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2013-03-05

首都圏医療崩壊 首都圏は既に医師も医療スタッフも不足し始めている 休日夜間に搬送先が見つからない事例は今後更に増大するだろう→埼玉県久喜市の事例では市議会で「コンビニ受診」による疲弊の可能性も指摘される

休日夜間に搬送先が見つからない。
そんなことは
 え? 僻地とか地方とかの話でしょ?
と思った首都圏のあなた、それは間違いです。
毎日より。google先生が
 毎日.jpは危ない
と警告して下さいましたので、Yahooから。
亡くなられた方に合掌。


<救急搬送>25病院に36回断られる 埼玉の男性死亡
毎日新聞 3月5日(火)11時41分配信

 埼玉県久喜市で119番通報した高齢男性(75)が1月、県内外の25病院から計36回、救急受け入れを断られ、約3時間後に到着した県外の病院で死亡したことが分かった。久喜地区消防組合消防本部は「休日における迅速な搬送が課題。各病院との連携を深めたい」と話している。
 同消防本部によると、男性は1人暮らしで、休日の同月6日午後11時25分、「胸が苦しい」と呼吸困難を訴えて119番通報。自宅に到着した救急隊員が近隣の各病院に受け入れが可能か照会したところ、「医師不足のため処置が困難」「ベッドが満床」などの理由で断られ続けたという。
 男性が最終的に茨城県境町の病院に搬送された時には、通報から約3時間が経過しており、病院内で死亡が確認された。
 総務省消防庁によると、救急医療機関が重症患者の受け入れを3回以上拒否したケースは1万7281回(11年)。同庁の担当者は久喜市の事例について、「36回は多い方だ」としている。
 病院から受け入れを拒否されて死亡したケースは各地で起きている。11年6月には富山市で73歳の女性が車にはねられた後、3病院に受け入れを断られ約3時間後に死亡。三重県伊賀市では10年3月、78歳の女性が7病院に拒否され、2時間以上経過し、運ばれた病院で死亡が確認された。また、宮崎県日向市でも09年4月に65歳の男性が7病院に計10回、受け入れを断られ、約1時間20分後に亡くなっている。【松谷譲二、山崎征克、鈴木一生】

ポイントは
・高齢者の一人暮らし
・首都圏での119番通報
・通報時間が休日の夜間
という3つである。

こちらは埼玉新聞の記事から。


2013年3月5日(火) 救急搬送36回断られ死亡、25病院「処置困難」「満床」/久喜

 今年1月6日の深夜、久喜市で呼吸困難を訴えて119番した1人暮らしの男性(75)の搬送が、25病院に計36回受け入れを断られていたことが4日分かった。男性は受け入れが決まるまでの2時間10分の間に容体が悪化し、搬送先の病院で死亡した。36回の受け入れ困難について久喜地区消防組合消防本部は「あまり聞いたことがない回数」としている。
 1月6日午後11時25分ごろ、久喜市内で1人暮らしの男性が「呼吸が苦しい」と119番。救急隊が駆け付け、病院に搬送しようと受け入れ先を探したところ、県東部や茨城県の25病院に計36回断られた。
 理由は処置困難(16件)やベッド満床(7件)、処置中(5件)、専門外(4件)などだった。救急隊は2病院に3回、7病院に2回連絡していた。
 約2時間10分後の37回目の要請で受け入れ先が決まったが、男性は容体が悪化し、病院に運ばれたが死亡した。
 久喜地区消防組合消防本部などによると、2012年の救急出場件数は久喜地区消防組合内が8021件、久喜市内が6564件。同組合管内の出動要請を受けてから搬送先に到着するまでの平均所要時間は42分42秒。受け入れ確認を10回以上したのは13件あった。
 久喜市の園部茂雄市議が2月定例議会の一般質問で、同問題を取り上げ、市の救急医療体制の現状についてただした。
 園部市議の質問に、久喜市の遠藤秀明健康増進部長は「市としては残念で事態を重く受け止めている。消防本部の報告後、中核医療機関の病院を訪問したが、集中治療室のベッド満床などで受け入れが困難ということだった」と説明。改善策として「救急患者の受け入れに努めてもらうようお願いした。関係機関と連携を強めていきたい」と答弁した。
 受け入れが困難だった要因について、園部市議は「休日夜間の安易な受診の影響も考えられる。いわゆる『コンビニ受診』を減らす対策は」と質問し、市側は「軽症の受診によって現場が疲弊している状況はある。適正な受診を心掛けるよう広報やホームページで呼び掛けている」と述べた。

