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2011-10-18

マスコミ血祭り前の構図 朝日 vs. NHKになるか 国の怠慢でポリオ発症の危険性のある生ワクチン接種を続けてきた厚労省 小宮山厚労相(NHK出身)「神奈川県のポリオ不活化ワクチン接種は好ましくない」

この発言が出てきたことで
 次の「炎上政治家」ターゲットは小宮山厚労相
というのが決まってしまった。朝日より。


ポリオ不活化ワクチン提供、厚労相「望ましくない」

 ポリオの予防接種で、神奈川県が国内ではまだ承認されていない不活化ワクチンを提供する方針を打ち出したことについて、小宮山洋子厚生労働相は18日の閣議後の会見で「健康被害が生じた際に救済制度がないなど、行政上望ましいことだと思わない」と述べた。
 厚労相は「(生ワクチンに対する)国民の不安をあおって、結果として全国的に生ワクチンの接種を控える人が増え、免疫を持たない人が増加する恐れがある」とも指摘した。
 厚生労働省は、病原性をなくした不活化ワクチンが導入されるのは早くても来年度末になるとし、それまでは、生ワクチンの接種を受けるよう呼びかけている。

ポリオ不活化ワクチンは
 ワクチンラグの最たるもの
である。
 ポリオにならないためにワクチンを接種するのに、生ワクチンでは「ポリオに罹ってしまう危険」が常にある
のだ。日本では、昨年民主党に患者団体「ポリオの会」が
 より安全な不活化ワクチンの早期導入を陳情
している。ロハスメディカルより。


不活化ポリオワクチンの緊急輸入を民主党に陳情 ポリオの会
(2010年11月25日 15:08)

 ポリオ発症の危険がある生ワクチンから不活化ワクチンへの切り替えを求めて署名活動を行っているポリオの会が25日、国会内で民主党に陳情を行った。会側が、国産不活化ワクチンの開発承認が済むまでの間、緊急輸入することを求めたのに対して、窓口として陳情を受けた柚木道義代議士と相原久美子参院議員は、前向きな対応を約束した。(川口恭)
 同会が行っている署名活動の趣旨は、既報の通り。
 柚木代議士は「前の足立政務官の時代に不活化ワクチンを含め製薬メーカー側にも開発を要請していて、そして要請するだけでなく私たちも与党政府一体となって、今部会の中で、ワクチン8種類ぐらいだと思いますが、研究をさせるための検討会を行っているんですよね。ポリオの不活化ワクチンについては来年の終わりぐらいには何とか薬事の承認というように聞いてますが、それまでの期間はあるわけですね。今、緊急性をおっしゃったわけですから、その間、輸入のものをですね、まさに承認に時間がかかると言えども、ワクチンラグをどうやって解消するんだと取り組んでいる中で、何らかの形で、ここは海外で承認を受けているものであればね、少なくとも来年末までの間何とかできないかという風なことをですね、郡先生(紹介議員の郡和子代議士)と一緒に相原先生と一緒に、私たち党から政府側に働きかけをしていきたいと思いますので、ぜひ一緒に取り組んでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います」と述べた。
 相原参院議員も「しっかりと受け止めさせていただきました。解決策はあるものですからね、うん、やっぱりそこにきちんと私たちも手を組んで頑張りたいと思っています」と述べた。

この時
 来年末までには
という話が出てたんだけど、同じ民主党でも
 小宮山厚労相はこの「早期ワクチンラグ解消」をガン無視
している。この、ポリオの会が昨年署名運動を始めたのは
 ポリオ生ワクチンによる「二次感染」がきっかけ
だった。ポリオの二次感染については、昨年2月18日に、神戸市が発表している。


ポリオ(急性灰白髄炎)ワクチン関連の健康障害事例
記者資料提供(平成22年2月18日)
保健福祉局保健所予防衛生課 白井・内野
TEL:078-322-6798 内線3437
ポリオ(急性灰白髄炎)ワクチン関連の健康障害事例
神戸市内における、ポリオ(急性灰白髄炎)ワクチン関連の健康障害事例についてお知らせします。
なお、報道に際しては、ご本人やご家族のプライバシーに十分配慮していただくとともに、ご家族ならびに医療機関への取材についてはご遠慮いただくようお願いします。
1.患者概要
神戸市在住の9か月児(男児)

