2012ロンドン五輪 男子サッカー三位決定戦後、韓国の朴鍾佑(PARK Jongwoo)選手「独島(日本名 竹島)はわれらの領土(Dokdo is our land! )」のハングル表記メッセージ(독도는 우리땅)を掲げる(その9)ロゲIOC会長 韓国・中央日報のインタビューに応じ「朴種佑の独島パフォーマンスは政治行為」と断言 韓国側の「日本体操選手のユニフォームが旭日旗で同じく違反してるのでは」という主張はスルー→「独島パフォーマンス」は五輪の威信に泥を塗った
先ほど韓国・中央日報が
ロゲIOC会長との単独インタビュー
をアップした。概略はこちら。
<五輪>IOC委員長「朴種佑は政治行為、旭日旗ユニフォームは…」2012年08月14日08時27分
折角なので、
ロゲ会長インタビュー全文
を見てみよう。
<五輪>ロゲIOC委員長、韓国の中央日報と単独インタビュー2012年08月14日11時35分
ジャック・ロゲ国際オリンピック委員会(IOC)委員長は始終一貫して強硬な立場を見せた。サッカー3位決定戦で韓国が日本を破った後、競技場で「独島(ドクト、日本名・竹島)はわが国の領土」パフォーマンスをした朴種佑(パク・ジョンウ)選手のメダル剥奪の可能性について繰り返された質問でだ。IOCの憲法格であるオリンピック憲章50条は、「オリンピック施設や競技場での政治的活動を禁止する」と明示している点を繰り返し強調した。この日のロゲ委員長へのインタビューはIOC側の提案で実現した。IOCは夏・冬季オリンピック開催予定国のメディアを一つずつ選定した。アジアでは中央日報を選択した。
インタビューはIOC本部が設置されたロンドン・ヒルトン・パークレーン・ホテルのロゲ委員長の執務室で30分間ほど行われた。
-朴種佑選手のメダル剥奪の可能性はどの程度か。韓国では朴選手を擁護する世論が強い。
「今はまだ話せない。国際サッカー連盟(FIFA)の調査結果を待っていて、それに基づいてIOC規律委員会が懲戒の程度を決める。オリンピック憲章関連規定は選手も事前に熟知していなければならない。韓国の特殊な状況があるとしても、規定は守られるためにある」
-朴選手の事態と関連し、1968年メキシコ五輪の陸上金メダリストだった黒人選手トミー・スミスが黒手袋をして表彰台に立ち、問題になった事件が取り上げられている。
「朴選手の場合はメキシコの事態とも性格が違う。当時の黒人選手は人種差別に対抗するメッセージを伝えるために黒手袋をして表彰台に立った。一種の社会的現象に対する声を出したわけだが、それも厳格に見れば一種の政治的表現だ。全人類の和合を図るオリンピックを開催するIOCとしては保守的かつ厳格に接近するしかない問題だ。朴選手の場合、一国(日本)を相手に領土問題に関する立場を表明したものであるたえ、政治的表現という点に異論の余地はないと考える」
-日本の旭日旗のユニフォームも政治的な色彩を帯びているのでは。
「日本のユニフォームが問題だという話はこの席で初めて聞く」
-問題にならないという意味か。
「少なくともIOC内では問題になっていない」
-フェンシングのシン・アラム選手の誤審事件に対する立場は。
「誤審は国際フェンシング連盟(FIE)の所管で、IOC委員長としてそれについて詳細に扱えなかった。しかし決して誤審があってもかまわないという意味ではない」
-韓国が総合5位と、海外で開催されたオリンピック史上、最高の成績を出した。
「韓国が強いのはアーチェリーとショートトラックだけでないことを証明した大会だ。韓国のスポーツ底辺の多様化を見ることができて楽しかった。時差がある韓国でも視聴率が高かったと聞いてうれしく思う。オリンピックではテレビ中継も重要な問題だ」
-北朝鮮も金メダル4個を獲得して善戦した。
