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2012-05-29

諜報活動の「トートロジー」

読売が抜いた、今朝の記事
中国書記官スパイ?松下政経塾にも…政官に人脈
なのだが、報道がとってもおマヌケ。
 接触した相手に諜報活動をしていると悟られないのが当然
なので、いくら中国大使館にコメントを求めても、返ってくる答えは、


「書記官のスパイ報道、根拠ない」中国大使館

 中国大使館報道官は29日、「(書記官は)中日経済交流と協力方面の仕事をしてきた。今年5月に任期満了で帰国した。いわゆるスパイ行為をしたとの報道は、全く根拠のないもの」とコメントした。
(2012年5月29日15時26分 読売新聞)

しかあり得ない。どこの世界に、自分の国の諜報員を
 そうです、あれはうちのスパイです
と認定する政府機関があるものか。従って、
 中国大使館に聞いたって、答えは得られない
のが当たり前。

更に
 任務も身分もバレないのが諜報員の基本中の基本
なわけだから、次の記事も大マヌケ。


「彼がスパイ…」驚き戸惑う松下政経塾同期ら

 警視庁公安部が在日中国大使館の1等書記官(45)に出頭要請していたことを受け、外交官として着任する前に付き合いがあった国会議員や松下政経塾関係者から驚きの声が上がった。
 書記官が1999年、海外インターンとして約半年間過ごした松下政経塾の同期だった森岡洋一郎衆院議員(民主)は29日、取材に応じ、「自分から積極的に動くような人ではなく、おとなしい印象しかない」と振り返り、「塾時代もその後も、何かの働きかけを受けたことはない」と話した。
 書記官は同塾で自己紹介の際、「日本の政治を勉強しに来た」と話していた。日本語は上手だったが、茶道研修の時は長時間の正座ができず困っていた様子だったという。
 インターン期間が終わった後は連絡を取っていなかったが、森岡氏が衆院議員になった後の2010年秋頃、書記官として森岡氏の事務所を訪れ、大使館での交歓会の招待状を置いていった。森岡氏は不在で、交歓会にも出席しなかったという。その後、都内の地下鉄の駅で偶然再会し、「久しぶり」と言葉を交わしたのが最後だという。
 森岡氏は「本当にスパイ活動をしていたのか、本人に聞いてみたい。公安当局には徹底的な捜査を望みたい」と話した。
(2012年5月29日15時54分 読売新聞)

んなもん
 誰がどう見ても「特務」
なんて奴が、諜報活動してるわけなかろう。

ま、件の書記官がスパイであろうがなかろうが、今後は日本に来るのは難しくなるだろうから、これで、どのみち日本での任務はおしまい。
問題は、ざっとググっただけでも
 この「書記官」が現在噂されている人物だとすれば、精力的に国内の大学や研究所、企業と活発な交流を持った
記録が、大量に拾えるので、
 それらの大学・研究所・企業が今度どう事態に対応するのか
ってことですな。あまりにも広範囲につきあいがあるから、もし、読売の報道通りだとすれば、大変そうだな〜。

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生殖補助医療によって生まれる子どもの先天異常発生率は自然妊娠の1.3倍@1986年〜2002年に行われた南オーストラリア州全不妊治療のデータ解析(先天異常に脳性麻痺を含む)→女性の不妊歴は子どもの先天異常発生リスクを高める

日経メディカルオンラインによると、不妊治療によって得た赤ちゃんについて、非常に気になる分析結果が、オーストラリアで出ている。
 生殖補助医療によって生まれる子どもの先天異常発生率は、自然妊娠の子どもの1.3倍
というものだ。
自然妊娠と比較したオーストラリアのコホート研究
原論文は、NEJM誌5月10日号の論文に掲載された。概要はこちら。
Reproductive Technologies and the Risk of Birth Defects
この研究では
 人口160万人の南オーストラリア州で妊娠した女性の妊娠の転帰と先天異常があるかないかを分析
したもので、基礎となるデータは
 1. 1986年1月〜2002年12月の南オーストラリア州で行われたすべての不妊治療の情報
 2. 同州で報告が義務づけられている、20週以降または体重400g以上でのすべての出産と流産、死産に関する情報と母親の健康状態に関する情報
 3. 5歳の誕生日までに明らかになったすべての先天異常
である。この
 先天異常の定義
だが、
 脳性麻痺とあらゆる妊娠週数での先天異常による中絶または流産
を含んでいる。
 脳性麻痺先天異常に含まれているところがポイント
だ。
分析では
 1. 生殖補助医療を受けた女性の妊娠
 2. 過去に生殖補助医療を受けて妊娠した女性の自然妊娠
 3. 不妊と診断されていたが生殖補助医療は受けていなかった女性の妊娠
 4. 不妊症の記録がない女性の妊娠
について
 赤ちゃんが妊娠中から5歳の誕生日より前に先天異常と診断されるリスクを推定、比較
した。そして
 20歳以上の母親の妊娠は30万8974件
の内
 6163件が生殖補助医療によるもの
だった。また、あらゆる先天異常の発生率は
 生殖補助医療による妊娠 8.3%(513件)
 妊症診断歴がない女性の自然妊娠 5.8%(1万7546件)
と、
 生殖補助医療を受けた妊娠の先天異常発生率は高い
ことがわかった。
 未調整オッズ比は1.47(95%信頼区間1.33-1.62)
である。オッズ比が1より大きいというのは、
 発生率が高い(発生率が同じなら1)
ことを示す。この数値を
 母親の年齢、経産回数、胎児の性別、母親の人種、母親の出生国、妊娠の状態、母親の妊娠中の喫煙歴、社会経済的地位、両親の職業などで調整したオッズ比

 1.28(1.16-1.41)
と、1より大きく、有意差を示した。
不妊治療の内、卵子や精子により多くの操作を伴う
 体外授精(IVF)と卵細胞室内精子注入法(ICSI;顕微授精)による妊娠
を合わせて分析すると、
 先天異常の未調整オッズ比 1.43(1.26-1.62)
 調整オッズ比 1.24(1.09-1.41)

 先天異常発生リスクが有意に高まる
ことを示す。卵子や精子に高度な操作を行うVFやICSI、配偶子卵管内移植(GIFT)を除いた
 卵子や精子にあまり操作を行わない不妊治療によるすべての妊娠における先天異常
についても、
 調整オッズ比 1.24(1.08-1.43)
となり、
 やはり先天異常発生リスクが有意に高まる
ことが示された。
生殖補助医療それぞれについての分析は、次のようになった。


続きを読む "生殖補助医療によって生まれる子どもの先天異常発生率は自然妊娠の1.3倍@1986年〜2002年に行われた南オーストラリア州全不妊治療のデータ解析(先天異常に脳性麻痺を含む)→女性の不妊歴は子どもの先天異常発生リスクを高める"

