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2012-12-17

2012総選挙 民主党惨敗(その2)民主王国北海道 全12選挙区で民主党敗北 (1選挙区は候補立てられず)投票率は58.75%と戦後最低→「ベストもベターも選べないから棄権」が自公圧勝を招く

北海道は
 伝統的には社会党が強い地盤を持った地域
であった。開拓使が鉄道網を張り巡らせた歴史がある北海道ではかつては国労があり、炭坑があり、労働組合が強かった。教職員組合では、なんと言っても北教組が強かった。労組の推薦を受けて組織票を固めれば、当選は難しくなかった。
社会党が解党してからも、組合の威光で、
 民主党が強い地域
だった。

さて、その北海道で
 大異変
が起きた。
 12の小選挙区全部で民主党が敗北
したのである。
道新より。


道内議席確定 小選挙区民主ゼロ 自14、民2、公2、大1、維1
(12/16 20:34、12/17 06:41 更新)

 衆院選の道内12小選挙区と比例代表道ブロック(定数8)の計20議席は自民党14、民主党と公明党がそれぞれ2、新党大地と日本維新の会が1議席ずつで確定した。自民党は前回の3議席から躍進し、小選挙区比例代表並立制による初の選挙が行われた1996年以来、16年ぶりに単独で道内首座を奪還。民主党は議席を守ってきた道1区で横路孝弘前衆院議長が自民党新人の船橋利実氏に敗れるなど、候補擁立した11小選挙区で全敗した。
 横路氏は比例代表で復活当選したが、現職閣僚2人が議席を失い、「民主党王国」と言われた道内で歴史的惨敗を喫した。
 自民党は、3区で新人の高木宏寿氏が民主党北海道代表の荒井聡氏を破るなど、候補を擁立した11選挙区全てで勝利。比例代表でも単独擁立した3人が当選し、96年と、民主党と並んだ2000年の9議席を上回る14議席を占めた。
 民主党は小選挙区で1回も議席を奪われたことがなかった1、8、9、10の4選挙区でも敗北。比例代表で横路、荒井両氏が滑り込んだが、三井辨雄厚生労働相(2区)、小平忠正国家公安委員長(10区)の現職閣僚、党の選挙対策を取り仕切る鉢呂吉雄選対委員長(4区)は比例復活も逃した。
 公明党は10区で稲津久氏が小平氏を破り、小選挙区初の議席を奪取。比例1と合わせ道内2議席となった。新党大地は比例1議席を維持したが、7人擁立した小選挙区で議席に届かず、選挙前の3議席を下回った。日本維新の会は比例で1議席を獲得。日本未来、みんな、共産、社民の各党は議席を逃した。

この内
 北海道5区はマッチーの選挙区
で、さすがに前回は落として比例復活したものの、選挙後いろいろあった故事があるので措き、
 北海道11区は故中川昭一 vs. 小沢一郎元秘書石川知裕
が前回で、今回、小沢一郎の裁判がらみで石川知裕は民主党を離党、その後民主党は独自候補を立てられなかったので措くとして、
 民主指定席の1区・8区・9区・10区で落とした
のが凄い。

何が驚いたかといって
 横路孝弘が小選挙区で落とした
のが、一番驚いた。
 北海道1区は横路孝弘の指定席
と呼ばれ、
 無風選挙区
と揶揄されてきた、民主党の金城湯池だった筈だ。その横路孝弘の神通力が通じなかったところに、今回の北海道での民主党惨敗のカギがある。

下は
 北海道小選挙区の民主党候補と当選者
である。
 高齢もしくは多選の民主党候補は青
 注目すべき当選者は赤
 世襲もしくはそれに準じた当選者は緑
で示した。


