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2013-05-26

あなたは風疹で1週間以上入院することになったらどうしますか 今年の大人の風疹 従来より重症化割合が高い→風疹による脳炎で12日入院 脳波に異常が残り投薬継続の例→国は風疹対策には冷淡「水ぼうそうなど、より深刻な感染症の予防接種も補助できてないから」

NHKは今年の2月頃からずっと
 ストップ 風疹
キャンペーンをやっている。それでも
 成人の風疹感染はずっと続いている
のである。

たぶん
 風疹=三日ばしか
という
 子どもの頃の常識
に縛られ
 大人がかかってもたいしたことない
とタカをくくっている未感染者が多いのではないか。

ところが
 今年の成人の風疹患者の重症例は例年より遥かに多い
という結果が。NHKより。


風疹 大人は重症化の割合高い
5月26日 12時3分

大人を中心に流行が続いている風疹について、都内の患者を調べたところ、脳炎など重い症例の割合が、これまでの報告よりも10倍以上高いことが分かり、東京都感染症情報センターは、「大人が風疹になると子どもより重症化しやすいのでワクチンの接種で予防してほしい」と話しています。
風疹は、熱や発疹、それに、耳の後ろのリンパ節が腫れるのが主な症状ですが、重い合併症を引き起こすことがあります。
東京都感染症情報センターが、去年から今月1日までに報告された都内の患者2382人の症状を分析した結果、▽血小板が減少して内出血する血小板減少性紫斑病が9人、▽肝機能障害が7人、▽脳炎が5人、▽髄膜炎が1人と、合わせて22人に重い症状が出て、そのうち9割が大人だったことが分かりました。
重い症例の割合は、▽全体で108人に1人、▽血小板減少性紫斑病では265人に1人、▽脳炎では476人に1人となりました。子どもの症例が多い、これまでの報告では、▽血小板減少性紫斑病は3000人に1人、▽脳炎は5000人に1人とされていて、今回の都のデータはそれぞれ10倍以上高くなっています。
ことしの風疹の全国の患者は、今月12日の時点で6725人で、去年の同じ時期の36倍に達し、患者のおよそ9割を大人が占め、脳炎などの重い症例も報告されています。
東京都感染症情報センターの杉下由行課長は「風疹は軽い病気と思われがちだが、大人がかかるとかなり重症になるケースや入院が必要となるケースがあることが分かった。
自分自身を守る意味でも、ワクチンを打ってほしい」と話しています。

もし、
 風疹で脳炎
になったら、どういう経過を辿るのか。
今年3月に国立感染症研究所が、2月に
 風疹から脳炎を発症した25歳男性の症例
を速報で報告している。


<速報>風疹髄膜脳炎を発症した成人男性の1例
(掲載日 2013/3/12)

発熱、全身の紅斑、痙攣重積で当院へ救急搬送され、精査の結果、風疹による髄膜脳炎と診断した1例を経験したため報告する。

症 例:生来健康な25歳男性、2013年2月某日より発熱、両側眼球結膜の充血を認めた。第2病日には39℃を超える高熱を呈したため、近医を受診し、ロキソプロフェン、ガレノキサシンの内服を開始した。第3病日に体幹、四肢、顔面に点状の紅斑が出現した。その後も発熱は持続しており、第5病日に軽度の頭痛が出現し、同日深夜に軽度の嘔気を訴えた後全身性痙攣を認めたため救急要請された。ワクチン接種歴は不明であったが、家人は風疹の既往はあり、麻疹の既往はないと認識していた。過去1カ月以内の海外渡航歴はなかった。また、明らかな発疹を呈する患者との接触はなかった

つまり
 それまで健康だった25歳男性が急に痙攣をおこしたため救急搬送
された結果
 風疹による髄膜脳炎
と最終的に診断された症例である。恐いのは
・家人は「風疹に感染済み」と認識→家族の記憶が当てにならない
・ワクチン接種歴は不明→免疫が確実にあるかどうか不明
・過去一ヶ月以内の渡航歴も、明かに発疹のある人との接触歴もない→どこで感染したか不明
ということだ。つまり、
 誰でもいつでも抗体がなければ「風疹に感染する」
ってこと。
 オレは「風疹にかかったはずだ。家族がそう言ってたから」
という人が多いだろうけど、この症例は
 「風疹以外の類似の疾病で発疹が出た」のを「風疹」と誤認
されていたわけだ。
で、この25歳男性のその後の経過。


