中国のH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染 (その60)かねてからの噂通り 山東省で初の感染者1名がみつかる しかも重態 感染者は合わせて106名 死亡者は21名@4/23→患者は現在ARDSで重態
2013-04-22 中国のH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染 (その57)一部情報で「今週感染者が発表される予定」とされた山東省で疑似感染例1名@4/22
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2013/04/h7n9-571422-ea1.html
の続き。
一部情報の通り、
今週になって山東省で初のH7N9型鳥インフルエンザ感染者
が見つかった。
容態はかなりの重態
だという。
山東省衛生庁の発表より。
山東發生1例人感染H7N9禽流感確診病例(山東省で初めてのH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染例が見つかる。)
發布時間、【2013-04-23】山東省衛生廳4月23日通報、山東省確診1例人感染H7N9禽流感病例。(4月23日、山東省衛生庁は、山東省は1名のH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染例を確定診断した、と発表した。)
患者張某、男、36歳、家住棗莊市市中區、從事建材批發工作。(患者 張さん、男性、36歳 棗荘市市中区に住んでおり、建材卸売業務に従事している。)
患者發熱・咳嗽6天・憋[敝心]喘1天後、於4月21日晩到棗莊市立醫院就診、以「重症肺炎」收治入院。(患者は発熱・咳が6日続き、喘鳴が1日あってから、4月21日夜、棗荘市立病院に行って受診して、「重症肺炎」のため入院治療となった。)
4月22日下午、山東省疾病預防控制中心報告患者的樣本檢測結果為人感染H7N9禽流感病毒核酸陽性。(4月22日午後、山東省疾病予防コントロールセンターは患者の検体の検査計測した結果、H7N9型鳥インフルエンザウイルスRNA陽性と、報告した。)
4月23日、經中國疾病預防控制中心實驗室復核為人感染H7N9禽流感病毒核酸陽性。(4月23日、中国国家疾病予防コントロールセンター実験室は再検査したところ、H7N9型鳥インフルエンザウイルスRNA陽性となった。)
山東省衛生廳專家組依據患者臨床表現・實驗室檢測和流行病學調査結果等、診斷該病例為人感染H7N9禽流感確診病例。(山東省衛生庁は専門家を組織して、患者の臨床所見・検査所見と感染症学的検査結果等に基づき、この患者をH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染例と確定診断した。)
經醫院積極治療、患者目前病情仍較危重。(病院は積極的に治療を行っているが、現在、患者は依然相当の重態である。)
經醫學觀察、9名密切接觸者未發現異常。(医学的な経過観察を行ったところ、9名の濃厚接触者にはまだ異常は現れていない。)
この
大本営発表
が
作業工程通り
なのだとしたら、
次は江西省で感染者発見
ということになるはず。
続き。(16:30)
山東省の初めての感染者は、かなりの重態になってから、搬送されてきた。
地元紙斉魯晩報の記事より。
患者呼吸衰竭已病重 未接觸活禽、家附近市場有活禽攤位(患者の呼吸は衰弱してすでに重態。生きた家禽に接したことはないが、家の近所の市場には生きた家禽を売る屋台があった。)2013年04月23日 來源、齊魯晩報
本報記者 白雪岩 李泳君 馬明 袁鵬
(略)已進行緊急手術(すでに緊急手術が進められた)
(略)22日晩、棗莊市立醫院對這名張姓患者進行了緊急搶救手術、21時許、院方對這名確認疑似患者輸血400毫升。(22日夜、棗荘市立病院はこの張という苗字の患者に、緊急救命手術を行い、21時頃、病院はこの疑似感染例の患者に400mlの輸血を行った。)