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「自然に生まれる」よりも37〜41週の満期産では計画出産の方が周産期死亡リスクが低い@1981〜2007年 17万6136人の妊婦の分析 イギリスの研究

出産の神話の一つに
 赤ちゃんは生まれてきたい時に生まれてくるんですよ
というのがある。これは本当なのか。
日経メディカルオンラインに、BMJ誌2012年5月19日号に掲載されたイギリスの研究として
妊娠37~41週の計画分娩は周産期死亡リスクが低い 医学的な必要性のない計画分娩の転帰を、自然な陣痛を待つ待機的管理と比較
が紹介されている。(要登録)
この記事によると、この研究は次のような条件の妊婦を分析したものである。


1. 満期産に相当する、37~41週で行われる、医学的必要性のない誘発分娩(計画分娩)が周産期死亡に与える影響を調べた
2. 分析対象は、スコットランドの産科部門で1981~2007年に扱った、妊娠37週から41週の妊婦による単生児の分娩
3. 研究期間中の分娩は160万5601件で、単生児の分娩は158万5319件だった。このうち妊娠週数などの条件を満たしたのは127万1549人の妊婦で、うち93万8364人に待機的管理が、33万3185人に誘発分娩が適用、誘発分娩のうち15万7049人は医学的に必要とされたもの、残りの17万6136人が今回の分析の対象になる計画分娩

上記の
 待機的管理
というのが
 自然に生まれるのを待つ出産管理
である。

さて、この
 1981〜2007年の17万6136人の妊婦の計画出産群と93万8364人の待機的管理群
を比較分析したところ
 妊娠週数37週から41週までの各週において、計画分娩は周産期死亡のリスク低下に関係
していることが分かった。
たとえば
 自然な頭位分娩、すなわち逆子等でなく、普通に頭から生まれてくる割合
は、


1. 39週までの各週 両群間に差はない
2. 40週以降 計画分娩群で有意に高い

ことが分かった。
その上、
 帝王切開や補助経膣分娩といった手術分娩
に関しても、
 計画分娩群にリスク上昇はほとんど見られなかった
だけでなく、
 妊娠40週以降では計画分娩群の方が手術分娩リスクは有意に低い
ことが分かった。
その他のリスクについては


1. 分娩後の出血 38週以降、計画分娩群で有意に少ない
2. 肛門括約筋裂傷 39週と40週には計画分娩群の方が有意に少ない
3. 新生児ユニットまたはスペシャルケアユニットへの新生児の入院 妊娠40週までのどの週も計画分娩群で有意に多い

1は、出血量が余りにも多いと、お母さんも赤ちゃんも危なくなる。出来るだけ少ないのが望ましい。
2は、お母さんの産後の生活の質に関わる。かつて麻酔がなかった時代には、多産であったためにこうした損傷を受ける機会は今よりも多かったが、手術が難しいこともあって、肛門や尿道が傷つき、日常的に糞尿を垂れ流さざるを得なくなった母親達が少なからず存在した。子どもを産んだために起きた障碍であるにも関わらず、そういう母親は、悪臭と不潔さのために家族に疎まれ、共に住めなかったことすらあったという話が伝わっている。今はそうした出産時の損傷の手術は可能だが、裂傷の程度や場所によっては、深刻な影響が出ることがある。
3について、研究グループは
 周産期死亡率は妊娠週数が37週を超えると徐々に上昇し、その主因は分娩前の死産
であるので
 新生児の入院=死産せずに助かった
ということを意味し、
 計画分娩は死産のリスクを減らすのではないか
と考えている、という。

先進国においても
 満期産になる期間の計画分娩は周産期死亡の低下に役立つ
ことが、この研究では示されている。

これまでこうした研究がなかったわけで、
 生まれたいときに赤ちゃんが「母体に働きかけて生ませる」という「神話」

 あくまで「神話」に過ぎない
ことを、この研究は示唆している。

論文の原文はこちら。
Outcomes of elective induction of labour compared with expectant management: population based study(pdf)

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2012-05-28

吉田秀和逝く NHK FM「名曲のたのしみ」はあと2回は放送されるらしい

吉田秀和が亡くなった。合掌。
ここはNHKから。


音楽評論家の吉田秀和さん死去
5月27日

クラシック音楽をはじめ美術や文学など幅広い分野で、多くの優れた評論を手がけた評論家で文化勲章受章者の吉田秀和さんが、今月22日に急性心不全のため、神奈川県内の自宅で亡くなっていたことが分かりました。
98歳でした。
吉田さんは、大正2年に東京で生まれ、当時の東京帝国大学の文学部を卒業後、戦後まもなく音楽専門誌に連載したモーツァルトの評論で注目を集めました。
クラシック音楽の豊富な知識に基づいた独自の評論を次々に発表して、日本に音楽評論の分野を確立したほか、美術や文学など幅広いジャンルで多くの優れた評論を残しました。
また、昭和23年に、現在の桐朋学園音楽部門の前身に当たる「子供のための音楽教室」の創設にかかわったほか、茨城県の水戸芸術館の館長を務めるなど、音楽教育や文化の発展にも力を尽くし、平成18年に文化勲章を受章しました。
吉田さんは、90歳をすぎても精力的に執筆活動を続け、最近も特に体調に問題はなかったということです。

小澤さん“本当の恩人”
世界的な指揮者の小澤征爾さんは、吉田秀和さんらが東京で開いた「子供のための音楽教室」の第1期生で、吉田さんが亡くなったことについて、「とてもショックです。吉田さんが創設した音楽教室がなければいまの自分は存在せず、本当の恩人です」と話しています。
小澤さんは「戦後まもない時期に、クラシック音楽の教育システムを作り上げたことは、いまの日本にとってかけがえのない功績だったと思います」と話し、「吉田さんの遺志を受け継いでこれからもよりよい音楽作りに取り組んでいきたい」と述べていました。
また、吉田さんが館長を務める水戸芸術館の運営団体の理事長で、ファッションデザイナーの森英恵さんは「吉田秀和先生はアーティストにとって宝石のような存在でした。音楽はもちろん、そのほかのファッションなどの文化もよく理解してくださった、ハンサムな国際人でした。大きな存在で、日本の宝物を失ったような感じです」とコメントしています。

吉田秀和は、わたしの子どもの頃にはすでに
 おじいさんの範疇
だったわけで、先日、久しぶりに
 NHK FMの「名曲のたのしみ」
を聞いたら、咳がひどくて辛そうで、大丈夫かな、と思っていたところ、昨日の訃報に接した。
NHK FM「名曲のたのしみ」は、NHKのサイトによると
 あと2回
は放送される。まずは5/31放送分(再放送)。


