中国のH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染 (その77)水際作戦なんてムリ 不顕性感染も明らかになっているのに歴史に学ばない日本の感染症対策行政
本日の
ビックリニュース
はこちら。
毎日より。
鳥インフルエンザ:水際作戦に検疫探知犬 羽田空港
毎日新聞 2013年04月27日 09時36分(最終更新 04月27日 10時04分)中国で感染が拡大する鳥インフルエンザ(H7N9型)侵入を未然に防ごうと、全国の国際空港で旅客の手荷物から肉製品を探す検疫探知犬が鼻を利かせている。羽田空港では上海・北京便を中心に、ウイルス侵入を水際で食い止める努力を続けている。
検疫探知犬はいずれもビーグル犬で、4歳のバッキー号と3歳のニール号。入国検査場内で到着客の手荷物の間を歩き、少しでも「におい」を感じると座りこんで指導手に合図を送る。昨年2月に導入され、月約200件の肉製品など持ち込み禁止品を発見している。【中村藍】
え〜と
密輸肉製品の焙り出し
のためなら
検疫探知犬の出動は結構
なんだけど、
ウイルス侵入を水際で食い止める努力
は
前回の豚インフルエンザの時に無効
という結論になったんじゃないのか。
H7N9型鳥インフルエンザのために労力を割くなら
発熱外来
の方でしょう。
重症化すると経過が早い
ので、
救急救命のための措置に金をかけ医療資源を用意するのが肝要
だ。
しかし、全然、
歴史に学ばない国
なのね。それとも
厚労省が学ばないことにしている
のか。
豚インフルエンザの時に、貴重な医療スタッフが水際作戦に投入されて疲弊した事実
を、もう一度考えて欲しい。その医療スタッフを一番必要としていたのは
空港ではなく、実際に患者さんの治療に当たる医療現場
だったのである。
今回のH7N9型鳥インフルエンザだが
感染経路が相変わらず不明
ヒトヒト感染の可能性は完全には否定できないが、まだ確実とは言えない
不顕性感染によるキャリアが見つかっている
台湾の最初の感染例では、帰国後時間が経ってから発症
というわけで
発症後に帰国するのでなければ、まず空港でのスクリーニングは無効に近い
と思われる。
不顕性感染があるということは
不顕性感染者も軽症の感染者も多数いる
ということで、それはよくピラミッド型モデルで説明される。
H7N9型鳥インフルエンザでは、鳥との接触歴があるかどうかが問題なのだが、台湾の感染者も
鳥との接触歴なし、火がきちんと通ってない鳥肉や卵は食べていない
ということなので、
どこから感染したか
が相変わらず不明。大陸や台湾・香港とのつきあいが多い畏友は
調理場が不潔だったんじゃない?
と言っていたけれども、生きた鳥を絞めて捌いて売るのが家業の北京市の不顕性感染の4歳男児が
家禽を捌く作業台で遊んでいた
という話もあるから、
感染した鳥肉経由で調理台や調理器具等が汚染する感染経路
も考慮に入れておく必要がある。
有り体に言ってしまえば
すでに日本国内にもH7N9型鳥インフルエンザ感染者が存在してもおかしくない
けれども、
不顕性感染や軽症
であれば、クローズアップされることもない。軽症であれば、本人も気がつかないし、通常の
A型インフルエンザの治療
を受けていることと思う。
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