来院時も全身性痙攣が継続しており、ジアゼパム投与によりいったん止痙した。意識状態はGCS:E4V2M5、体温36.6℃、血圧120/60 mmHg、脈拍68回/分、呼吸数22回/分、SpO2 99%(室内気)であった。身体所見上、両側眼球結膜の充血・点状出血と、眼周囲に特に強く、四肢の中央と両上腕部、両大腿部に広がりわずかに隆起する紫斑および点状出血を認めた。発疹は一部癒合傾向を認めた。後頸部をはじめとしてリンパ節腫脹は明らかでなかった。項部硬直は認めず、Kernig signは陰性であった。胸部、腹部所見に異常は認めなかった。
(略)
入院時より髄膜脳炎としてバンコマイシン、セフトリアキソン、アシクロビルによる治療を開始した。入院前に再度全身性痙攣を生じ、意識障害も遷延していることから詳細な持続時間は不明だが痙攣重積と判断し、痙攣コントロールのために挿管人工呼吸管理となった。第7病日には36℃台へ解熱し、皮疹は、入院後消退傾向を示し、経過良好であったため同日に抜管、第8病日には意識清明となり、髄液や血液培養検査は陰性であったため抗菌薬を中止した。第8病日の頭部MRI検査では、脳溝にFLAIR高信号域とGd造影によるpia-subarachnoid patternの増強があり、髄膜炎の所見と考えられた。脳波検査では、両側前頭極部に棘徐波複合、鋭波を認めた。身体所見上、明らかな神経学的異常を認めなかったが、脳波異常を認めたことからカルバマゼピンの内服を継続として、第16病日に退院となった。

というわけで、
 入院12日
 脳波異常を認めたため、カルバマゼピンの内服を継続
となった。

もし、風疹の抗体がないか不十分(感染歴がないもしくは予防接種を受けてない、予防接種は受けたが抗体値が低い)で
 成人が風疹で重症
になった場合、
 この症例のように12日間と比較的長い期間の入院
となることもあるのだが、
 あなたは12日間、仕事を休めますか
たぶん、
 胸を張ってイエスと答えられる人
は少ないだろう。この症例では
 その後の脳波の経過観察も必要
だ。

昭和57年(1982年)といささか古い症例研究だが、『感染症雑誌』57-3に報告されている、横浜市立大学医学部第一内科チームの
成人における風疹脳脊髄膜炎の1例(PDF)
では
 成人の風疹脳炎12例中、予後不明の3例を除き、完全治癒は9例中5例

 完全治癒は55.6%
で、
 後遺症は11%に見られる
とのこと。
 成人の風疹脳炎は、稀な重症例だが、完全治癒するとは限らない
のであり、
 予防のためには、風疹ワクチンを接種
する必要がある。

上記3月の報告例でも


考察 本邦において、2012年の夏以降急速に風疹の報告数が増えており、特に東京における報告数の増加が著しい1)。女性と比べて男性が約4倍程度の症例を認め、年代としては、20~40代の成人例の報告が多い2)。風疹ワクチンは、1977年8月より中学生女子のみに定期接種が開始された。1995年4月から乳幼児男女を対象に定期接種が開始された。1989年度~1992年度にかけては麻疹ワクチン接種時にMMRワクチン(麻疹風疹おたふくかぜ混合ワクチン)が選択可能であり、1995年の接種制度移行期の救済措置としてのワクチンが接種可能であったものの、この年代における男性あるいは集団接種を中止したのちの女性において、風疹ワクチンの接種率は極めて低かった

本症例は、1987年の生まれであり、MMRワクチンの接種や制度移行期の救済措置としての予防接種を行わなかった可能性が高い。また、家人の認識では風疹罹患後と認識していたが、IgG抗体価からその可能性は否定的であった。ワクチン接種歴がなく風疹罹患歴があると認識している者のうち16%は風疹に未罹患であったという報告3)もあり、風疹の場合には罹患歴に関する病歴は確実ではないとも考えられた。