名曲のたのしみ  -私の試聴室-
チャンネル [FM]
2012年5月31日(木) 午前10:00~午前11:00(60分)
ジャンル 音楽>クラシック・オペラ
趣味/教育>音楽・美術・工芸

番組内容
                          吉田秀和
 - 私の試聴室 -                    
                              
「交響曲 第1番 ニ長調 D.82」    シューベルト作曲
                      (26分22秒)
          (管弦楽)チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
               (指揮)デイヴィッド・ジンマン
                <ソニー SICC1452>              「交響曲 第2番 変ロ長調 D.125から         
             第1、2、4楽章」シューベルト作曲
                      (29分03秒)
          (管弦楽)チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
               (指揮)デイヴィッド・ジンマン
                <ソニー SICC1452>

それと6/2放送分。


名曲のたのしみ  -ラフマニノフ その音楽と生涯-(23)
チャンネル [FM]
2012年6月2日(土) 午後9:00~午後10:00(60分)
ジャンル 音楽>クラシック・オペラ
趣味/教育>音楽・美術・工芸
番組内容
                          吉田秀和
 - ラフマニノフ その音楽と生涯 -(23)       
                              
「ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 作品40」 ラフマニノフ作曲
                      (24分54秒)
            (ピアノ)レイフ・オヴェ・アンスネス
                 (管弦楽)ロンドン交響楽団
               (指揮)アントニオ・パッパーノ
              <EMI TOCE-90168>
                              
「ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 作品40」 ラフマニノフ作曲
                      (24分30秒)
    (ピアノ)アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
             (管弦楽)フィルハーモニア管弦楽団
                (指揮)エットーレ・グラチス
               <EMI TOCE-3185>
                              
「ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 作品40から        
              第2楽章の一部」ラフマニノフ作曲
                       (2分30秒)
              (ピアノ)セルゲイ・ラフマニノフ
             (管弦楽)フィラデルフィア管弦楽団
               (指揮)ユージン・オーマンディ
           <BMGビクター BVCC-5114>

結局、ラフマニノフで終わっちゃうのね。
「名曲のたのしみ」というと
 オープニングの音楽なし、いきなり「名曲のたのしみ、吉田秀和」の吉田秀和本人のタイトルコールで始まる名物番組
で、初めて聞いたときは面食らった。

NHKには映像もあるので、その内、追悼で放映するかも。
番組として直近のものは2007年7月1日放映の
ETV特集 言葉で奏でる音楽〜吉田秀和の軌跡〜

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日本からアラスカに漂着したサッカーボール 朝日の記事が周回遅れな件@5/28

思わず二度見しちゃったよ。今朝の朝日の記事。


日本名入りサッカーボール見つかる 米アラスカ湾で再び
2012年5月28日6時54分

 米アラスカ湾のミドルトン島で、日本語の名前が書かれたサッカーボールがまた見つかった。「やまかわかずき」とペンで書かれており、東日本大震災の津波で流された可能性がある。
 アラスカ州カシロフに住む米連邦航空局(FAA)の技術者デビッド・バクスターさんの同僚が3日、海辺で見つけた。ボールは白と水色の2色で彩られ、「Japan Soccer」と印刷されている。
 この島では3月にはバクスターさんが、日本語の名前や寄せ書きが書かれたサッカーボールやバレーボールを発見。日本人の妻らが調べるうち、持ち主は東日本大震災で被災した男子高校生や女性会社員だとわかった。「この持ち主も元気でいることを願っている」とバクスターさんは話している。(アンカレジ=藤えりか)

このニュースは、とっくに
 持ち主も見つかりました
という話で終わっていると思ったら、
 朝日では「この持ち主も元気でいることを願っている」
なのだな。

昨日判明した、持ち主情報。昨日のFNNから。


アラスカで発見のサッカーボールの持ち主、宮城の小2男児と判明(動画あり)

東日本大震災の津波で流され、アメリカ・アラスカ州の海岸で見つかったサッカーボールの持ち主が、宮城・利府町に住む小学2年の男の子であることがわかった。
このサッカーボールは、2012年3月、アメリカ・アラスカ州のミドルトン島の海岸で見つかったもの。
このボールが、宮城・利府町に住む小学2年・山川和輝君(7)のものであることがわかった。
和輝君は、「うれしかった」、「見つけてくれてありがとう」と話した。
このボールは、石巻市にある母親の陽子さんの実家に置いてあったもので、実家の近くの小学校でよく遊んでいたが、実家が津波で流され、見つからなくなっていたという。
母親の陽子さんは「『和輝、ほら、ボールあったよ』って言ったら、『えーっ』て言って、本人もびっくりはしてたんですけど。なんか、思い出の品が1つ帰ってきたので。それだけでも戻ってくれば、うれしいなって思ったのが正直なところですね」と話した。
(05/27 12:28 仙台放送)

無事だったようで、何より。

で、朝日の記事だと
 「この持ち主も元気でいることを願っている」
となっている、同僚が見つけたサッカーボールを託されたバクスターさんの談話が、昨日付の河北新報に共同からの配信で掲載されている。


「無事でほっとした」 持ち主判明で米男性

 【ニューヨーク共同】東日本大震災の津波で米アラスカ州ミドルトン島まで流されたサッカーボールの所有者が宮城県利府町の小学2年男児と判明したことについて、発見者からボールを託されたデービッド・バクスターさん(51)は26日、所有者が無事で「とてもほっとした」と感想を述べた。共同通信の取材に語った
 このサッカーボールは3月3日、バクスターさんがレーダー技師として勤務する同島で同僚が発見。バクスターさんがほかにも日本からの漂流物を見つけ、持ち主に返却を試みていたことから、同僚がバクスターさんにボールを託していた。

2012年05月27日日曜日

昨日の朝までには共同が解決済みにしている内容を、今朝朝日がわざわざ
 未解決の話題
として取り上げている理由がよくわからないよ。(7:15)

おまけ。読売は昨夜、持ち主について報道。
アラスカ漂着のボール、持ち主は宮城の小2 (2012年5月27日20時46分)

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2012-05-27

レオナルド・ダ・ヴィンチ『解剖手稿』岩波書店 1982年@京都大学附属図書館に鉛筆で訂正が入っている件

必要があって、岩波が1982年に出した
 解剖手稿(An):ウィンザー、王室図書館、約400頁。
 岩波書店刊、B3版変形(44.8×31.3cm)、ファクシミリ201葉+日本語本文1,058頁、
 全3分冊・別冊1、定価1,545,000円
を、京大附属図書館で閲覧した。

これは本文部分は
 レオナルドの鏡文字を翻刻+日本語訳
という体裁なのだが、なんと
 翻刻部分の間違いを訂正している箇所があちこちにある
ことに気がついた。
なんせ
 本体価格が150万円を超える超豪華本
なので、岩波が正誤表を出したかどうかは知らない。知らないのではあるのだけど
 誰かが、レオナルドの手稿の綴りの誤りを鉛筆で丹念に直している
のである。手稿によっては
 推定される作成年代
まで入っている。

