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2011-05-09

福島第一原発事故 猛暑日には扇風機は役に立たない 「エアコンの代わりに扇風機で50%節電」という政府策の落とし穴→例年通り開催される朝日新聞主催夏の甲子園は果たして日本を「節電」できるのか

朝日にこんな記事が載っている。


エアコンやめ扇風機、50%節電 政府、家庭用メニュー

2011年5月9日3時0分

 東日本の今夏の電力不足に対応するため、菅政権が家庭向けに節電対策メニューをつくった。家庭の削減目標は15%。メニューで示した11項目の節電効果の数字を組み合わせ、15%を超えれば目標達成だ。エアコンを扇風機に替えれば、使用電力を50%減らせる。10日に決定予定の電力需給対策に盛り込まれる。

エアコンを扇風機に、というのは一見よさそうな提案だが
 35℃を越えると扇風機では熱風を吹くだけ
になってしまう。
昨年の夏は
 記録的猛暑で電力需要も過去最高
だったのをみんなまだ覚えている。昨年9/27の共同より。


電力需要が過去2番目の高水準 8月家庭用、猛暑で

 電気事業連合会が17日発表した8月の電力需要実績速報によると、電力10社合計の一般家庭向け需要は前年同月比9・5%増の273億1800万キロワット時で、電力10社体制となった1972年以来、8月としては2008年に続く2番目の高水準となった。
 全国的に厳しい暑さが続いたため、エアコンなどの需要が好調だった。
 産業用の大口電力販売量は、11・6%増の246億6200万キロワット時で、9カ月連続で前年実績を上回った。非鉄金属が19・3%増、鉄鋼が18・2%増となるなど主要7業種すべてで前年実績を上回った。
 電力各社によると、大口電力販売量が最も伸びたのは北陸電力の15・6%増で、東北電力15・5%増、中部電力14・5%増と続いた。
2010/09/17 12:17

昨年の真夏日についてはwikipediaに手際よくまとめられている。

昨年、
 熱中症による死者は2009年の10倍
になっている。昨年10月5日付四国新聞より。


熱中症死者数は昨年の10・4倍/7~9月間の死者167人
2010/10/05 13:23

 熱中症で7~9月の3カ月間に医療機関に搬送された人は5万3843人、搬送直後に死亡が確認されたのは167人に上り、いずれも集計を開始した2008年以降で最多となったことが5日、総務省消防庁の速報値で分かった。09年と比べると搬送者は4・2倍、死者は10・4倍になる。

 今年の集計対象期間とした5月31日から10月3日までの約4カ月間をみると、医療機関に救急搬送された人は5万6184人で、死者は172人だった。都道府県別の搬送者数は東京が4365人で最多。搬送された時点の症状は重症が3・3%、中等症が34・9%、軽症が58・3%だった。年代別では65歳以上の高齢者が46・3%を占めた。

 9月27日から10月3日までの1週間の搬送者は86人で、5月末以降の週間集計では初めて2けたとなった。消防庁は搬送者が大幅に減っていることから、この週を今年の熱中症搬送速報値の最終集計とした。

熱中症による死亡者数の発表は、毎年6月に厚労省から出るので、去年の正確な死亡者数の統計はしばらくはこの消防庁の速報値によるとしても、かなりの数であることが分かる。

今年の夏はどうか。
気象庁が2月24日に発表した6-8月の季節予報である
 全般暖候期予報解説資料(PDF)
は、
 今年の夏は平年並み
と予想している。もっとも、2月の予報は、また修正される可能性があるから、このまま行くかどうかは分からない。平年並みとはいうものの、平均気温の予想は
Temp20
関東以南では、
 平年気温より今年の気温が高くなる確率が50%を越えると予想されるオレンジ色の地域ばかり
である。
扇風機で耐えられる気温で済むのかどうか。

ところで、化学工学会は
 大震災による東日本の電力不足に関する緊急提言
を発表している。
具体案として、
 震災に伴う東日本エネルギー危機に関する緊急提言(4月13日改訂版 PDF)
の中で、次のようにいう。