2.経過
平成21年12月28日 発熱(38.5度)
平成22年1月 1日 受診(感冒の診断、解熱)
平成22年1月 4日 つかまり立ちができなくなる
平成22年1月 5日 母親が、はいはいする時に下半身が動いていないことに気づく
平成22年1月7日~1月17日 筋緊張低下と下肢の麻痺のため入院
平成22年1月21日 受診(検査のため)
平成22年1月27日~2月2日 入院(治療のため)この間に病院から保健所に相談がある  
平成22年2月 5日 検便の結果、ポリオウィルスII型と同定 ポリオ(急性灰白髄炎)と診断
平成22年2月17日 神戸市環境保健研究所において分離されたウイルスを、国立感染症研究所において「ワクチン株」か「野生株」かを精査した結果、II型ワクチン株と同定

3.ポリオワクチン接種歴
なし
(平成21年11月のポリオワクチン集団接種は体調不良のため未接種)

4.現症状
全身状態は良好で右下肢の麻痺は改善したが、左下肢の麻痺は現在も残っている

5.その他
本件はポリオ生ワクチン接種時に体調不良のためにワクチン接種を受けることができなかった児が、ワクチン由来のポリオウィルスに感染した極めてまれな事例です。
患者さんとの濃厚接触があったと思われる方々の中で、体調不良の方は見つかっていないことから、周辺への感染拡大の危険性はないと考えられますが、引き続き健康状態の確認を行っていきます。
ポリオは、ワクチンで防ぐことができる病気です。ポリオワクチン接種は、安全で有効なポリオの感染予防対策として全世界で行われています。今後も、ポリオワクチン接種を引き続き進めて参りますが、まだポリオワクチンを受けていらっしゃらない方は、接種をされることをお勧めします。
(以下略)

この心痛むポリオ二次感染を受けてのポリオの会の動きについては、ロハスメディカルより。


村重直子の眼9 小山万里子・ポリオの会代表(上)
(2010年6月27日 16:45)
(略)

村重
「5月18日から、ポリオワクチンを海外で使われている不活化したものに切り替えるよう署名活動を始めてらっしゃいますね」

小山
2月に神戸でポリオ生ワクチンの二次感染被害が発生しました。これで、もう黙っていられないと思いました。以前から政府行政には不活化ワクチンへの切り替えの要望を続けてきましたが、ワクチン接種が世の中の人に怖いものと思われたらいけない、パニックをひき起こしたり、生ワクチンの接種を受けない子と受けた子が出たら大変危険だと考えて、社会に訴えかけるようなことは控えてきました。でも、このままだと、また次の被害者が出ます。もう耐えられません。今は新規のポリオ患者は、すべて生ワクチンが原因です」

村重
自然発生はもうないのに、生ワクチンを使っているためにワクチン接種後に発症されるんですね。多くの国では不活化ワクチンなので、ワクチンの後に発症することはないと」

小山
「そうなのです。アメリカは1999年までは不活化ワクチンを2回注射した後で生ワクチン2回投与でした。不活化を2回打てば生ワクチンを投与してもその人は発症しない。ただし、生ワクチンを飲んだことでウイルスをまき散らし、ほかの人に感染させる恐れはあったので、2000年に完全に生ワクチン投与は停止しました。で、その頃に日本も生ワクチンから不活化に切り替えを検討しましたが、それからもう10年経っています」
村重
「今でも厚労省は国産にこだわって輸入せず、国産の混合ワクチンを開発しますと言っていますからね。その間に、生ワクチンでポリオ発症する被害者が増えてしまいます」
小山
「4種混合は何年も前から言われていて、2005年に日本ポリオ研究所が治験に失敗して、そのままになってしまっています。2年前の平成20年3月の時点で、福田首相が国会答弁で初めて数字をあげて、平成年度のポリオの生ワクチンによる被害が80人、2次感染が5人と言いました。19年間で80人ですから、1年間に4人以上の発症です。2次感染によるポリオ発症の統計は平成16年までなかったので、16、17、18、19の4年間で5人。年に1人以上。2次感染として認められた方の数です。これが政府の認めた数ですけれど、実際にはもっと被害者は多いはずです」
村重
「統計に出てない方の数も多いと」
小山
「この数字より大きいでしょう。ほとんどの医師はポリオのことを知りませんから、診断がつきません」