あの様子だと、岩波の150万円を超える限定版は、結構綴りが間違っているようだよ。

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2012-05-23

Googleトップは弾けるアナログシンセ ロバート・モーグ生誕78周年記念@5/23

twitterでataru_mixさんが


https://twitter.com/ataru_mix/status/204952092987764737
ataru_mix: おい、このトップ絵、弾けるぞ!! RT @maffyn: モーグ生誕78周年でGoogleトップがw

とつぶやいてたので、早速googleトップに行くとそこには、
Morg
演奏可能な、ミニモーグが置いてあるじゃん!
たぶん、演奏が録音できるんだろうと思うけど、まだそこまで手を付けてない。

というわけで、今日一日、googleトップのモーグでお楽しみ下さい。(00:24)

続き。(00:47)
heibonshatodayさんが解析を。


https://twitter.com/heibonshatoday/status/204961238281764864
heibonshatoday: 今日のhttps://www.google.co.jp/英数の数字キーで鍵盤弾きながら、マウスかタッチパネルでピッチやらツマミがいじれるのか…いや、鍵盤弾けないけど面白い。

ataru_mixさんも。


https://twitter.com/ataru_mix/status/204961765145059328
ataru_mix: ええええ、このGoogleのMoog、数字キー同時押し下げで和音出てないか?

ということらしいですよ!!!(うちのMacBook Air+Safariだと数字キーに連動してないっぽい)→guri先生のご教示により
 キーボードをUSに変更
すると、数字キーと連動。

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2012-05-21

金環蝕にも安心のテレ東

昨夜、うっかり夜更かししちゃった人は、今日はとても眠かっただろう。

奈良でも、薄雲の中に金環蝕が浮かんだ。
心配された割には
 金環蝕の時だけ雲が晴れた
等の話を聞く。多くの人が、しばらくは日本では見ることの叶わない、金環蝕を我が目で、あるいはピンホールで楽しんだのではないか。

で。
keenさん経由。
365a12ce
いつもながら
 安心のテレ東
である。

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2012-05-20

河竹登志夫『黙阿弥』講談社学芸文庫

黙阿弥は、なぜ引退して
 黙阿弥
を名乗ったのか。その謎を黙阿弥の曽孫である河竹登志夫が、遺された葛籠の中の文書から拾い上げ、幕末〜明治に掛けての
 御一新による文化破壊と改新の嵐
に揉まれた、狂言作者河竹黙阿弥の苦悩と困難を跳ね返す強靱さを描き出す。
いや、面白かった。

元々、河竹登志夫の文章は
 雑誌『四季の味』の連載
でファンになっていたので、この『黙阿弥』も文春文庫に入った早々に買い求めたのだが、本の山に埋もれて行方知れず、その後、年表を増補したこの講談社学芸文庫本を購入、やっと読み終えた。
この人の作品なくしては歌舞伎の幕が開かない、狂言作者河竹黙阿弥の芝居が、その持ち味故に、幕政下においても、明治政府下においても、何かと目の敵にされ、当局の圧迫に晒される。筆難を受けるそのたびごとに、黙阿弥は
 ぎりぎりまで筆を凝らして、しかも咎めに触れない
よう、細心の注意を払って、
 役者に親切、見物に親切、座元に親切の「三親切」
で工夫に工夫を重ね、当たりを取っていくのである。
 演じる役者に親切
というのがまずは基本であり、当て書をする、役者のクセ、特長、苦手等を飲み込んだ上で、観客の時好に沿って、その役者の魅力を最大限に引き出す脚本を書くこと、それが黙阿弥の今に残る仕事の原点なのである。
当て書をした役者はとっくに世を去ったが、黙阿弥の芝居は残り、
 新古演劇十種や新歌舞伎十八番などのお家芸
に選ばれ、繰り返し上演されている。
黙阿弥の芝居の内
 かなりのものが明治以降に書かれた
というのも、驚きである。
明治政府の
 演劇改良運動
によって、庶民の娯楽であった歌舞伎が
 上流階級の観劇にふさわしいモノに改変される過程
で多く書かれたのが、
 能・狂言を題材に能舞台を真似た舞台で演じられる松羽目物
で、黙阿弥の書いた土蜘や船弁慶、釣狐、茨木もその流れだったりするのだ。

河竹登志夫は、引退に際して「黙阿弥」と名乗ったのは
 いまは「黙」って身を引くがその内「もとのもくあみ」、狂言作家として戻る
というのが真意である、という。

14歳ですでに放蕩に明け暮れていた、生粋の江戸の人黙阿弥は
 いかに柔軟にお上からの無理難題を捌くか
ということには、長い修練を積んでいる。上には
 恐れ入りました
という体を見せておいて、
 結果的に実を取る
のが、江戸っ子の粹、薩長土肥の田舎者が貴顕として跳梁跋扈する明治の世でも、野暮な田舎者を強靱な意志の力でやり過ごし、
 座付き作者
としてのつとめを果たし、引退の後は、座付きという束縛からも自由になって、思うさま、筆を運んだ。若い頃はニワカ好きだったという黙阿弥は
 しゃれのめす、柳に風と受け流す
という、江戸庶民の
 最強の抵抗の武器
を磨き上げて、温容を崩さず、
 明治政府の野暮天役人や御用学者を一蹴
したのである。

黙阿弥については、文化庁デジタルライブラリーにオンラインの解説がある。
文化デジタルライブラリー

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2012-05-14

さよなら、ホレイショ CBS CSI: Miamiのキャンセルを発表

見立としては
 水戸黄門+ターミネーター/2=ホレイショ・ケイン
といった展開で、ネタドラマとしては、最高だった
 CSI: Miami
のキャンセルをアメリカCBSが発表した模様。


https://twitter.com/dramanavi/status/201811580629942273

dramanavi: 【速報】生き残るのはどっちだ!? と取り沙汰されていた『CSI:マイアミ』と『CSI:NY』ですが、残念ながらCBSが『CSI:マイアミ』のキャンセルを発表しました。まぁ、マイアミは視聴率の割に予算がかかってたからね…。(キャサリン) #kaigaidrama

たしかに、使う爆薬の量等がハンパじゃなかったからな、CSI: Miami。
個人的にはSeason 5以降
 ホレイショ無双で何でもあり状態
なので、いつ終わってもおかしくはなかったのだが。
Season 4であっけなく殺されてしまった、デルコの姉にして、ホレイショの妻マリソルを演じたアラナ・デ・ラ・ガーザは、その後
 Law & Order Season 17以降
 Law & Order LA
に、
 地方検事補コニー・ルビローサ
としてレギュラー出演している。

