類書がない遺跡紹介書籍『韓国の古代遺跡1/2』(中央公論社)は電子書籍にupdateしてほしい
日本古代史もしくは仏教史の研究者が、韓国へ旅行する際、必ず参照する書籍がある。
東潮さん、田中俊明さんのお二人が、中央公論社から1988-89年にかけて出版した2冊の書籍
韓国の古代遺跡〈1〉新羅篇(慶州)
韓国の古代遺跡〈2〉百済・伽耶篇
である。いまは、古書として入手可能だ。2冊で4000円前後だから、普通のガイドブックと比べても、そう高いものではない。
韓国古代遺跡の詳細な記述で、古代史探索のガイドブックとしては、この上なく便利だ。地図もあるし、遺物や遺跡の図も豊富だ。
問題は
類書がない
のに
初版から20年以上を経た今、さまざまな状況が変わっているのだが、改訂版が出ない
ことだ。
まあ、これだけ詳細かつ具体的な記述が満載な書物だから
手を入れにくい
というのはわかる。
だったら、
電子書籍としてupdateする
のはどうだろうか。
電子書籍にすれば、遺跡の位置は、GPSで入れられる。写真も脚注もリンクできる。拡大縮小自由自在で、解説をポップアップ表示できるようにすれば、それこそ、iPadなどの端末片手に遺跡巡りが可能だ。電子書籍なら、自分で気づいたことをメモできるようにもしてほしい。
書冊体のガイドブックは、ブラウズ能力に優れているのだが、本書の場合
項目をピンポイントで見る役割
の方が要求されるから、電子書籍になった方が、いまの100倍は使いやすいだろう。
電子書籍になれば、組版やページ数に、書冊体ほど、頭を悩ませなくても良い。むしろ、書冊体ではできなかったことが可能になるのだから、もっとアクティブでよいものになるのではないか。
中央公論社はこうした良質コンテンツを
新たな装いで出版する
ことは考えてないのかな。朝鮮半島に限らず、歴史の眠る土地で、簡単に参照できる専門的なガイドブックは、今後ますます需要が増えるだろう。
iPhoneなどスマートフォンでも使えるようにすれば、結構売れると思うよ。
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