場は命の誕生と触れ合う日々。その喜びややりがいを伝えたい」と目を細めた。
 県立医大が2008年度、医師不足が深刻な産科や小児科など5診療科を目指す学生を確保しようと、新設した「緊急医師確保特別入学試験枠」の取り組みで、山中さんはその1期生だ。産科医だった祖父に、自分の将来像を重ねていた時、特別枠を知った。
 特別枠の学生は、2~4年生の時に年2回、臨床現場で研修を重ねることが必須。産科や小児科の診療所で研修を積む山中さんは、医師と患者のやりとりを聞いてはコミュニケーションの大切さを感じ、帝王切開の手術では、技術の高さに目を見張った。山中さんは「大学でも臨床現場の先生と話す機会はほとんどない。生きた情報が聞けて、働く自分をイメージできるようになった」と話す。
 現在、研修には県内約80の医療機関が協力している。当初、研修を受け入れる側には戸惑いもあったという。患者や周囲に理解を求め、診察後には学生の質問に対し、丁寧に指導を行うなど時間も、手間もかかるためだが、「県内で働く産科医などの育成につなげることができるなら力になりたい」として参加している。
 年間約900件のお産を扱う同クリニックの橋本平嗣理事長は「今後の産科医療をどうすればいいのか、決め手となる解決策がない中で医師はみんな暗中模索している。学生に対する研修を続け、10年、20年後に活躍する医師をしっかり育てるシステムにしていきたい」と力を込める。
 大淀町立大淀病院で06年、出産時に意識不明になった女性が次々と転院を断られ死亡した事例は社会問題になった。産科医療の危機的状況を抜け出すための改革は少しずつだが、着実に進んでいる。
 阪本院長は言う。「産科現場をよりよくするために日々、力を尽くす。そういう姿勢を、将来のお産の現場を担う学生たちに伝えていきたい」

(2011年5月15日 読売新聞)

地元で養成を続けるのが、一番の早道ではある。

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コメント

 「22%→4%」 といいましても、分母は何? 分子は何件? と気になります。
 なにせ、あの マスゴミ のことですから。
 なにやら印象操作するために 都合と見栄えが良い数字を探してきたのではないかと。
 そんなに激減させられるだけのリソースがあるはずないだろ、と考えるのですがどうでしょう。それとも奈良の先生方はみなさん、千手観音か阿修羅の秘技を獲得なさったか。

 いずれにせよ、
 どの口が・・・・、と開いた口がふさがらない記事です。

投稿: rokutan | 2011-05-24 13:04

マルチポスト失礼。

大淀や野良妊婦の一件があってから、妊婦の県外搬送は少なくなった、という話は聞きました。

しかしそれは、医療機関が早期にリスクのある妊婦を大病院に紹介しているということと、妊婦が「奈良では安心して産めない」と感じて、始めから県外での出産を希望しているという、データには表れない2つの要因が大きいと私なりに解析してます(あくまでも私個人の考えです)。

投稿: 風はば | 2011-05-26 17:47

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