FacebookのCSI: Miamiのページではファンの阿鼻叫喚のコメントが続々と寄せられている。
CSIシリーズ全体についての記事。


MAY 13, 2012 10:09 AM PDT CBS Renews CSI: NY, Cancels CSI: Miami, Unforgettable and Others; Rules Still on Bubble

CBS made call on all but one of its lingering “bubble” programs on Sunday, renewing CSI: NY for another season while pulling the plug on 10-year-old CSI: Miami and the freshman programs Unforgettable, Rob and NYC 22.
A decision has yet to be made on the Eye’s last “bubble” show, Rules of Engagement.
RELATED | Fall TV: CBS Picks Up Seven Series, Including Sherlock Reboot, Michael Urie Sitcom
Of CSI: Miami‘s 10-year run, CBS said in a statement, “[It] leaves an amazing television legacy – a signature look and style, global popularity and as a key player in CBS’s rise to the top over the past decade. We thank all the producers – led by Jerry Bruckheimer, Jonathan Littman and Ann Donahue ― and its talented cast, led by David Caruso, for 10 outstanding seasons. Viewers around the world will continue to enjoy rebroadcasts of CSI: Miami in syndication and on key digital platforms for many years to come.

おまけ。その他のドラマの継続/打ち切り情報。


2012 renewals, what to expect from next tv seasons
Alcatraz: CANCELLED because there is some justice in this world.

Castle: renewed.

Once Upon a Time: renewed.

Criminal Minds: officially renewed.

CSI: Officially renewed.

CSI: Miami: cancelled, no more sunglasses for you Horatio

CSI: NY: renewed, even though it has been more on the bubble than Miami sibling

The Good Wife: officially renewed.

Hawaii Five-0: officially renewed.

The Mentalist: officially renewed.

NCIS: officially renewed.

NCIS: Los Angeles: officially renewed.

Bones: officially renewed

The Finder: cancelled, pity.

Fringe: official: fringe renewed for 5th and final season

House: officially cancelled.

Terra Nova: officially cancelled.

30 Rock: renewd for a short season.

Law & Order: SVU: RENEWED for Season 14, about going (too) far.

Ringer: oh no they cancelled it.

Supernatural: RENEWED!

The Vampire Diaries: renewed.

The Borgias: RENEWED for a third season

Touch: Keifer won’t be angry this time, renewed.

続き。(14:30)
ココログメンテ中に、日本語でも記事が出た。海外ドラマNAVIより。


『CSI:』シリーズ、キャンセルが決まったのは...?
2012年05月14日[海外番組事情]

秋の番組再編にあたって、生き残りが懸念されていた『CSI: 』シリーズ。気になる進退の行方だが、『CSI:科学捜査班』と『CSI:ニューヨーク』の更新が決まった。と、同時に米CBSは『CSI:マイアミ』をキャンセルすることを発表。これにより、同作はシーズン10をもって終了する。

なお、CBSは次のように発表している。「『CSI:マイアミ』はTV史に大きな功績を遺した。オリジナリティとスタイルを確立し、世界で人気を集め、当局の過渡期から10年に渡って看板番組としてリードしてきた。製作総指揮のジェリー・ブラッカイマー、ジョナサン・リットマン、アン・ドナヒュー始め同作のプロデューサー全員、そして10シーズンもの間、主役を演じたデヴィッド・カルーソーやその他の才能あふれる俳優勢に感謝したい。そして世界中にいる視聴者の皆さんには、これからもTVの再放送やデジタル配信などを通じて、何年先までも同シリーズを楽しんでほしい」

『CSI:マイアミ』は2002年9月にシーズン1がスタートし、シーズン10まで230話以上が放送された。なお日本では、WOWOWにて今秋からシーズン10が放送される予定。(海外ドラマNAVI)

さらに続き。
ホレイショを演じたデビッド・カルーソのtweet。


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2012-05-12

襲ったのがヒグマよりは非力なツキノワグマであっても人間は骨折→とっても恐いアイヌ語会話集「クマ」の項目

先日
 人里に下りたヒグマを射殺したのがけしからん
とか言ってる人がいるとか聞いたんだけど、
 ヒグマを舐めている
としか思えない。

とっても酷い外傷の画像があるので閲覧要注意だが
 ヒグマよりは人的被害が少ないツキノワグマに「顔を殴られた被害者」の写真つき

 症例報告 クマ外傷の4例(PDF)

 『日本救急医学会雑誌』Vol. 22 (2011) No. 5 発行日: 2011年05月15日
に掲載されている。被害に遭われたお一人は
 ツキノワグマに殴られて、片眼を失う大けが
をされており、ヒグマより破壊力が小さいと言われているツキノワグマでも
 ちょっと殴られると、大変な破壊力がある
ことがわかる。
 手をクマに引っかかれた
と、報道では発表される外傷も、上記論文の外傷の説明を読むとわかるのだが
 非常に傷が深い上に、クマによる外傷は治りにくい
のである。


(略)クマは襲撃時に立位をとり、攻撃部位として頭頸部を標的とすることが多い。自験例は4例とも主に頭部顔面を受傷していた。攻撃の手段は鋭い爪を持つ前肢による殴打、または咬みつくことである。そのどちらも骨折を伴う程度の破壊力を持ち、広範囲かつ深達性の軟部組織損傷を来す。(略)しかし、4例とも致命傷を生じることはなかった。これはツキノワグマが本来は人を恐れる性格であり、人と出会ってしまった結果、防禦の目的で攻撃したためと考えられる。(略)
 症例1のように、顔面の広範囲な外傷を含む場合は脳神経外科、眼科、耳鼻科、口腔外科などの複数科合同の治療が必要となることも多い。(略)一般的には感染の可能性や高度の広範囲軟部組織損傷のため、治療を数回に分けて行う場合が多い。症例3や4のように表面だけの損傷にみえても内部に広範囲な剥脱創を呈していることもあるため、創の深さや範囲の確認が必要である。広範囲な顔面外傷の処置を行う場合は眼球、眼瞼挙筋、涙小管、耳下腺管、顔面神経などの損傷を確認する。これらの損傷に対しては顕微鏡下の修復が必要であり、損傷は陳旧例ほど再建が困難となる。(略)
 創部の細菌感染と破傷風の予防は重要である。一般に動物による外傷は咬創による汚染の他、草木や土泥による高度の汚染が併存し、かつ創縁が複雑で挫滅を伴っていることが多く、手術に先立って創部の十分な洗浄が感染予防に重要である。クマ外傷は咬創のみでなく前肢の爪による外傷もあるが、症例2のように傷の形態から爪による創か、咬創によるものかの鑑別は困難と考えられる。しかり両者において、感染の差を記載した文献は認められなかった。(以下略)
(pp.233-235)