 家族の「風疹罹患証言」は当てにならない
ことと
 制度のはざまで「風疹ワクチン接種が軽視」された可能性
を指摘している。

問題は
 日本では「風疹は子どもの病気」というのが一般的な認識
のため、
 目下、風疹ワクチンが不足気味
かつ
 成人がワクチン接種できる機関が少ない
点である。
恐らく、成人の感染者数が更に増えるに従い、
 働き盛りの成人の重症例
も増加、中には、後遺症がある患者さんも出る事だろう。

もっとも
 国も自治体も一部を除いて、動きが鈍い
のであり、
 働き盛りの成人の風疹感染に対しては冷淡
だ。
政府の立場は次の通り。NHKより。


学会など風疹予防接種に助成要望
5月23日 21時44分
妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれのある風疹の流行が続いていることから、日本小児科学会など4つの団体が、23日に厚生労働省を訪れ、予防接種の費用を国と自治体が全額助成するよう要望しました。

要望を行ったのは、日本小児科学会や日本外来小児科学会などの4つの団体で、団体の代表らが厚生労働省を訪れ、渡嘉敷政務官に要望書を提出しました。
風疹の流行は、20代から40代の人を中心に広がっていますが、大人が予防接種を受ける場合、1万円前後の費用は自己負担になります。
このため4つの団体は、感染の拡大を抑えるためにはこうした世代に対する緊急の対策が必要だとして、まだ接種を受けていない人を対象に接種費用を国や自治体が全額助成するよう求めました。
日本外来小児科学会の藤岡雅司副会長は、「流行を抑えるには20代から40代の男性に予防接種を受けてもらうことが効果的で、次世代の子どもを守るためにも国が対応すべきだ」と話していました。
これについて厚生労働省は「水ぼうそうなど、より深刻な感染症の予防接種も補助できておらず、財政状況も踏まえると現時点で風疹への補助は難しい」としています。

安倍ちゃん、
 「アベノミクス」を盛り上げる基幹となる「働き盛り」が風疹で短期・長期の離脱を余儀なくされる可能性がある感染症
なのに
 国は「もっと重い感染症に対策するのも不十分だから、いま流行している風疹には対策しない」
んですか?
 成人の風疹罹患が与える経済的損失は計上しない
のが
 アベノミクス
らしい。
目の前で火がボウボウ燃えてる風疹でこんな「政策」なら、他の感染症だったらどうなるよ。

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コメント

風疹に成人が感染、発症すると重症化しやすいということは
結構知られていないのです。
わたくしのクリニックで「次回妊娠のために風疹ワクチンをしたほうがいいか?」という質問には
前回分娩の風疹抗体の結果を見せてもらって充分高い場合には「しなくてもいい」といいますが、
「自分に抗体があるから夫はしなくていいか?」に対しては
「流行しているということは夫もかかるかもしれない、成人は感染すると重症化しやすい」ので
「夫自身の健康のため」に打ったほうがいい、とお勧めしています。

投稿: suzan | 2013-05-26 15:38

suzan先生、コメントありがとうございます。
麻疹や水痘、流行性耳下腺炎は、大人がかかると重くなることは知られているのに、風疹はあまり周知されてないのは、本当に残念です。
わたしは大学2回生のときに罹りました。恐らく、京都市内で流行していたのだろうと思います。蕁麻疹かと思って大学の保健管理センターへ行ったら「あ、これは風疹や。外に出んといて。」でおしまい。のんびりしていたというか、なんというか。子どもで罹るよりは、重めでした。

投稿: iori3 | 2013-05-26 20:19

今風疹中の52才のオヤジです。
ひどい夏風邪だと思っていましたが、熱が下がり夏風邪は風呂に入ってもOKとのことで
風呂から出ると赤鬼になっていました。
風疹だとわかって、あの高熱の凄さが納得できました。
ふだん無い所にしこりが出来て(指先、歯ぐき)何だろうか?って思っていたらあの発熱です。
39度近い熱が出て、世の中がぐるぐる回って死ぬかと思いました。
オッサンには、あの発熱はハード過ぎます。
数千円で予防できる病気なら安いものです。

投稿: Kazu | 2013-07-06 06:29

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