1区
×横路孝弘 71→比例復活 当選11回
○船橋利実 52 自民新
2区
×三井辨雄 72 現役厚労相落選 当選4回
○吉川隆盛 62 自民元 当選4回
3区
×荒井聰 66→比例復活 当選6回
○高木宏寿 52 自民新
4区
×鉢呂吉雄 64 党選対委員長落選 当選7回
○中村裕之 51 自民新
5区
○町村信孝 68 自民 当選11回
6区
×佐々木隆博 63 当選2回
○今津寛 63 自民 当選6回
7区
×仲野博子 53 当選3回
○伊東良孝 64 自民 当選2回
8区
×逢坂誠二 53 当選2回
○前田一男 46 自民新
9区
×山岡達丸 33 当選1回 父は山岡賢次(民主→未来 今回落選) 鳩山由紀夫が電撃引退後に急遽擁立
○堀井学 40 自民新 元スピードスケート五輪代表
10区
×小平忠正 70 現役国家公安委員長落選 当選7回
○稲津久 54 公明 当選2回
11区
×石川知裕 39 民主→新党大地 比例復活
○中川郁子 53 自民新 故中川昭一衆院議員の妻
12区
×山崎摩耶 65 当選1回
○武部新 42 自民新 父は武部勤

見て分かるように
 1区2区3区4区10区では、多選で60才以上の民主党候補者は、それよりは若い自公の候補に敗れている
のである。
 政権を持たせてみたら、さっぱりだった
という事実はもちろんだが、それに加えて大きかったのは
 自民党が70才以上の議員の引退を促したのにも関わらず、民主党は旧態依然だった
のが、北海道の有権者に
 自民より党内のヒエラルキーが保守的
と見抜かれたわけだ。
9区の場合は、
 鳩(兄)が電撃引退した後の急遽擁立
だった上に、
 パパが山岡賢次で前回初当選
というのが微妙なところへ
 対立候補が道議から転身してきた元五輪代表
なわけで、これは知名度から言って勝ち目はなかった。

民主党にとって、更に大きいのは
 指定席だったはずの10区で公明党の議席が生まれた
ところだろう。ここは自民は候補を立ててない、
 自公協力の選挙区
である。小平忠正国家公安委員長は70才というのも嫌われた理由の1つだろう。

そして、民主党にとって打撃だったのは
 58.75%と戦後最低となった投票率
である。組合で動員を掛けているとはいえ、組織率が年々低下しているから、
 民主党にとっては浮動票が大事
なわけだけど、
 60%を割り込むようなら、自公有利
に決まっている。道新より。


道内投票率58・75% 戦後最低 前回比14・9ポイント減
(12/17 07:50)
 16日に投開票された衆院選の道内11 件12小選挙区の投票率11 件は、道選管が17日未明に発表した速報値で58・75%で、2009年の前回衆院選を14・9ポイント下回った。戦後行われた衆院選でも1947年の59・33%を下回り、過去最低となった。
 比例代表道ブロックの投票率11 件も58・74%と前回を14・89ポイント下回り、96年に小選挙区比例代表並立制の選挙が行われて以降、6回の選挙中最低だった。
 83年以来、29年ぶりとなる12月の投開票となり、積雪などの影響で投票所へ向かう有権者の出足が鈍った可能性がある。民主党政権の混迷による政治不信や、第三極の政党が増えたことによる候補乱立が、投票行動への迷いを生じさせたとの見方もできそうだ。

昨日の北海道は、寒いというのが投票率を鈍らせる要因でもあったろうけど、
 選挙権の行使に「わくわく感」がある
ならば、それでも投票に行くだろう。今回の選挙は
1. せっかく、前回「わくわく感」を以て、民主党を支持したのに惨めに裏切られた層
2. 政治にあまり関心はなく、政党が乱立して判断を停止した層
が、
 棄権
して
 組織票命の自公の選挙に戦わずして負けた
というのが主因だろう。

ともかくも
1. 民主党が70才以上のベテランを引退させなかった
2. ベストもベターも選べない層が棄権し、投票率が低かった
のが、
 北海道での民主惨敗、自公圧勝
の要因だ。
たぶん、この傾向は、全国的にも似たようなところがあるんじゃないか。

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