要するに
 クマに襲われた場合は、それがツキノワグマであろうとも骨折を伴う程度の大けがをする
のである。特に
 顔面損傷の場合は、外見の修復が大変なだけではなく、傷ついた眼や耳、鼻、口、そして神経にも影響が及ぶ
ことを肝に銘じて欲しい。これがヒグマなら、殴られたらおしまい、死亡である。
それでもなお
 クマがかわいそう
とか言うのか。自分が熊に襲われない、安全な場所にいる人の暢気な感想としか思えない。

クマと暮らしていたアイヌの人達は、その点
 クマと暮らすことの厳しさ
をよく弁えていた。
手元にある
 明治31年に出された神保小虎・金澤庄三郎『アイヌ語會話字典』
には、クマの項目に次のような会話文が掲載されている。
 「北海道には熊は多く居ますか」
 「人を喰ひますか
 「毎年何人程喰ひますか
そして、この字典の序文には次のように書かれている。
 本書はアイヌ語を言語学上研究せんとして集めたる材料中より普通に行はるる語のみを撰びて假に辭書體になしたるもの
近くに人食い熊がいるかどうかは、この当時、
 普通に警戒すべき事柄
だった。それは今でも同じで、一度人を食ったクマは、人間を襲う。

以前、中国で
 パンダが可愛いから

 動物園の檻に入り込んで、パンダに咬まれた大学生
がいたけれども、最近の日本人は
 クマの怖さを忘れている
のではないのか。

そしてそれは
 クマに襲われた人の被害を「できるだけ小さく、面白い話として報道する」メディアの責任
でもある。

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2012-05-11

ネット通販だとジョーシンが賢い点

便利だから、アマゾンやヨドバシのネット通販をよく使うのだが、問題は
 ヨドバシの場合、ネット通販だと「5年間保証がつけられない」
点である。1年間はメーカー保証で行けるけど、大体壊れるのはそれを過ぎてから。とりわけ
 本体を安く売ってインクで儲けるプリンタ
などが1年を過ぎてしまってから故障するととても痛い目に遭う。送料と有償修理費は、
 型落ちになっている同じプリンタを新品で買う
のとほぼ変わらなくなってしまう。

ところで、
 ジョーシン
の場合
 ネット通販でも別料金で5年保証が付けられる
のである。なんて賢い、てか
 さすが関西の企業
である。
 ちょっとでも差異を作り出して客を呼び込む仕組みの研究
に余念がない。

というわけで
 ネット通販で5年間保証を付けたい
のであれば、ジョーシンも検討するのがいいかも。ヨドバシは今の所、
 新品購入時の5年間保証は店頭販売のみ
だからな〜。ついでにいうと
 新古品には5年間保証は付かない
のである。ヨドバシの新古品は
 店頭展示品等に紛れている
ので、購入時に確認が必要。展示品処分等で価格が安いものを買う場合は、きちんとその辺りを確認しよう。

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「道路でカンガルーが跳ねていた」@5/10 千葉県富里市

オーストラリア等、生息地はともかくとして、それ以外のところで
 道でカンガルーが跳ねている
のを見たら、まず普通は目を疑う。

元気に道路で跳ねているカンガルーの動画はNHKのニュースサイトに。まだしばらくは見られる筈。


カンガルー4匹 4時間逃げる
5月10日 21時2分

10日未明、千葉県富里市にある貿易会社の飼育場からカンガルー4匹が逃げ出し、路上で跳ねているところなどを目撃されるなどしましたが、警察などが捜した結果、およそ4時間後にすべて捕獲されました。

10日午前3時半ごろ、千葉県芝山町の男性から、「路上でカンガルーが跳ねている」という110番通報がありました。
その後、隣の富里市にある貿易会社の飼育場から、おりの中のカンガルー4匹が逃げ出したと連絡があり、警察や飼育場の従業員らが捜した結果、午前7時半ごろまでにすべてのカンガルーを捕獲したということです。
けが人などはありませんでした。
カンガルーは、動物園などに納入するために国内で繁殖されていたものだということです。
貿易会社によりますと、9日夕方に従業員がカンガルーのおりを閉めた際、留め金をかけ忘れたということです。
貿易会社は「動物を扱う業者として、非常に申し訳なく思っています。今後、再発の防止を徹底したい」と話しています。

え〜、
 カギのかけ忘れ
って、一番マズイよね。

で、カンガルーって結構危ないのである。
こちらは
 上野動物園で撮影された「カンガルーボクシング」の映像。

強力な両前肢のパンチだけでなく、尻尾で身体を支えつつ、前肢を絡ませての両後肢による強烈なキックもあるので侮れない。
捕獲に当たったおまわりさんも、
 カンガルーパンチ
に見舞われた模様。スポニチより。


殴りかかってきた?カンガルー4頭逃走、4時間後捕獲
 10日午前3時35分ごろ、千葉県芝山町で通行人の男性から「カンガルーが路上で跳ねている」と110番があった。成田署員約10人がパトカーで捜索し、午前7時35分ごろに4頭を捕獲した。
 同署によると、4頭は、捕獲現場から約1キロの距離にある同県富里市の貿易会社「川原鳥獣貿易」の飼育場から逃げ出した。捕獲後、途中から捜索に加わっていた同社社員に引き渡した。
 捜索にあたった男性署員は「体長は約1メートル60だった。捕まえようとしたら殴りかかってきた」と説明。「素手で取っ組み合いをして捕まえた」と話したという。現場は山間で人家はまばら。ケガ人はいなかった。
[ 2012年5月11日 06:00 ]

まあ、ケガがなくて良かった。

我が家には、アテネ五輪でイアン・ソープが肩に担いでいたのと同じタイプの
 黄色いBoxing Kangarooのぬいぐるみ
がある。当時、オーストラリアにネットで注文した物だ。大好きなボクサーSugar Ray Leonardにちなんで
 Leonard
と名づけた。

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森銑三・柴田宵曲『書物』岩波文庫 緑153-1

戦時下の昭和18年に初版が出、戦後の昭和22年に増訂改版が出された
 森銑三・柴田宵曲『書物』
を発掘して、手に取っているところ。昭和18年頃、何があったんだか
 戦時下で状況は逼迫しているのだが、なぜか良書がいくつか出る
のだが、これもその一つといっていいのかも。増訂改版の森銑三の序を読むと、昭和20年、森銑三は蔵書をすべて戦災で失ったことが記されている。
解説は中村真一郎が書いているのだが、奥付を見てはっとした。
 1997年10月16日
となっている。中村真一郎はこの年の12月25日に亡くなった。とすると、この解説は、中村真一郎最晩年のものということになる。