「北朝鮮スポーツは強い。立派な選手とコーチの底力がある。(シドニーオリンピック当時)南北単一チームのために努力したが、結局、実現しなかったのは残念だ」
-テコンドーは今大会で電子防具の導入などいくつか変化を試みた。発展があったと評価するか。
「テコンドー競技を見に行った。競技運営が非常に組織的で(very well organized)興味深かった。過去とは比較はしない。したがって‘発展’という表現は使わないが楽しんだ」
-今大会がIOC委員長として最後のオリンピックだが、今の気持ちは。
「ロンドンはオリンピック遺産(Olimpic legacy)のために早くから準備してきたし、その結果、すべての面で素晴らしいオリンピックを開催した。全人類を幸せにさせたし、選手には栄光をもたらしたという点で‘幸せで素晴らしい(happy and glorious、英国国歌の一節でもある)’オリンピックだった。平昌(ピョンチャン)も早めに準備することを願う。平昌への期待も大きい」
-キム・ヨナ選手がIOC選手委員を目標にしているのが。
「(微笑みながら)彼女は素晴らしく賢い選手だ。出馬するかどうかは全面的に彼女の決定にかかっているが、出馬をすればかなり有利な特権(prestige)を持つのは事実だ」◇ジャック・ロゲ=1942年ベルギー・ゲント生まれで、ゲント大学で医学を専攻した。ヨットとラグビーの国家代表を務め、メキシコ(68年)・ミュンヘン(72年)・モントリオール(76年)と3回連続でオリンピックのヨット競技に出場した。1989年から3年間、ベルギーオリンピック委員会委員長を務め、91年にIOC委員に選出された。98年にIOC執行委員になり、01年7月にロシア・モスクワで開かれたIOC総会で、オリンピックの規模縮小と薬物追放、人間性回復を公約に掲げ、第8代IOC委員長に選出された。任期中にそれぞれ3度の夏・冬季オリンピックが開催され、来年、委員長の任期を終える。
ま、「独島パフォーマンス」については、IOCの立場からすれば当然の発言だ。
文中の
日本の旭日旗ユニフォーム
というのは
体操男子のユニフォーム
を指しているらしいのだが、これは無理筋。「独島パフォーマンス」が国際的に問題視され始めてから、突然
日本のユニフォームだって旭日旗じゃないか
と、韓国側が言い始めた。
IOCはユニフォームだけでなく、会場で使用されるすべてのものについて、細かな規定を設けており、違反には厳しい。当然、日本のユニフォームも事前チェックをパスしたものが使用されてるわけで、すでに決定しているIOCの判断に対して、韓国が
旭日旗
と言い出しているのは、謎だ。
ところで、
中央日報はまだ「IOCとFIFAは特例をもって、韓国の独島パフォーマンスを容認してくれるに違いない」
という幻想を抱いている。
今日の中央日報の社説より。
【社説】五輪5位の国らしくスポーツ精神も成熟すべき=韓国
2012年08月14日10時32分ロンドンオリンピック(五輪)で「独島(ドクト、日本名・竹島)パフォーマンス」を行った韓国サッカー代表の朴種佑(パク・ジョンウ)選手に対し、国際オリンピック委員会(IOC)はオリンピック憲章が禁止する政治的宣伝である可能性があるとして大韓体育会に調査を要請した事件は、私たちにスポーツ国格について改めて考えさせている。朴選手は10日(現地時間)、英カーディフのミレニアムスタジアムで行われた日本との3位決定戦の後、「独島はわれわれの領土」と書かれた紙を観客席から受け取り、これを持ってグラウンドをしばらく走った。
オリンピック憲章は、五輪が開催される場所・競技場、その他の地域で、いかなる種類のデモ、政治・宗教・人種差別的宣伝を禁止している。内容や意図に関係なく五輪が国際政治の影響を受けるのを遮断するための措置だ。1968年メキシコ五輪では、人種差別に抗議するため表彰式で片手を高く突き上げた米国選手らが選手村から追放された例もある。
