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2012-04-10

ググってビックリ セブンネットの「ベビ旅&マタ旅」サイト「赤ちゃん連れでも妊婦さんでも旅に出よう」本気か

2011-01-10 東京ディズニーリゾートからの妊婦救急搬送 「マタ旅」は妊婦とその家族を不幸にする第一歩→2007〜2009年の3年間で順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科で飛び込み出産1例、命に関わる常位胎盤早期剥離1例、子宮外妊娠1例、流産が18例、入院加療が必要な切迫流
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2011/01/post-ab0e.html

2011-01-10
沖縄ではたった96床のNICUを内地から来た「マタ旅」妊婦の早産児が奪う「マタ旅」は妊婦と家族を不幸にする第一歩(その2)日本屈指のリゾート地にして周産期医療資源が乏しい沖縄でも「マタ旅」妊婦が少なからず緊急搬送
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2011/01/96nicu2-cb9a.html
の続き。

調べ物をしていて、googleで
 マタ旅
と入れたら、
 セブン旅ネットの「ベビ旅&マタ旅」サイト
が筆頭に来た。謳い文句は
 赤ちゃん連れでも妊婦さんでも旅に出よう
だ。
勘弁してくれ。

でもって、
 妊婦さんでも安心の宿
として、
 ・焼津
 ・軽井沢
 ・神戸
のホテル・旅館がピックアップされてるんだが
 救急搬送できる範囲に大きな病院があるのか
で選んでるのかね。調べてみると
 焼津→焼津市立綜合病院(地域周産期母子医療センター)
 軽井沢→佐久総合病院(地域周産期母子医療センター)
 神戸→兵庫県立こども病院(総合周産期母子医療センター)/神戸大学医学部付属病院・済生会兵庫県病院・神戸市立医療センター中央市民病院(地域周産期母子医療センター)
てことで、神戸はともかく、焼津と軽井沢に行く場合は、地域周産期母子医療センターはあるけれども、そこに搬送されるということは
 地域医療を外来者が圧迫する
ってことだ。

で更に、このサイト、
 産婦人科医のアドバイスはなく、助産師のアドバイスだけ
ってところが凄い。
 助産師は「正常分娩しか扱えない」
ってところを華麗にスルーしている。てか
 問題がある出産は、助産師の知識では対応出来ないのに、あたかも助産師を「通常のお産も、母子の命に危険が及ぶお産もすべてOKな専門家」のように扱っている
ってのが、ダメだ。
たぶん、産婦人科の先生方から
 総突っ込みを受ける「マタ旅」アドバイス
を転載しておく。対応した助産師は
 西武池袋本店「プレママステーション」の助産師さん(氏名不詳)
だそうだ。
突っ込みどころはとりあえず赤で。[]して私見を入れておく


助産師さんに伺いました妊婦さん・赤ちゃん連れの旅行のポイント

妊婦さんの旅行や赤ちゃん連れの旅行には、何かと気になることも多いもの。
気をつけるポイントを、西武池袋本店「プレママステーション」の助産師さんに伺ってみました。

・妊婦さんの旅行はいつ頃なら行けますか?

胎盤ができた後、だいたい16週ぐらいからを安定期と呼ぶのですが、この安定期のあいだ、大体16週から27週くらい、または30週くらいまでがお勧めの時期となりますね。あまりお腹が大きくなってきてからでは動きづらく、楽しめないかもしれません。
ただ妊娠中は非常に個人差があります。例えばつわりのある方は、やはりつわり中は苦しいでしょうし。最終的には、かかりつけ医と相談[最終的に、ではなく、最初から要相談]していただきたいと思います。
また、妊娠経過が順調であるかということも大事です。
体調が悪い場合や、お腹が張りやすい、出血しやすい方は、あまりお勧めはできません。[体調が悪い、お腹が張りやすい、出血しやすい妊婦が旅行するなんてとんでもありません。赤ちゃんを大事にして下さい。出血量によってはお母さんの命も危険です。]

・計画時点から注意する点はありますか?

一番に、何においても無理をしないこと。
行き先、食事の内容も含め、すべてのスケジュールを無理をしないでたてる、ということが大事です。
行き先については、無理に医療体制の整っていない所には行かないほうが良い[無理に、ではなく「医療体制の整ってない所には行かない」が原則]と思います。妊娠中は何があるかわからない、という気持ちでいていただきたいです。
「キャンセル料が発生するから行かなきゃいけない」というのはやめて下さいね。特に海外旅行などは「キャンセル料が高いのでもったいない」からといって無理をして行きたくなりますが、ご自分のためにも赤ちゃんのためにも、無理は禁物です。

・妊娠中でも温泉に入れますか?

