今朝のNHKニュースで報じた 大須観音から見つかった"未発見『日本霊異記』の巻頭部分”は元々大須観音にある「真福寺本」『日本霊異記』に欠けていて、前田家本には存在する下巻序
NHKの今朝のニュース。
日本最古の説話集の巻頭部分か
12月1日 6時45分
名古屋市内の寺から、日本で最も古い説話集とされ、国の重要文化財の「日本霊異記」の未発見の巻頭部分とみられる史料が専門家のグループの調査で見つかり、貴重な文化財として注目されています。
新たに史料が見つかったのは名古屋市にある大須観音です。
大須観音では、平安時代に書かれた日本で最も古い説話集とされ、仏教の教えが書かれた国の重要文化財の「日本霊異記」の写本を所有していますが、これまでは巻頭部分がない状態でした。
名古屋大学などの専門家でつくる研究グループが行ったことしの調査で、大須観音の書庫の中から、巻頭部分とみられる史料が見つかったということです。
書庫の中からは、茶と禅を日本に伝えたことで知られる臨済宗の祖、栄西が仏教をどう解釈するか論争した書物も見つかったということです。
調査を行った名古屋大学文学研究科の阿部泰郎教授は、「身近な大須観音に驚くほどのたくさんの重要な史料が眠っていることが分かった。いずれも当時の歴史をひもとく国の文化財級の貴重なものだ」と話しています。
これらは1日から名古屋市博物館で開かれる大須観音展で公開されます。
まず
大須観音でこれまで見つかっている『日本霊異記』は「真福寺本」
という。
『日本霊異記』は
善本=完全な写本
が
ない
ので有名で、
真福寺本は中下巻のみ、かつ中巻の序は不完全で、下巻の序を欠く
というのがこれまでの話。
でもって
下巻序は前田家本にある
ので、普通は前田家本の下巻序を使う。
ニュース映像が出てるのを見たんだけど、この
未発見の巻頭部分
っていうけど、
前田家本にはある『日本霊異記』下巻序
だと思うんですが。ただ、前田家本の下巻序とちょっと違うって感じかな。テレビの画面からではわかりにくいけど、分かったとこだけ。文字が通らないので、常用漢字で出すので、その点はお許しを。
二行目から
諾楽右京薬師寺沙門景戒録
夫善悪因果者、[大須観音本闕 前田家本有「著於」]内経。吉凶得失、載諸外典。今探是賢劫[大須観音本闕 前田家本有「尺」]迦一代教分[前田家本作「文」]、有三時。一正法五百年。二像法千年。三末法万年。自仏涅槃以来、迄于延暦六年歳次丁卯、而逕一千七百[大須観音本闕 前田家本有「廿」]二年。適正像二而入末法。然日本従仏法伝適以還、迄于延[大須観音本闕 前田家本有「暦六年両」]逕二百卅六歳也。夫花咲無声。鶏鳴無[大須観音本闕 前田家本有「涙」。以下七字闕]観代修善之者、若石岑[前田家本作「峯」]花。作悪之者、似立[前田家本作「土」]山毛。
以下略
時間がないので、こんなところだけど、これは『日本霊異記』下巻序だから「未発見」てのはヘンだな。
ま、名古屋市博物館へ行って、現物を見ろ、ってことのようですな。
NHKが
真福寺本にこれまでは未発見の下巻序
というつもりで、見出しを打ってるならそれでいいんだけど、なんか
下巻序がそもそも未発見
みたいな報道じゃん、NHK。
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