肺部已無法自主呼吸(肺はすでに自発呼吸ができない。)
記者從棗莊市立醫院瞭解到、該患者22日出現的症状是ARDS和呼吸衰竭。(記者が棗荘市立病院から得た情報に依れば、22日、この患者はARDSと呼吸衰弱の症状が現れた。)
據專家介紹、所謂ARDS、即急性呼吸窘迫綜合徴、指肺内・外嚴重疾病導致以肺毛細血管瀰漫性損傷・通透性増強為基礎、以肺水腫・透明膜形成和肺不張為主要病理變化、以進行性呼吸窘迫和難治性低氧[气羊]血症為臨床特徴。(専門家の説明によると、ARDSというのは、急性呼吸窮迫症候群のことで、肺の内外の極めて重い疾患が肺の毛細血管に瀰漫性の損傷と透過性が強くなるのが基本症状で、肺水腫や硝子膜形成や無気肺を主要な病理変化とし、進行性の呼吸切迫と難治性低酸素血症を臨床上の特徴とする、という。)
同時、ARDS是急性肺損傷發展到後期的典型表現。該病起病急驟、發展迅猛、預後極差、死亡率高達50%以上。(同時に、ARDSは急性肺損傷進行後期の典型的な症状である。この病気は起きると極めて速く悪化し、進行は猛烈な勢いで、予後は両極端で、死亡率の高さは50%以上にも達する。)
呼吸衰竭則是由各種原因導致嚴重呼吸功能障礙引起動脈血氧[气羊]分壓(PaO2)降低、伴或不伴有動脈血二氧[气羊]化碳[石炭]分壓(PaCO2)増高而出現一系列病理生理紊亂的臨床綜合徴。它是一種功能障礙状態而不是一種疾病、可因肺部疾病引起、也可能是各種疾病的併發症。(呼吸衰弱は、各種原因によって極めて重い呼吸機能障害を引き起こされ、酸素分圧が低下し、動脈血の二酸化炭素分圧の上昇はあったりなかったりして、ひとまとまりの病態生理が紊乱した症候群が見られる。これは一種の機能障害の状態であって、疾病とは言えないが、肺の疾患によって引き起こされることもあり、各種疾患の合併症ともなりうる。)
記者22日23時從棗莊有關部門瞭解到、這名患者的肺已經無法自主呼吸、需要上人工肺輔助呼吸。(22日23字に記者が棗荘の関係部局から得た情報では、この患者の肺はすでに自発呼吸ができなくなっている。)起初以為是感冒(最初は風邪かと思った。)
記者從棗莊市衛生局瞭解到、這位患者家住棗莊市中區、從事建材批發工作、他所居住的地方附近有一市場、市場里有活禽販賣攤位。(記者が棗荘市衛生局から得た情報によれば、この患者の家は棗荘市中区で、建材卸売り業務に携わっており、住んでいる場所の付近には、市場があって、市場には、生きた家禽を売る屋台が出ていた。)
22日晩10點左右、記者聯繋到患者張某的妻子、她[女也]沒有被隔離、可以在棗莊市立醫院内自由行走。(22日夜10時頃、記者は患者張さんの妻と連絡がついたのだが、妻は隔離されておらず、棗荘市立病院内を自由に行き来できた。)
她[女也]告訴記者、她[女也]丈夫沒有販過活禽、也沒直接接觸過活禽、是個體老板、起初以為得的是感冒、治療了兩天、吃藥也不大管用、後來又發起燒來、燒到39度多、久不退燒、並出現了喘氣・呼吸困難的症状。(妻は記者に、夫は生きた家禽の販売はしたことがないし、直接生きた家禽に触ったこともない、自営業者で或。最初は風邪かと思っていたが、2日治療して、薬を飲んでも、効果がなく、後から後から熱が出て、39℃以上にまで上がり、ずっと熱が引かず、同時に息切れや呼吸困難の症状が現れた、と話した。
21日家人就把他送往市立醫院治療、結果發現病情嚴重、專家説可能感染了H7N9禽流感、必須馬上住院治療。(21日、家族が張さんを市立病院に治療に連れていったところ、結果として病状は極めて重いことがわかり、専門家はH7N9型鳥インフルエンザに感染したかも知れない、すぐに入院治療をする必要がある、と言った。)
ARDSって、シャレにならない重態なんですが。
根本的な治療法はない
ので、あとは本人の持っているものに任せる、ってことになるのでは。
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