朝からインターネットラジオでDaniil Trifonov@The Lyric Concert With Paul Herriott
Facebookをチェックしたら
朝5時からDaniil TrifonovのLive
がある、という予告。覗いたのが4時半過ぎだったので、そのまま、インターネットラジオに接続。アイルランドのラジオ局が、ワルシャワでのコンサートを流してくれる。
http://www.rte.ie/lyricfm/concerts/1533635.html
Daniil Trifonovは
Chopin: Piano Concerto No.2 in F minor
アンコールで
Schubert-Liszt: Die Forelle
Chopin: Etudes op.25-2, 25-12
を弾く。Chopinの故国での演奏ということもあり、聴衆には大受け。
Chopinのピアノ協奏曲2番は、Chopinへの敬意を欠かさない、ワルシャワでの演奏だけに、オケも丁寧(チャイコフスキー・コンクールの時のあのオケを思い出して欲しい)。それ以上に、最近
暴走気味の演奏も時々あるTrifonovが一音一音実に的確かつ丁寧
に弾いている。Trifonovというと
弱音の美音
が、ショパンコンクールの時からの特徴だが、更に磨きを掛けた
しっかりとした芯のある音
が響く。演奏者によっては叙情に流されすぎる恐れなしとしないピアノ協奏曲2番を、Trifonovは、
確実な技術と、丁寧な音作り
で、オケと音楽を組み立ててゆく。第一楽章は、構成のしっかりした音楽を目指し、夢見る第二楽章は、曲想に溺れず、美しい音色と的確なタッチでまとめ上げる。ポーランドの民族音楽的色彩が濃い第三楽章では、難所だらけのパッセージを軽々とこなすだけでなく、
ポーランドの音
を出すことに努める。外国人がポーランドの音を出すのは、非常に難しいといわれているのだが、Trifonovは、それをやりのけている。
ややタッチに疲れが見えたのは、ヘ長調に転調したコーダからの最初の部分で、指が縺れるところが何カ所があったのだが、それ以外はほぼ完璧にピアノ協奏曲2番を弾きこなした。
アンコールの「ます」も相変わらずの素晴らしさ。ほれぼれするような音色で、ますの姿を浮かび上がらせる。
Etudesの25-2と25-12は、これが
コンチェルトを演奏した後のアンコールか
と思うと、恐ろしいというか、愛すべき「ヘンタイ(褒め言葉です)」の面目躍如。25-12で締めくくる辺り、ワルシャワのファンへのサービスを忘れないところがすばらしい。
思いがけない早起きで、幸せな一時を過ごすことが出来た。
上記サイトでは、1週間ほどは、今朝の演奏が楽しめる模様。
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