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2011-09-27

地域医療崩壊「選べれば出ていかない」ってほんと? 三重県「主に臨床研修の2年目について自由に選択可能に」

南北180km東西108kmと細長い自治体である三重県は、端から端まで移動すると相当な時間がかかる。この細長い県内に人口は185万人。旧国名でいうなら
 伊賀国・志摩国・伊勢国・紀伊国(紀伊は一部)
と4つの国が含まれている。
人口185万人というと、札幌市の人口が、今年9月の推定値
 1,922,537人
だから、全県合わせても札幌市より少ない上に、札幌市は面積が
 1,121.12平方km
だが、三重県は
 5,777.27km
とざっと5倍だ。市街地の多くは平野部の札幌の5倍の面積で人口がそれより少なく、山に富んでいる地形なのだから、
 集約的な医療を行わざるを得ない状況
だというのは、概況からも理解出来る。

さて、この三重県だが、マスコミは最近あまり取り上げないが、漏れ聞こえてくるところでは
 診療科によっては深刻な医療資源不足
という。
で、
 若い研修医を三重県に呼ぼう
というので、いろんな取り組みをしているのだが、その一つがこれ。
共同より。


臨床研修病院を自由に選択 三重で新制度、来年度から

 三重県内42の臨床研修病院や県医師会などでつくるNPO法人「MMC卒後臨床研修センター」(津市)が来年度以降、主に臨床研修の2年目について、研修医が提携関係にある県内18の指定病院から研修先を自由に選べる新たな制度を導入することが27日、分かった。
 対象者は来年度に研修が始まる100人程度の見込み。希望する病院での研修を可能にし、医師の県外流出を防ぐのが狙い。厚生労働省によると、県内の大半が県立病院の岩手県で同様の制度が本年度から導入されているが、大学病院や民間病院など運営母体が異なる医療機関同士で提携する試みは全国初という。

2011/09/27 08:30

要するに
 2年目も三重県に止まって欲しいから、研修先は県内どこでもOK
って話のようだが、問題は
 2年目も三重県に止まりたいと研修医側が考えるかどうか
ってことだ。
 仏作って魂入れず
とはよく言われるわけで、
 2年目の研修医が確保できないと、地域医療の運用に支障が起きるからの制度
でないことを祈るばかりだ。
ちなみに
 三重大学の医学部の定員は昨年度から125名で内40名が推薦入学
で、さらに
 その内30名が「地域医療枠」
だ。地域医療枠はAとBに分かれており、その中の5名が
 「地域医療枠B」募集
である。この「地域医療枠B」というのがすごい。これは昨年の津市のアナウンス。


三重大学医学部推薦入試地域枠Bにかかる推薦について

投稿日時: 2010-10-26 12:00:00
 将来地域医療に携わる医師を推薦します!
 三重大学医学部医学科では、三重県に愛着を持ち、卒業後も県内に残る医師を増やすことで地域医療を維持していくための医師数を確保することを目的に、平成23年度推薦入試枠に地域枠A、地域枠Bを設定しています。

 この地域枠Bでは、一般推薦枠(各推薦枠共通要件)の推薦要件に加え、次の要件が必要です。
 1 出願時に志願者の扶養義務者が3年以上対象とする市・町に居住していること。(出願時に、住民票で確認します。)
 2 対象とする市・町長と三重大学医学部が指定する病院長とが共同で行う面接によって、地域医療を担う医師にふさわしい優れた能力・倫理観・責任感を有するものであるかの評価を受け、対象とする市町長の推薦を受けること。
 ※対象とする市町:鳥羽市、志摩市、南伊勢市、大紀町、大台町、多気町、紀北町、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町、伊賀市、名張市、津市(旧美杉村に限る)、松阪市(旧飯南町、旧飯高町に限る。)
 ※詳しい推薦条件は三重大学「平成23年度推薦入試学生募集要項」(画面別紙)をご覧ください。

○推薦入試地域枠Bに応募するため、津市長の推薦を受けようとする人は、
 11月26日(金曜日)までに下記書類を1部提出してください。
 1 ● 学校長の推薦依頼書(様式1号)(別紙)
 2 ● 確約書      (様式2号)(別紙)
 3 扶養義務者の住民票(面接後返却します。)
 4 三重大学所定の推薦書用紙(市長推薦用)
 5 三重大学所定の推薦理由書用紙(市長推薦理由書・病院長推薦理由書)
 6 顔写真(縦4cm×横3cm)
■ 申込期限:平成22年11月26日(金曜日)17時15分
  持参または郵送(期限必着)
■ 選抜方法 面接試験による。
  試験日 12月上旬予定
  *面接試験の日程場所等、詳細は中央保健センターより連絡させていただきます。
■ 推薦する人数は2名以内です。
■ 推薦の可否は、面接の結果により決定し、推薦した学校長を通じて志願者に通知します。

その筋のプロなら、この
 地域医療枠Bに出願できる自治体のリスト
すなわち
 鳥羽市、志摩市、南伊勢市、大紀町、大台町、多気町、紀北町、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町、伊賀市、名張市、津市(旧美杉村に限る)、松阪市(旧飯南町、旧飯高町に限る。)
という自治体名を見ると
 ぴんと来る
でしょう。
当然ながら、この「地域医療枠B」の5人は制度上
 三重県の地域医療に貢献するための尖兵
なので、5年後はdutyとして県内で研修でしょうね。

ところで、三重大学医学部では初期研修プログラムとして


紀伊半島(三重大・和医大・奈良医大)コース (数名) (案)
 和歌山県立医科大学・奈良県立医科大学と連携して研修するプログラムです。

という、普通に考えて
 医療資源不足に悩む紀伊半島救済プロジェクト研修
を、「案」として上げてるんだけど、上記報道の
 主に臨床研修の2年目について
という微妙な書き方は、この「紀伊半島救済プロジェクト」絡みなんですかね。てか、和歌山県立医大と奈良県立医大には、上記記事の内容は、ちゃんと伝えたんでしょうね。三重大学の「案」だと
 2年目半年間は和歌山県立か奈良県立で研修という「例」
になってるんだけど、2年目を自由に選べるようにすると、この「案」は瓦解する。

おまけ。
奈良県立医大産婦人科教室の研修プログラムは、こちら。
奈良県立医科大学附属病院臨床研修プログラムC1(産婦人科特別プログラム)の概要

文中
 このコースでいう「地域医療」とは僻地医療ということではなく、分娩を取り扱っている地域の産婦人科開業医での実践臨床を学ぶことである。
と、わざわざ定義してあるのが泣けます。
 

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コメント

「2年目に留まって欲しい」ではなく、まずはそのプログラムによって卒後すぐの研修医を集めるところからだと思います。
元々の定員が少ないのもありますが、やはりこれだけ空席のある状況では厳しい。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/matching/dl/101028-1f.pdf
そしてあわよくば「3年目以降も『魅力を知って』残って欲しい」だと思います。まあ魅力どころか、尾鷲の産科医の話はみんな知っているところでしょうがね。
なお、奈良医大は研修先の病院ではなく、カリキュラムを自由に選べるようにしたところ、志望者が増えたという話が聞こえています。中央はその方法を他大学にも真似させて、最近の必修を減らす方向になっているとか。

投稿: 惨禍医 | 2011-09-27 14:45

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