というわけで
 統計に出ているだけでポリオ生ワクチンが原因でポリオに感染した患者数が1年に4人以上
いて、更に
 ポリオ生ワクチンによる二次感染が毎年1人以上
いるわけだ。ポリオは
 糞口感染(腸管で増殖して大便と一緒に排出され、その大便に触れたり、汚染されたものを触った手で口を触ることで感染)
するウイルスである。おむつを替えているような、排泄の自立が出来ていない乳幼児から感染することがあるのはそのためだ。
 ポリオウイルスは、生ワクチン接種後、約1ヶ月間にわたって排泄される可能性
がある。つまり
 ワクチンを接種したのを忘れた頃でも、ポリオウイルスは子どもの糞便中に排泄されている
ってことなのだ。
 家族のように濃厚接触がある関係で、大人等にポリオの免疫がない場合
には、
 ポリオ生ワクチンを接種した子どもの腸管で、ごくまれに神経毒性を回復したポリオウイルスが増殖し、周囲に感染させる恐れ
がある。確率は200万分の1と言われているが、実際問題として
 毎年1人以上の二次感染
が出ている。しかも
 昭和50〜52年生の大人たちは、接種した生ワクチンがうまく効いておらず、ポリオの抗体価が低い
ことが分かっている。これらの大人が、ポリオワクチンの追加接種をしてない場合は
 おむつを替えることで、感染の危険に晒されている
ことになる。
 子どもの頃、国に定められたとおりにワクチン接種をしていても、家庭内で大人が感染する恐れがある
のが、現在の日本国内のポリオの状況で
 これがワクチン禍でなかったら、何がワクチン禍
なのか。

しかも、上に見えるように
 不活化ワクチンの導入を厚労省が10年以上サボタージュしている
のである。
この地図は、
 ポリオの会作成の「不活化ワクチン」使用と「生ワクチン」使用の国を図示
したもので、青が「不活化ワクチン」使用国、オレンジが「生ワクチン」使用国、黄色が「切り替え中」の国だ。(2010年9月更新)
Pmap

この地図が示すように
 日本は堂々たるポリオワクチン後進国
である。てか
 野生ポリオの集団発生が起きた中国よりもワクチン行政が遅れていて、北朝鮮並み
って、どういう冗談だ?

小宮山厚労相は
 誰の利益を守りたい
のか、知りたい。普通の親であれば、いくら厚労相に脅かされても、
 生ワクチンによるポリオ感染の危険性>不活化ワクチンによる事故
と考えるだろう。厚労省と小宮山厚労相がすべきことは
 不活化ワクチンの早期導入
であり、承認前の不活化ワクチンによって万が一事故が起きた場合は、
 国の責任で、ワクチンラグを招いたための事故なのだから、全面的に治療その他の支援を行う
べきである。それが
 政治家としての役割
ではないのか。

さて、今後のシナリオだが、次の3つを想定している。起きてはいけないことだが、万が一、不幸な事態が起きた場合、どう転んでも厚労省と国は指弾されるだろう。
1. 不活化ワクチンで問題が起きた→不活化ワクチン導入をサボっていた厚労省と国の責任
2. 生ワクチンで問題が起きた→不活化ワクチン導入をサボっていた厚労省と国の責任
3. 家庭内二次感染が昭和50〜52年生の大人に起きた→抗体価の低いワクチンを接種させ、その後のフォローと周知徹底が不足している厚労省と国の責任
というわけで、こうした事態が起きてしまった場合、
 小宮山厚労相がマスコミの血祭りに上げられる
のは間違いなさそうだ。

子どもがいれば、ポリオワクチン接種時に、
 昭和50〜52年生の両親はスクリーニングされる
けれども、
 独身の男女がワクチンの情報に触れる機会はかなり少ない
だろう。
 昭和50〜52年生の働き盛りにポリオによる被害
が起きないよう、願っているのだが。

ポリオのワクチンラグによる
 ポリオ感染被害
については、朝日が頑張っている。一方
 小宮山洋子厚労相はNHKの出身
だ。
 朝日とNHKは不倶戴天の敵
とも言われる関係なので、
 今後更に、朝日の小宮山厚労相への批判は強まる
だろう。
そして、不幸にして、上記3つのような
 厚労省と国の不作為によって引き起こされた「避けられた筈」の悲劇
が起きたならば、いまの内閣は、そこから瓦解する恐れなしとしない。それどころか
 国民が被害に遭うのを、権益保持のために座視していた民主党政権
という烙印を押されるだろう。