昭和18年〜昭和22年というと、今から60年以上前なのだが、現在の出版にも通じる、森銑三の鋭い指摘があるので、その部分を書き写して、以下に転載する。


著述家(pp.32-34)
(前略)しかしながらいつの時代にも重んずべき著述家は少くて、重んずるに足らぬ著述家が多い。徒に多くの書を著して、何一つ特に挙ぐべきもののない人もいる。己を養うことは一向にしないで、ただ出す方にばかり追われている人がある。書肆の註文に応じて時好に投じそうなものばかりをつぎつぎ著して、能事終われりとしている人もある。時勢が変わったからと、以前著した書物とは全然傾向を異にする書物を著して恬然としている人もある。そうかと思うと、十年一日の如く似寄りの書物を何部でも何冊でも著して、端目からはよくも飽きないことだと思われる人もある。自分には何ら硏究することもなくて、ただ先人の著書に述べてあるところを書直して、一時を糊塗している人もある。努力だけは認められても、独創を全く欠いている人もある。質よりも量のある書物を拵えることに依って、自己の存在を認められようとしている人もある。影武者を使った代作の書物をつぎつぎと版にして、自ら大家を以て任じている人もある。(略)
 一口に著述家という内にも、大いに尊敬に値する人と値しない人と、あるいはかえって軽蔑に値する人とがあるわけである。多く売れた書物、評判になった書物の著者が尊敬に値する人で、売れなかった、問題にもせられなかった書物の著者が軽蔑に値する人だなどとはいわれない。かえってその反対の場合もあろう。著述家という内にも種々雑多な人がいる。私等に何人が真に尊敬に値する著述家か、その一事に注意を払うべきである。世間の評判には捉われずに、己の眼を以てそれを知ろうと努むべきである。(以下略)

肝に銘じたい。

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2012-05-06

コンサートピアニストの宿命 弾きにくいピアノをどう弾くか Daniil Trifonov in Nara @5/6 秋篠音楽堂

Daniil Trifonovは龍神に歓迎されたのか、奈良の朝は雨だった。
朝の散歩には行けたのだろうか。

近鉄大和西大寺駅から歩いて2分、奈良ファミリーの5階に今日の会場
 秋篠音楽堂
がある。
 普段は、ピアノの発表会等でも使用されるのと同じスタンウェイ
をTrifonovが弾くことになりそうだ。

開演10分前に秋篠音楽堂に到着。聴衆の年齢層は、
 ピアノを習い始めた学齢前の子どもからご高齢の方
までと幅広い。前から3列目のTrifonovのよく見える場所に着席。最前列かぶりつきがなぜか3席あいている。
プログラムは以下の通り。


シューベルト/リスト:「12の歌」より “春のおもい”Schubert-Lisz, Fruhlingsglaube
シューベルト/リスト:「白鳥の歌」より “都会”Schubert-Lisz, Die Stadt
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 作品960 Schubert, Piano Sonata in B-flat major, D. 960
(休憩)
ドビュッシー:映像 第1集 Debussy, Images I
  水に映る影 Reflets dans l'eau
  ラモーをたたえて Hommage à Rameau
  運動 Mouvement
ショパン:12の練習曲 作品10 Chopin, Etudes, Op.10

まずは、昨年の紀尾井ホールでも演奏した「春のおもい」を挨拶代わりに流麗に弾く。Trifonovを初めて聞く人には、優れた導入になる。
その次の
 Die Stadt
は、20世紀初頭の都会を表現しているように聞こえた。シューベルトが亡くなったのは1828年だけれども、都会の疎外が旋律から立ち昇る。
次が大曲の
 Schubert, Sonata in B-flat major, D. 960
なのだけど、第一楽章からピアノとの格闘が始まる。秋篠音楽堂のスタンウェイは
 中音域が「鳴らない」
のである。Trifonovの技術をもってしても、ぞっとするほど平板な音しか出ないのだ。
4/23のサントリーホールでは
 ショパンコンクールと同じという噂のFazioli
を特別に持ち込み、ショパンコンクールでも調律を手がけた日本人調律師が丹念に
 Trifonov向け調律
をしたピアノを、軽々と弾きこなしていたのだが、恐らく秋篠音楽堂のピアノは、ほとんど練習時間も取れなかっただろうし、調律師ともコミュニケーションが十分ではなかったのではないか。Trifonovの好む羽根のように軽いタッチとは明らかに異質のタッチに調律されたピアノで、
 自分の音を出す
のが、今日のTrifonovの課題の一つとなったのだ。
いや、どうするのよ、Trifonov。煌めく高音部の弱音の美しさは紛う事なきTrifonovの音なのだけれども、中音部の音色の凡庸さは
 ピアノが悪い
としかいいようがない。しかし、Trifonovは
 音楽家はどのような条件でも自分の演奏をする
ことをテーゼとしている人物だ。これは、あの悲惨としかいいようのないオケを相手に、チャイコフスキーコンクールでショパンのピアノ協奏曲を弾いた時の発言で、それは今も変わってないだろう。はらはらする思いで第一楽章を聞いていた。
そして
 Trifonovが常に最も得意とする緩徐楽章
が始まる。手元のプログラムには
 シューベルトの最も美しい緩徐楽章
と記されているが、この弾きにくいピアノで、Trifonovは美しい旋律を彼の特長である美音でこれでもかと展開する。この辺りから、Trifonovの本領発揮だ。キレキレの演奏で最後までを弾き切った。鳴らない中音域なのだが、このピアノ、
 ある程度のフォルテで叩けば響く
のである。但し、そうなると、Trifonovの何よりの特長である高音部の美しさはいささか損なわれる。そのリスクを冒してでもTrifonovはピアノをねじ伏せる。
第四楽章では、
 虚空を見つめて、内なるSchubertと対話するTrifonov
の姿が見られた。Trifonovのファンならおなじみの光景である。Schubertとの対話はうまく行ったようで、狂気を孕んだ熱狂の内に曲は閉じられた。
前から3列目で、Trifonovの表情も指も足元もよく見えた。

休憩時間。他の会場では普通に入っていた
 調律が入らない
のである。Trifonovの意向なのか、会場の都合なのかは謎。

前半に空いてた席は、休憩終了時にはほぼ埋まっていた。最前列の3席にも若い女性3人が座る。
そして後半はドビュッシーから始まる。
休憩で調律しなかった、相性の今一なスタンウェイでTrifonovはどう弾くのか。

作戰は
 右手を強めに左手を軽く
だった。右手の旋律を前面に押し立て、左手を軽めに添える音作りである。

今年はドビュッシー生誕150周年に当たる。4/23のサントリーホールでは、当初予定されていたプログラムを変更して
 Debussy, Images I
を全曲弾くことにしたTrifonovが2週間前とはどう違う演奏をするのかが楽しみだった。サントリーホールでは、2曲目の
 Hommage à Rameau
がわかりにくかった印象があるのだけれども、今日はピアノが違うこともあるのか
 シンプルな演奏
になっていた。