1.はじめに
現在、未曾有の災害により東京電力管内の発電容量不足が顕在化している。各方面からのできる限りの協力を得て4月中に4000万kWを確保予定であり、引き続く努力により夏には4600~4700万kWの発電容量を確保の見込みと報道されている。しかし、夏のピーク時には例年6000万kWを超える需要が、今年の夏には相当の節電協力を含めても5500万kWもの需要が見込まれている。このように1000万kWに迫る夏のピーク時の電力不足を埋める目途が立たず、継続的な計画停電が避けられないと予想されている。このことは、東電管内2000万世帯に対して300万世帯以上の電力が不足することを意味する。この状況下において我々は、平成23年夏のピーク電力に対し、過度のガマンや経済の停滞を伴わずに乗り越える方策について検討を重ねた1。また、化学工学会エネルギー部会員、書籍「実装骨太」著者にエネルギー対策に関するアンケート(平成23 年3 月17 日~25 日)を行った。検討においてはエネルギー技術に関する専門的知見を必要とし、現在も研究者間で試算と議論を重ねているが、平成23 年夏へ向けた対策を少しでも早く国全体で考えるために現段階の暫定的な検討結果にもとづいた提言を発信することとした。今後も様々な観点、角度からの建設的議論を継続する予定である。より精度の高い解析や、今夏だけでなく、2~3 年後、さらに先までを見据えた電力需給の議論の結果については、順次公開していくこととしたい。
 今回の議論において、夏の主たる課題はピーク電力需要(kW)の削減であり、平均的な電力使用量(kWh)の削減では事態の大きな改善が必ずしも期待できないことに注意する必要がある。
 方策は大きく3 つに分かれる。第1に、電力供給力の更なる増加、第2に、待機電力のように常時発生している電力需要の抑制である。しかし、我々の試算では電力供給の増加ポテンシャルは365-390 万kW 程度、省エネによる総需要削減ポテンシャルは257-330 万kW 程度であり、東京電力の供給力と合わせても6000 万kW に届かない。そこで、重要となる第3の方策が、電力需要の時間的シフト、空間的シフトである。電力需要は、天候や季節、時間により異なり、典型的には右下図のような構造になっている。震災直後の3 月現在はどちらかというと冬季の需要構造に近く、暖房需要が中心であるため、午前中や夕方に需要のピークが生じる。それに対し、夏の電力需要のピークは冷房需要が大きい午後に生じるが、夏季といえども産業活動の少なくなる夜間や休日は平日昼間と比べ電力需要が小さいため、相対的には電力供給の余力がある。また、震災被害を受けなかった地域では、電力供給力に相対的な余力がある。従って、電力供給に余力のある時間や地域へ、電力需要をシフトさせることで、予測できない大規模な停電や厳しい電力使用量規制を避け、電力の需要に見合った電力を安定的に供給する可能性が拓ける。次節以降では、各方策の効果の推算根拠を示す。
(略)

3.電力需要の削減
 社会的・経済的活動を損なうことなく、利用している電力の需要を削減できる方策として、省エネ機器の購入やライフスタイルの変化による以下の方策がある。以下の方策を全て採用した場合、機器による電力需要の削減によって170-220万kW程度、ライフスタイルの変化によって87-110万kW程度、合わせて257-330万kW程度のピーク電力需要を削減可能と期待できる。
(略)
3-2.行動・ライフスタイルの変化
(略)
(E) テレビ視聴の停止
現在、地デジ対応のため、省電力型のテレビが十分に普及したものと考えられるが、それでもテレビは100W程度の電力を消費する。電力ピーク時にテレビ各局で、「テレビを消すことで節電に協力できます」等のテロップ表示、ACのCMや電気メーカーのCM節電などにより呼び掛ける。総視聴率から昼間の時間帯でも5世帯に2世帯はテレビを視聴していると概算され、そのうちの1世帯が協力することで40万kWの需要削減が可能と概算される。また、消画モードで音声のみ聞くことも消費電力を半減する効果があり有効な対策である。

まったく
 テレビは電気を食う
からね。

さて、
 真夏の電力ピーク時にテレビ視聴
といえば
 夏の甲子園
である。
 今年も例年通りやるけど、節電に協力する
らしい。4/20付朝日より。


夏の甲子園、被災3県の地方大会開催を全面支援
2011年4月20日18時58分

 今夏の第93回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の第1回運営委員会が20日、大阪市内であり、東日本大震災の被災地のうち、甚大な被害に遭った岩手、宮城、福島の地方大会開催に向け、主催者として全面的に支援することを確認した。また、選手権大会については、夏場の電力事情に配慮して大会運営にあたる。
 岩手、宮城、福島の各県高野連が、地方大会を自県で開催して代表校を送り出したいという強い意思を持っていることが報告された。大会は49代表校が出場して8月6日から15日間開かれる。
 運営委員長の奥島孝康・日本高野連会長は「数々の困難はあるが、準備を粛々と進めていきたい」とした。
 また、米国選抜チームを6月16日から10日間の日程で招く。当初、茨城、東京、大阪、兵庫の各選抜と4試合が予定されていたが、震災の影響で茨城が辞退したため、東京で2試合実施する。四国選抜のハワイ派遣(8月11日から10日間)も決めた。

しかし、
 夏場の電力事情に配慮して大会運営
するなら
 猛暑が予想される8月6日から15日間という日程自体に無理
があるんじゃないのか、主催の朝日新聞社よ。

具体的はどうするつもりか知らないけど
 電力需要のピーク時には試合をやらない、テレビ放映しない
というくらいの
 覚悟
はあるんだろうな、朝日と高野連。

さて、
 甲子園で節電できず、電力不足を引き起こすことになれば、朝日は国民の敵
ということになるわけだが、どうするね、朝日。その上
 電力消費を増加させるような夏の高校野球運営によって、かねてから予想された電力不足が起き、工場や公共交通等に支障を起こした場合の損害賠償
って、朝日にも、請求できるのかしらね?

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コメント

いや、かえって、朝方にがんがんい20度くらいに室内を冷やしておいて、あとは、じっと窓やドアをあけないで過ごすっていうのはどうでしょうか?
ピーク電力が問題になるんですから。

投稿: 麻酔科医 | 2011-05-09 20:52

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