はっきり言うが
 そんな「不幸」を手を拱いて待つ愚を犯す
よりは
 厚労省が決断して、「悲劇を未然に防ぐ」
のが
 政治の正しいあり方
だ。

現在
 中国で流行しつつある野生のポリオの集団発生
については、以下に。
 2011-10-04 中国旅行・出張予定者はポリオワクチン(特に34-36歳の人は抗体保有率が低い)の追加接種を 国慶節で民族大移動時期の中国で野生型ポリオの集団発生確認 北京でもウイルスキャリアが見つかる→不活性ポリオワクチン接種医療機関情報付き
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2011/10/34-36-32b5.html

ちなみに、民主党は、中国からの観光客を増やそうとしているが、人の出入りが多くなれば
 中国から日本に、野生のポリオに感染している人、あるいはキャリアが入国してくる
ことも、当然考えられる。
 ポリオの感染から発症までの潜伏期間は4〜35日(平均15日)
であり、
 感染していても気づかず、発症する前に来日する場合
も、当然あり得る。
 野生のポリオ集団感染は対岸の火事ではない
のだ。

わたしが子どもの頃、
 ポリオで手足が不自由になった大人や子ども
をたくさん見た。麻痺が起きるのは片足が多かった。ポリオ特有の麻痺によって、細く、垂れ下がった足と松葉杖という組み合わせは、街中で頻繁に見られる光景だった。そうしたポリオの後遺症を抱える人たちを、わたしたちは無理に追い越したりして危険な目に遭わせないように、家でも学校でも躾けられた。大学病院の小児科病棟には
 鉄の肺
がいくつも設置された部屋があった。鉄の肺は、ポリオで胸の筋肉が麻痺し、呼吸ができなくなっている患者を救う装置だった。

1960年代初めに日本では生ワクチンが導入されて、ポリオ感染と後遺症の麻痺は劇的に減ったとは言え、
 生ワクチンによるポリオ被害
が今なお放置されているのが
 豊かな国 日本の厚労行政の実態
である。しかも
 日本でポリオ撲滅運動、国内の生ワクチン導入に力があったのは日放労(NHK労組)の上田哲(社会党)
だったというのに、
 NHKの後輩である小宮山厚労相
のやっていることは、そうした功績に泥を塗るような
 厚労省の国民の福祉向上を無視した責任逃れ
ではないのか。それとも、
 1948年生まれの小宮山厚労相は、鉄の肺も、下肢が麻痺して松葉杖で歩いていた人も見たことがない
というのか。あの
 悲惨なポリオの記憶
を、キレイさっぱり忘れ去ったとでもいうのか。学年に1人以上はいたはずの
 ポリオの被害者
を、小宮山厚労相は、その虫も殺さないような笑顔で
 ポリオの子とは、一度も学校で一緒になったことがない
と言うつもりなのか。

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コメント

私も、ポリオで片足が麻痺して杖歩行している先生(医者)をみたことがあります。
子育てママの話題は、同じ保育園で、先にポリオワクチンを摂取したこどもから、うつらないか、、ということです。
もちろん、ワクチンうったことは連絡しているし、保母さんも注意してはいるんですが、、、、。
ポリオのワクチンは、検診時に集団接種しますが、今は、保育園で昔では考えられないほど幼い赤ちゃんが集団で生活しています。

昭和50〜52年生というと、1975-77年うまれ。今年、36−34才。まさに子育てまっさかり。
赤ちゃんのワクチンから、親が感染したら、それこそ、ワクチン禍です。

投稿: 麻酔科医 | 2011-10-18 19:26

この御仁のことだから驚きゃしません。
そもそも、もっと早く斬首されるべき人間でしょう。
エリート家計育ちだから、一般庶民の思いなんぞ鼻にもかけないと思いますよ。
片山さつきと双璧をなすかもしれません(人格の腐り度合いでは)。