さて、問題のChopin, Etudes Op.10。ショパンコンクールの時のように
 自分の思いに応えてくれる鍵盤
のピアノであればともかく、意に沿わない反応をするピアノで
 誰もが知っている作品を弾く
のは、難しい。しかも
 会場の雰囲気で演奏を変える
のがTrifonovである。今日のTrifonovは、手元のプログラムによれば
 クラシック音楽の奈良における司祭モード
らしい。会場には少なからぬ、ピアノを習っていると思われる
 ちいさいおともだち
が来ている。そのちいさいおともだちの耳に届くように、配慮してTrifonovは弾いているように聞こえた。但し、目の前のスタンウェイは、Trifonovの言うことを聞かない頑固者なので、時にTrifonovらしからぬミスタッチが零れる。
Etudes Op.10は、昨年のOp.25がそうであったように、
 全12曲がどのような有機的連関をもっているか
という観点で、Trifonovは弾く。多くのピアニストが
 個々の独立した曲
として弾くのとは異なる。誰もが知っている10-3の親しみやすいメロディーから、難曲の一つである10-4に移行するのを聞くのは実にスリリングだ。一呼吸置いて、10-3とは空気の色を変えると、一気呵成に10-4を弾く。美しく歌われる10-3から、指使いの厳しい10-4へ、矛盾なく、一つのまとまりをもった曲集として弾かれるのである。そして10-5は、Trifonovらしい、お茶目なタッチで演奏される。
ピアノとの相性の悪さは、10-8冒頭の大きなミスタッチで誰の耳にもはっきりした。がんばれ、Trifonov。
10-10、10-11と長調の曲が続く。10-10で安らかな夢のような世界を垣間見せ、10-11では、青春のはかなさを懐かしく、また苦く思いやる、夢から醒める直前のたゆたう気持ちを感じさせる。そして10-12は「革命」。Chopinの怒りが籠められているといわれるこの曲を、感情の奔流を表しながら凄いスピードで弾いていくのだ。

アンコールは3曲。
1. シューマン/リスト:献呈
 Schumann-Lisz, Widmung S.566 R.253
2. チャイコフスキー/少しショパン風に
 Tchaikovsky: Un poco di Chopin
3. ショパン/華麗なる大円舞曲
 Chopin: Grande Valse Brillante, Op.18
この3曲は昨年9月の紀尾井ホールでのプログラムおよびアンコールの内の3曲である。
昨年9月のリサイタルについては以下に。
 2011-09-09 Trifonovの幸せな夜@9/9 Daniil Trifonov Recital 紀尾井ホール
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2011/09/trifonov99-dani.html
いや〜、献呈をポップスのように弾いてましたよ、Trifonov。

コンサートピアニストにとっては
 世界中の会場でその場にあるピアノを弾く
のが宿命である。今日のように、必ずしも意に染まないタッチのピアノであっても、それを手懐けたり、ねじ伏せたりしながら、自分の音楽を作り上げるのが、コンサートピアニストに課せられた仕事の一つである。
これからもTrifonovは、世界中で、自分のタッチとは相性のよくないピアノを弾くことが何度もあるだろう。そうした時に、音楽を放棄せず、あきらめずに
 自分の出来る解決策を見いだしていく
のがTrifonovなのだ。

これからもTrifonovの旅は続く。旅に育てられながら、Trifonovは確実に音楽の階段を上っていく。
そして何より
 作曲家としての視点
が、彼の楽曲解釈のすばらしさを支えている。単なる演奏家ではなく、もう一段高い場所から、Trifonovは自らの演奏する曲を見ているのである。これが21歳の若者なのだから、彼の音楽の将来は、いかなるものになるのか。Trifonovとの年齢差を考えると、彼の音楽の変遷と完成を最後までは見届けられないことだけが残念だ。

終演後、
 CDもしくは本を買った人が参加できるサイン会
があった。CDを買い求め、家人はiPadにサインして貰った。Trifonovは一瞬
 え? iPadにサインしてもいいの???
という顔をしたのだが、いいんですよ、ええ。本当はMacBook Airにサインして貰いたかったんだけど、諸般の事情でパス。

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2012-05-03

朝からインターネットラジオでDaniil Trifonov@The Lyric Concert With Paul Herriott

Facebookをチェックしたら
 朝5時からDaniil TrifonovのLive
がある、という予告。覗いたのが4時半過ぎだったので、そのまま、インターネットラジオに接続。アイルランドのラジオ局が、ワルシャワでのコンサートを流してくれる。
http://www.rte.ie/lyricfm/concerts/1533635.html
Daniil Trifonovは
 Chopin: Piano Concerto No.2 in F minor
アンコールで
 Schubert-Liszt: Die Forelle
 Chopin: Etudes op.25-2, 25-12
を弾く。Chopinの故国での演奏ということもあり、聴衆には大受け。

Chopinのピアノ協奏曲2番は、Chopinへの敬意を欠かさない、ワルシャワでの演奏だけに、オケも丁寧(チャイコフスキー・コンクールの時のあのオケを思い出して欲しい)。それ以上に、最近
 暴走気味の演奏も時々あるTrifonovが一音一音実に的確かつ丁寧
に弾いている。Trifonovというと
 弱音の美音
が、ショパンコンクールの時からの特徴だが、更に磨きを掛けた
 しっかりとした芯のある音
が響く。演奏者によっては叙情に流されすぎる恐れなしとしないピアノ協奏曲2番を、Trifonovは、
 確実な技術と、丁寧な音作り
で、オケと音楽を組み立ててゆく。第一楽章は、構成のしっかりした音楽を目指し、夢見る第二楽章は、曲想に溺れず、美しい音色と的確なタッチでまとめ上げる。ポーランドの民族音楽的色彩が濃い第三楽章では、難所だらけのパッセージを軽々とこなすだけでなく、
 ポーランドの音
を出すことに努める。外国人がポーランドの音を出すのは、非常に難しいといわれているのだが、Trifonovは、それをやりのけている。
ややタッチに疲れが見えたのは、ヘ長調に転調したコーダからの最初の部分で、指が縺れるところが何カ所があったのだが、それ以外はほぼ完璧にピアノ協奏曲2番を弾きこなした。

アンコールの「ます」も相変わらずの素晴らしさ。ほれぼれするような音色で、ますの姿を浮かび上がらせる。
Etudesの25-2と25-12は、これが
 コンチェルトを演奏した後のアンコールか
と思うと、恐ろしいというか、愛すべき「ヘンタイ(褒め言葉です)」の面目躍如。25-12で締めくくる辺り、ワルシャワのファンへのサービスを忘れないところがすばらしい。

思いがけない早起きで、幸せな一時を過ごすことが出来た。
上記サイトでは、1週間ほどは、今朝の演奏が楽しめる模様。
 

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