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2012-11-19

よくわからない「新薬」話

最近、身内を病で亡くした。
所謂
 薬石効なく
という形で、基礎疾患が、あらゆる侵襲的治療を拒むだけでなく、投薬も慎重にしなくてはならないものだったところへ、癌が合併した。最初に癌が見つかったときは、普通なら手術適応の大きさだったが、基礎疾患のために、メスを入れることが出来なかった。放射線は禁忌、化学療法もダメなのだ。
こうなると医学的には
 詰んでしまった
わけで、なんとかよい方法がないかとしばらく治療を続け模索していたが、癌が大きくなってしまい、緩和ケアに移ることになった。
緩和ケアに移ってから、親戚から電話があり
 お前、新薬を使えるよう、主治医を説得してくれ
という。何かと思ったら、別な人物が電話口に出てきて
 既存薬が癌転移を防ぐことがわかって、海外で特許を取っているのだが、使わないか
という、なんとも怪しげな話で、
 是非
というのだが、身内は転移癌じゃないから適用外だし、そもそも
 慎重に薬を使っている状態で、日本で癌への使用の承認を受けてない「新薬」
など使えるわけがない。電話口に出た相手にやんわり断りを入れた。

その話は終わったと思っていた。
ところで、葬儀が終わり、親戚が集まっているところへ、別件で東京を根城とする会社の人がやってきた。話をしていて気がついた。
 身内に「新薬」を勧めた人物
なのである。今度は
 この「新薬」には、○○も1億投資していて
と大きな機関投資家の名前を出して、話し始めた。薬の臨床試験には金が掛かる。
 癌の移転を防ぐ薬
などという、
 もし、実現できるなら凄い話
に、今時、そんなでかい機関投資家が億単位でしか投資しないのなら、たぶん、優秀な調査員に、どの程度脈がある話なのかを調査させた上で、
 ま、話には乗っておきましょう
と判断したって程度のことだろう。大きな機関投資家なら、1億取りっぱぐれたところで、他から充填できるから、問題はない。

この手の話を持って来る人物は、恐らく
 あちこち、ちょっと小金のありそうな処

 こんな「新薬」が出ますよ、一口投資しませんか
と、話を持ちかけているんだろう。本人は
 仲介手数料
を取るから、損はしない。
話を聞いた素人は
 夢の新薬で大儲けできるチャンスかも
と、有り金をはたくかも知れないが、
 この手の投資は「ハイリスク・ハイリターン」が原則
ではないのか。要は失敗した場合は、
 有り金全部賭けたら、何もなくなる
ってことだ。

それにしても
 一服ちょっと強い薬を盛れば、命が危うくなるかも知れない身内
に平気で
 自分の儲かる話の「新薬」の人体実験を目論んでいた人物
には正直腹が立つ。
電話を掛けてきた親戚は、医療のことはよく知らないから
 治ってくれれば
という祈るような気持ちだっただろうが、
 投資話を絡めてきた方
は違う。

人の死ぬときは、いろんなことが起きるものだ。

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