視線を雲母で図示した北斎最晩年の「地方(じかた)測量之図(公開は前期4/14〜5/13)」初公開 ホノルル美術館コレクション 北斎展@三井記念美術館 4/14〜6/17
凄いぜ、北斎。
産経より。
葛飾北斎生誕250周年記念 「北斎展」あす開幕 三井記念美術館
2012.4.13 07:57ホノルル美術館所蔵
世界に誇る逸品170点が里帰り
“赤富士”を代表とする「冨嶽三十六景」など革新的な画法で世界の芸術家に大きな影響を与えた江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の生誕250年を記念する「北斎展」(三井記念美術館、産経新聞社主催)が明日14日から前、後期に分け東京都中央区の三井記念美術館で開かれる。東洋美術の収蔵で世界的に知られる米ホノルル美術館が所蔵する、北斎の逸品170点を一度に里帰りさせるのは初めてのこと。圧巻の揃物展示コーナーと、その業績を紹介するコーナーに分かれ、北斎芸術の神髄に触れられる。
◇
驚くべき北斎の画法は数々あるが、その中で今回、日本初公開となる版画、「地方(じかた)測量之図」は秀逸だ。
なんと測量役人の測量器をのぞく視線がキラ(雲母)を使って表現されている。しかも、その視線の流れを「甲」から「乙」へ=下、「丙」から「丁」へ=上、と“絵解き”までして解説しているのだ。
キラは浮世絵では美人画などの背景に度々使われる“小道具”だが、視線をまるで現代のビーム光線のようにキラで表現してしまおうと考えたのは北斎が最初で最後なのだ。
「肉眼ではなくレンズという違う物差しで見る行為そのものを絵にしている。科学そのものですよ。こんなことを当時考え、世に問える人は北斎だけですね」と、三井記念美術館の樋口一貴学芸員。
だからこそ、ゴッホ、ドガ、モネといった西洋の画家だけではなく、ドビュッシーのような音楽家にも多大な影響を与えたのだ。
しかも、この版画を完成させたのが亡くなる前年の89歳というから、その若々しく尽きない発想にも驚かされる。
「青」という色を劇的に駆使した手法も北斎ならではだ。おなじみ“赤富士”に代表される「冨嶽三十六景」は「空」の「青」を横一文字で表しているのがほとんどで、上昇感のある富士山を濃い青で抑え付け、見事にバランスを取っている。この「青」はプルシアンブルーといい、幕末の浮世絵界に革命を起こし、象徴的な色となった。
北斎はこの色を自身が興味を持つ“水の動き”にも導入。「諸国瀧廻り 相州大山ろうべんの瀧」など瀧シリーズ(揃物)8点全てにも使った。
また、和漢に通じる教養の高さを物語る「詩哥写真鏡 清少納言」などの故事もの10点、「諸国名橋奇覧 三河の八ツ橋の古図」などの橋シリーズもの11点も北斎の魅力を余すところなく伝えている。
ホノルル美術館の約1万点の浮世絵の核はミュージカル「南太平洋」の原作を書いた作家、ジェームス・A・ミッチェナー氏(1907~97年)が収集し、寄贈した逸品。その中でも北斎の作品は保存状態が良好と言われている。必見だ。◇
【会期】 平成24年4月14日(土)~6月17日(日)
前期:4月14日(土)~5月13日(日)
後期:5月15日(火)~6月17日(日)
※前・後期で全作品の展示替えを行います
【会場】 三井記念美術館
(東京都中央区日本橋室町2の1の1三井本館7階)
【休館日】 月曜日(4月30日は開館)
【開館時間】 10:00~17:00(入館は16:30まで)
【入館料】 一般1200円 大学・高校生700円 中学生以下無料
70歳以上割引(要証明)、団体割引(20名以上)あり
障害者手帳をお持ちの方、その介護者1名は無料
【交通案内】 東京メトロ銀座線、半蔵門線「三越前」駅下車
A7出口徒歩1分
【問い合わせ】 (電)03・5777・8600
(以下略)
いや〜
視線を雲母で図示
って、さすがだよ、北斎。これは是非見たい。しかも
89歳で考案
したのか、北斎。ますます凄いぜ。
三井記念美術館の解説サイトはこちらで、
特別展 ホノルル美術館所藏「北斎展」葛飾北斎生誕250周年記念
こちらに
地方測量之図 展示期間 前期(4/14-5/13)
とあるので、行くなら今の内だ。さすがにインターネットの画像では
雲母摺は見えない
ので、現物を肉眼で見るしかない。
なお、
後期展示期間
で、「地方測量之図」はもう出陳されてないけど、
5月18日(金)は「国際博物館の日」を記念して、5月18日(金)当日に限り、外国人、大学・高校生の方は無料でご入館いただけます。
<パスポート(写し可)、または学生証の提示が必要です。>
とのことなので、該当する皆様は、5/18に後期展示を見に行くといいかも。
詳しい出品目録はこちら。
出品目録(PDF)
前期後期で
北斎の作品は全取っ替え
になるから、上記PDFで確認して出かけるのが吉。
| 固定リンク
コメント