大津透編『律令制研究入門』名著刊行会 2011.12 3150円(税込み)
東大の大津透さんを中心とした
天聖令研究グループ
のまとめ報告といったらよいのか、八名の執筆者による論文集。もとは東方学会の英文学術誌"Acta Asiatica" vol.99に収められた英文の論文だが、日本の古代史研究者の便を図り、内五編の日本語論文を収録し、併せて若手に執筆を依頼した旨、巻頭言に詳しい。たしかに、巻頭言にあるように、
議論がおおざっぱ
ではあるのだが、東アジアの律令制を概観するのには手頃だと思う。
まだ、届いたばかりで、ちゃんと目を通したのは
丸山裕美子 律令法の継受と文明化
で、一番肝腎な
仏教の受容
については、紙数が尽きていて議論が及ばず、そこが残念だが、これまでの研究史を踏まえて、注がインデックス代わりに使えるという意味では、今後、東アジアの隋唐期の文化交渉を学ぶつもりのある学生や専門外の研究者には親切。
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