投稿: SY1698 | 2011-10-18 22:11

この神奈川の事例は、ちょっと先走りしすぎなんです。

別に不活化ワクチンを個人輸入して自己責任(接種希望者と接種医師の)で接種する分には、規制されていません。
今回の神奈川の発表は、誰にとっても寝耳に水の話で、県医師会も小児科医会も全く聞いておらず、しかも、県が輸入するものの接種は自己責任で、健康被害補償も全くなし(いま、個人輸入でしているところは、ややこしいものの一応の補償制度には入っています)。
行政機関のやることとしては確かに間違っていると思います。
つまり厚労省的には「県が主導してやるポリオ不活化ワクチン接種は望ましくない」ととらえるべきかと。

まあ、それがあの人の口を通るとああいった表現になるんだな、ってとこですね(笑)

というか、現地の小児科医の間でも、「なぜ県は突然こんなことを言い出すの???」という状態です。


ちなみに、国産不活化ポリオ単独ワクチンは治験中に治験制度が変更になり、ワクチン開発製造会社である、日本ポリオ研究所が対応できなくなったために(主にコスト面で)、ビケンにライセンスされ、ビケンが4種混合として治験を終了させています。
ワクチンの治験は、使ってみてどれくらい抗体が獲得できるかを見るだけでなく、複数回接種でどれくらいの効果上昇がみられるのか、そして何より、それが「どれくらい長期間持続するのか」をみなければほとんど意味がありません。

インフルエンザワクチンなら、そのシーズンの間だけ効いてくれればいいから、短期的なフォローだけでデータが出せますが、ポリオなど長期間にわたる効果がないといけないワクチンでは、そういうわけにいかないんですね。
大体、接種するだけでも初期3回+追加1回で2年弱かかります(ImovaxPolioなら、アメリカでは追加接種は4-6歳ですから、データ取りだけでも終わらせるのに6年かかる計算になります)。さらにそこから1年後、2年後とフォローして、抗体の低下がどれくらいかをチェックする必要があります。そこまでして初めて「有効」かどうかがわかるんです。

もちろん、ImovaxPolioの治験も始まりましたが、こちらは基礎データが外国のものがありますので、短期的な副作用チェックと最低限の有効性確認だけでも承認申請を受け入れる、というのが厚労省の方針のようです。

投稿: Seisan | 2011-10-19 11:18

おまけですが私見を・・・

今回の不活化ポリオ騒動、マスコミにも責任ありです。
国民の不安をあおっているのは間違いなくマスコミです。
生ワクチンは日本人をポリオから守ったという実績があります。もちろん、ポリオが国内根絶になった今、不活化に早急に切り替えるというのは必然ですが、その歴史を無視して「危険なワクチンを放置していた」というのはあまりにもな発言だと思います。

また、国産不活化ワクチンがここまで遅れているのもある意味マスコミにも原因があります。
先ほどの投稿で、治験制度が変わったせいで、最初の国産不活化ワクチンが治験中止になったと書きましたが、それの遠因はマスコミの過剰な「副作用叩き」であり、イレッサなど、その典型例でしょう。ああいったところから、治験制度が非常にややこしくコストのかかるものになってしまったんです。それがなければ何年も前に国産不活化ワクチンは出ていたと思います。

薬による副作用が当初予想より強ければ「治験(制度)が甘かったからだ」と叩き、新しい薬が認めるのが遅れれば「治験(制度)がおかしいからだ」と叩かれ、緊急輸入して何か起こったら「なぜちゃんと治験しない」とたたかれるのなら、どうすればいいんでしょうね。

今、不活化ポリオをしている医療機関でも、今のところ大きなトラブルが発生していないからいいものの、一人でも重大な健康被害事象が発生したら「なぜそんな危険なワクチンを国の承認もなくしていたのだ!」と袋叩きになるのは間違いないところでしょう。

投稿: Seisan | 2011-10-19 11:32

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» 小宮山厚労相、言っちゃいましたね… [うろうろドクター]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111018-00000003-cbn-soci 神奈川の不活化ワクチン提供、望ましくない−小宮山厚労相 医療介護CBニュース 10月18日(火)14時4分配信  小宮山洋子厚生労働相は10月18日の閣議後の記者会見で、神奈川県がポリオ(小児まひ)の不活化ワクチンを希望者に有料で提供する方針を固めたことについて、「 (不活化ワクチンは未承認のため)健康被害が生じたときに健康被害救済制度がないこと、国民の不..... [続きを読む]

受信: 2011-10-18 18:31

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