旅行に行かれるのが、安定期[後述のように安定期は赤ちゃんの環境が整ったということ以外の意味はなく、「旅行をしても安全」ということではない]であるという前提でお話しします。
まず、衛生管理がきちんとされていない温泉だと、大浴場で膣炎などの感染症にかかることもありますので、衛生的にきちんと管理がされているところをお勧めします。
秘湯[秘湯など言語道断。アクセスが悪いというだけで、妊婦に対する危険が高まる。]などに行くよりは、管理がしっかりした旅館やホテルのほうが安心、ということですね。
また、妊娠中はお肌が敏感になりやすいので、今まで平気だった、例えば強酸性のお湯がダメになってしまう方もいらっしゃいます。少し試してみてダメだと思ったら無理に入らずに、その場合は体を洗って出てくる、くらいの気持ちで行かれることをお勧めします。
妊娠中は、のぼせたり動悸が起こりやすくなりますので、そういうことが起こりやすくなるんだということを理解しておいて、具合が悪くなったらすぐにお湯からあがるようにしてください。
特に旅行先で、移動で疲れていたり、お風呂の温度が影響したりという理由で、お腹が急に張り始める事[「お腹が張る」って最悪の場合、何を意味するかこの助産師さんに医学的に説明していただきたいですね]があります。その場合はすぐに、お湯からあがって休憩してください。常に無理はしないことが大事ですね。
それから、温泉、浴場は滑りやすい[滑りやすい場所というだけで、妊婦には不適]ので、気を付けてください。お腹が大きくなってくると足元が見えにくいので特に気を付けたほうが良いですね。家族風呂や貸切風呂で家族と一緒に入るというのもお勧めです。

・移動時間はどのくらいまでOK?

移動時間については、ここまではOKで、ここからはダメということではなく、妊婦さんの状況によって個人差があります。
一般的な話としては、トイレを我慢すると、お腹が張りやすくなることもあるので、「トイレを我慢しないですむ距離」というのも大事になってきます。
また、移動中に座りっぱなしだと、むくみやすくなることもあります。ですから、むくみやすい、お腹が張りやすい、という方[むくみやすい、お腹が張りやすい妊婦さんに不要不急の旅行を勧めるとは]はマメに休憩をとっていただいたほうが良いですね。
車での旅行は、サービスエリアなどで休憩が取りやすいのですが、逆に大渋滞にはまると、自由に休憩が取れなくなりますので、繁忙期の車での旅行は避けた方が良いという考え方もあります。
電車と車では、どちらにもメリットとデメリットがありますので、状況に合わせて検討してみてください。

・大きなお腹でシートベルトができません

マタニティ用のシートベルトも販売されているので、車に乗る機会の多い妊婦さんは、一度調べてみると良いかもしれません。
妊婦さんはシートベルトの着用をしなくても罰則はないということになってはいますが、万が一の事[万が一って何か、説明していただきたいですね。そしてその場合何が起きるかも。]を考えると、お腹を圧迫しないような方法での着用をお勧めします。
車での旅行で長時間座っていると腰が苦しくなるので、腰あてを用意する、冷え防止のためにひざ掛けを用意する、むくみ予防のために足をまめに伸ばすなど工夫をしてみてください。車移動の場合は、少し荷物が増えても大丈夫というメリットを活かしてみてください。

・海外旅行に最低限必要な予防接種は、ありますか?

予防接種については旅行先の国によって決められています。原則としては、妊婦さんには生ワクチンは接種しないこととなっていますが、かかりつけ医とよく相談してください。[明らかに「レジャーでのマタ旅」の範囲を超えていますが]
行き先として、日本とは違った感染症がとても流行しているというような国は、お勧めできませんね。日本で普通に予防接種を受けていれば心配なく行ける場所を選んでみてはいかがでしょう?

・飛行機に乗る時の金属探知機は影響がありますか?

金属探知機については医学的に問題ない[金属探知機に対する対応と予防接種に対する対応とを比較すると、ちょっと恐いのですが。思い過ごしならいいんだけどね。]とされています。ただ、妊娠中で気になる場合には空港で係員に相談すると対応してくれる航空会社がありますので、確認してみてください。

・旅行先でマッサージを受けても大丈夫ですか?

マッサージの種類にもよると思います。
予約する時や申し込む時に必ず、妊娠中であることを伝えてOKであれば受けるようにしてください。
足の裏のマッサージで子宮を収縮させてしまう場合もあり、お腹が張ってしまうことがあるので、注意してください。もし、お腹が張ってきたら途中でもやめて休憩してください。
マッサージを受ける予定がある場合は、事前にかかりつけ医に相談してみると良いかもしれません。

・旅行に持って行った方がいいものや用意しておいた方がいい事はありますか?