一部の人は自分たちの領土を自国の領土というのがなぜ悪いのか話す。もちろん独島は韓国の領土であり、これを強調するのは間違っていない。しかし領土問題は一国の主権に関する核心的な国際政治懸案だ。したがって政治関連行動を禁止したオリンピック憲章を尊重し、五輪ではこれを持ち出すべきではない。オリンピック憲章は世界の約束だ。
しかし朴選手の行動はあらかじめ準備した意図的な行為ではなかったし、勝利の喜びの中で行った偶発的な行動だ。サッカーはナショナリズムが強い特性上、突出行動が時々見られるが、不純な意図がなければ状況を参酌して善処するのが慣行だ。大韓体育会と韓国オリンピック委員会は外交力を発揮し、朴選手に不利益が生じないようにするべきだ。
ただ、韓国スポーツ界は今回の事件から教訓を得る必要がある。ロンドン五輪5位になったスポーツ国力にふさわしく、スポーツ精神も一段階成熟させなければならないという点だ。競技団体は今後、五輪などの国際競技に出場する韓国選手にスポーツ精神の国際的基準を教育する必要がある。今後こういうことで国際スポーツ団体の調査を受けることがあってはならない。スポーツ先進国へ進む道は、約束を守り、相手に配慮するところから始まる。
ええと、
大韓体育会と韓国オリンピック委員会は外交力を発揮し、朴選手に不利益が生じないようにするべき
って、
韓国だけは特例が認められて然るべき
って考えてるってことですが。
で。
IOCはFIFAの判断に従う
わけで、明後日16日までにKFAは
調査結果を報告
することになっている。この調査結果が、FIFAの調査結果と著しく異なる場合、
韓国サッカーに対してFIFAから厳しい処置が下される
ことになる可能性は高い。
中央日報の今日の社説からもわかるように
日本に対して何をやっても「世界が韓国を許してくれる」
という
大きな勘違い
を、韓国はしている。韓国には残念だろうが
IOCはすべての政治的行動を禁止
しているのであり、それは
一つの例外も認めない
ということになる。もし、今回の「独島パフォーマンス」が容認されれば、
五輪は対立する各国の政治スローガンが溢れる「紛争の祭典」
へと変化し、当然
商業的価値(現在のIOCにとっての生命線)はがた落ち
になり、
五輪の威信は地に墜ちる
のである。
外交力を発揮して「穏便に済ませる」
などという行動をした時点で
近代五輪の精神から逸脱
しているわけで、もし、この韓国の主張が通れば、今後五輪は存亡の危機を迎えることになる。
韓国のために、IOCやFIFAが
金色に輝く利権を、一瞬にして鉛と化させる
と信じているのであれば、救いがたい。
というわけで
KFAとKOCは五輪憲章やFIFAの「政治的発言・行動への厳しい規定」と韓国の「独島パフォーマンスは英雄的行為」という与論との板挟み
になっている。
IOCやFIFAの望む処罰を科せば、韓国与論に袋だたき
に遭い、
IOCやFIFAの規定に反する報告を出せば、国際スポーツから閉め出される危険を冒す
ことになる。ことと次第によっては
今後一切の国際大会出場が許されない
って話にまでなりかねない。
一部で懸念されているのは
誰かが極端な形で詰め腹を切らされるのではないか
ということで、そんなことにならないことを祈るばかりだ。
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コメント
韓国が日本に何をしてもいいという判断を、国際社会は容認できない。それを認めれば、ナチスのユダヤ人虐殺を正当化しかねず、中東での血で血を洗う争いを容認することにもなり、すべての隣国と対立を容認することになるから。
投稿: タカ派の麻酔科医 | 2012-08-14 14:13