せっかく
 中核医療機関に連絡
しても
 ICUのベッドが空いてない
のであれば、命の危機に瀕している重症者の治療はできない。
加えて、埼玉新聞の記事で、園部市議が指摘しているように
 コンビニ受診
の問題がある。
 軽症者が大量に救急に押しかけて、今すぐ処置をしなければ命に関わる重症者が治療を受けられない
のだ。

何かと生活に便利な首都圏では、
 元気な高齢者であれば、一人暮らしが十分可能
と思われている。そう、元気であれば、ね。
しかし
 いったん体調を崩した場合
が問題だ。
すでに昨年NHKが、こんなミニ特集を放映している。
2012年12月20日(木)大都市 医療クライシス ①高齢者の急増で病院は・・・

この中で指摘されているのは


医療クライシス 対策は?
都市で広がり始めた新たな医療危機。
どうすれば歯止めをかけることができるのか。
専門家は、医師やベットの数を増やすことには限界があるとした上で、大きな病院だけでなく、地域の開業医も患者を診る体制作りが求められると指摘します。

杏林大学医学部 山口芳裕教授
「今の現状でさえも救急医療は担い手の確保に非常に窮している。さらに高齢化、進んだ時に(対応できる)体制取るのは非常に難しい。在宅や介護など家のすぐ近くで医療受けられるのが一番望ましい。そういう先生に頑張っていただけるのは、われわれにとっても非常に期待したい。」

鈴木
「今回、取材した病院では、将来、さらに高齢患者が増加していくことに備え、救急外来で治療の優先順位を決める『トリアージ』を導入せざるをえないとしています。」

阿部
「都市部では、これまで産科や小児科で医師不足によって患者を受け入れられないことが問題になってきましたが、高齢化によって新しい形の医療の危機が広がりつつあります。患者が病院に集中しないよう医療体制の見直しが早急に求められています。」

ということなのだが、1月の埼玉のケースは、まさに
 重症で搬送される高齢者の受け入れ不能がすでに始まっている
ことを示している。

もちろん
 高齢の重症者が搬送できない
ということは
 それより若い、重症者の搬送も難しい
ということだ。

病気やケガで搬送される頻度を考えれば
 人口が多く、病気になったりケガをしやすい高齢者の方が救急搬送されやすい
というのは、小学生でも分かる話で、
 今のまま行けば、早晩日本中どこでも救急医療は崩壊する
だろう。

NHKのミニ特集の指摘の通り
 医師やベットの数を増やすことには限界がある
わけで、日本人がこれまで
 回答を引き延ばしにしてきた問題
すなわち
 医療サービスにおけるトリアージ実行の必要性
が遠からず議論に上ることになる。
 誰でも同様に医療サービスを受けて、老後を過ごす時代
は、少子化の今、終わりを告げようとしている。たぶん、今後10年以内に
 病院で濃厚医療を受けて亡くなる高齢者の存在
は、
 そんな夢みたいな話、ウソでしょ?
と言われるようになるのではないか。残念ながら、高齢人口が前代未聞のレベルで増加する今後の日本では
 今より医療サービスはよくなることはない
と思われる。50代以下は
 両親や祖父母が死んだようには死ねなくなる
ことを覚悟すべきだろう。

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