母子手帳、保険証(海外の場合は海外保険)の二つは必ず持ち歩いて[これだけでは足りません。普通は宛名のない「紹介状」を持ち歩きます。なぜなら、もし何かあって、かかりつけ以外の産科に掛からなくてはいけなくなったとき、妊娠経過がわからない妊婦さんに対応するのは大変な困難を引き起こしますが、助産師だと「どんな妊婦さんでも一発でわかる魔法」があるのでしょうか。]ください。
薬については、かかりつけ医に相談して、必要な薬があれば持って行って下さい。
また、海外旅行の場合は産科用語、例えば「妊娠何週」「出血している」など、トラブルがあった場合に説明できるような単語を訳して持っていくと安心[そうならないためには、「行かない」のが原則]です。
国内でも海外でもそうですが、「何かあった時にかかれるような病院が周りにあるのか」できれば産科の救急の病院をチェックしておくと良いと思います[できれば、ではなく「必ずチェック」。かつ海外で産科にかかると莫大な費用を請求されるということも言っておかないとアンフェア]。
他にも事前に調べておくと良いことは「トイレ事情」。お手洗いを我慢するとお腹が張りやすくなることもあるので、注意してください。
食事の事情も調べておくと安心かもしれません。

・飛行機の中で注意する事

長時間のフライトになる場合は、車移動と同じで、むくみや冷えなどに気をつけて、腰当てやひざかけの利用や、血栓ができやすくなりますので足先の運動など工夫してみてくださいね。可能であれば、長距離の場合はスペースにゆとりのあるビジネスクラスなども、お勧めです。
また、気圧の変化で腸内のガスが膨らんでお腹が張りやすくなることもあるので、炭酸飲料はやめた方が良いとも言われています。
(以下略)

ええっと、上記付記した突っ込み以外で。まず
 安定期
というのは、一般に誤解されている
 赤ちゃんを流産・早産しない「安心な時期」
という意味ではなく、
 胎児と母体を繫ぐ胎盤の血管が完成する時期
だということを、敬愛する産婦人科医のsuzan先生が以前から口を酸っぱくして強調されている。つまりは
 胎内の赤ちゃんに酸素や栄養を供給し、赤ちゃんから出る余計なものを排出する「通路」が完成する
わけで
 安定期=赤ちゃんが育っていく環境が整った時期
というだけのことだ。
 旅行や移動に適した時期という意味は全くない
のだ。

そのことを
 上記の「助産師さん」も誤解している
のが痛い。てか
 その程度の認識で「マタ旅のアドバイス」をしている
ってことで、非常に危うい。

更に
 助産師の方が、産科医より「お産のことを知っている」風なアドバイス
もある。赤字にした
 事前にかかりつけ医に相談してみると良いかもしれません。
って、
 旅行に行く前に、必ず事前にかかりつけ医に相談するのが原則
だろう。

そう、
 助産師が母子ともに危険に陥るお産を最後まで取ることはほとんどない
わけで、
 旅行へ行って何かあっても、助言した助産師には責任はない
って気楽なアドバイスですな。

久々に凄いサイトを見た。

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コメント

さらに追加するなら、日本は「妊婦に席を譲る」という当たり前のことがマナーでない国ですので(ここは中国や韓国と比しても異常で、欧米なら眉をひそめられるレベル)、「電車での移動が発生する外出は極力避けるべき」と書くべきではないでしょうか。「マタニティマーク」が免罪符となっている形跡があります。

産婦人科医のアドバイスがないというのは、あまりの斜め上な内容に「全力でお断りします」されたんじゃないでしょうか。こんなインタビューまず受けない(責任問題になる危険性もあるでしょうし、そもそも常識以前)。

投稿: SY1698 | 2012-04-10 22:13

中学生・高校生の「保健」の範囲内の話だと思う。
また、大学へ進学して基礎科目として「保健関連」の単位を取得すれば、基本を学ぶはず…。
おかしい。
助産師の「オカルト」的な言動には、目眩がする。

旅行なんていつだって行けるんだから。
慌てて行動するなと言いたい。

助産師はいつだって、責任を取らないからね。
各病院は助産院からのキラーパスを無視する勇気を持たなきゃだめだよ。
そうしないと、世の中は何時まで経ってもよくならない。

投稿: ひがしはらゆりあ | 2012-05-05 18:57

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