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2013-05-05

中国の国立機関の研究チームが悪魔の実験 致死率の高いH5N1型鳥インフルエンザウイルスと感染しやすいH1N1型豚インフルエンザウイルスをミックスして「豚-鼠間で空気感染するウイルス」を作成してScienceに発表 国際的非難を浴びる

バカじゃねえの。
 中国の科学者にも医学者にも「倫理」などない
ことが露呈した。

なんと、5/2付でオンライン版のScienceで発表された、
 中国農業科学院哈爾浜獣医研究所の陳化蘭チームの論文

 とんでもない実験をやらかして発表されたもの
なのである。

まずはScienceのアブストラクにリンクを貼っておく。

H5N1 Hybrid Viruses Bearing 2009/H1N1 Virus Genes Transmit in Guinea Pigs by Respiratory Droplet

要するにだ、
 豚インフルエンザのH1N1と高病原性鳥インフルエンザのH5N1の「ハイブリッド」を作って実験したら、豚と鼠の間で「空気感染した」
というのだ。
 今のところ、鳥→ヒト感染が中心で、ヒトヒト感染は家族間など極めて密接な関係の場合にしか起こらない
と考えられている
 致死率の高いH5N1型鳥インフルエンザウイルス

 感染しやすいH1N1型豚インフルエンザウイルスと遺伝子再集合して新たなウイルスを作成
したら
 豚と鼠という「異種のほ乳類間」で簡単に「空気感染する」H5N1型鳥インフルエンザウイルスが出来た
というのだ。

ちょっと待て。
 H1N1とH5N1のハイブリッドという自然界に存在しない危険なインフルエンザウイルスを「作成」
するのは
 倫理上、許される実験
なのか?

どうも、中国では
 Scienceに載せてもらえるんだから、「好きに遺伝子再集合してOK」
なのらしい。
それが証拠に
 中国農業科学院哈爾浜獣医研究所
は、サイトで堂々と、
 うちの研究所の研究チームの論文がScienceに載りました!
と、高らかに
 科学の勝利を宣言
してるのである。
 マッドサイエンティストは東洋人、というステレオタイプ
があるけど
 マジ
かよ、中国。
 国家が後押し
してるって、どういう冗談なんだ?

では、中国農業科学院哈爾浜獣医研究所のサイトより。


我所陳化蘭團隊在H5N1病毒傳播研究取得重大進展(中国農業科学院哈爾浜獣医研究所の陳化蘭チームは、H5N1型鳥インフルエンザウイルスの伝播研究で、重要な進展を遂げた。)

『Science』於5月3日在線刊發了我所陳化蘭研究員團隊的研究論文、「H5N1 Hybrid Viruses Bearing 2009/H1N1 Virus Genes Transmit in Guinea Pigs by Respiratory Droplet(含有2009/H1N1病毒基因的H5N1重配病毒可在豚鼠間經空氣傳播)」(http://www.sciencemag.org/content/early/2013/05/01/science.1229455.abstract)(5月3日、『Science』はwebサイト上で、中国農業科学院哈爾浜獣医研究所の陳化蘭研究員のチームの研究論文を「H5N1 Hybrid Viruses Bearing 2009/H1N1 Virus Genes Transmit in Guinea Pigs by Respiratory Droplet(2009/H1N1ウイルス遺伝子を含んだH5N1の遺伝子再集合ウイルスは豚と鼠の間で空気感染する可能性がある)」(http://www.sciencemag.org/content/early/2013/05/01/science.1229455.abstract)を発表した。)

流感病毒基因組由8個節段的單股負鏈RNA分子組成、兩種病毒共感染同一宿主、可發生基因分子節段的重配、理論上可以形成256種不同的基因重配病毒。歴史上、禽流感病毒通過在中間宿主體内與哺乳動物流感病毒發生基因重配、造成了多次全球流感大流行、包括1957年的H2N2流感・1968年的H3N2流感。最近的2009年的甲型H1N1大流行病毒、就是禽・豬和人流感病毒的三重基因重配産物。(インフルエンザウイルスの遺伝子は8個のRNA分節からなる1本鎖の-鎖RNAからなっており、2種のウイルスはどちらも同一の宿主に感染し、RNA分節の遺伝子再集合を起こすことがあり、理論上は、遺伝子再集合により256種の異なったウイルスが形成される可能性がある。歴史上、鳥インフルエンザウイルスは、中間宿主の体内を通って、哺乳動物のインフルエンザウイルスと遺伝子再集合を起こし、1957年のH2N2型インフルエンザ[アジア風邪]・1968年のH3N2型インフルエンザ[香港風邪]を含む、地球的規模での大流行がなんども起きた。最近の2009年のA型H1N1型の大流行したウイルスは、鳥と豚とヒトのインフルエンザウイルスの三重の遺伝子再集合の産物である。)
H5N1禽流感病毒已經傳播至60多個國家和地區、引起家禽和鳥類疫情爆發、並導致600多人感染發病、病死率高達60%。目前H5N1病毒還不能人與人經空氣傳播、但一旦發生、即有可能造成全球大流行。(H5N1型鳥インフルエンザウイルスは、すでに60以上の国と地域に伝播しており、家禽と鳥類とに爆発的な流行を引き起こし、更に600人以上の感染発病をもたらし、死亡率は60%にも達した。現在、H5N1型ウイルスはまだヒトとヒトとの空気感染は起きないが、しかしいったん発生すれば、すぐに地球的大流行となるだろう。)
此前、陳化蘭的團隊發現、從自然界的鴨和野鳥體内分離的部分高致病力H5N1病毒已經能夠[句多]在哺乳動物間接觸傳播、但尚不具備通過空氣傳播的能力。(これまでに陳化蘭のチームは、自然界の鴨と野鳥の体内から分離した一部の高病原性H5N1型ウイルスは、哺乳動物と接触すると感染可能だが、まだ空気を通して感染する能力は持っていなかった。)
2009甲型H1N1具有高度的傳播性、目前仍在全世界流行、在各地豬群中也很容易檢測到。(2009年A型H1N1型豚インフルエンザは高度な感染性を持ち、いまのところまだ全世界で流行しており、各地の豚からも容易に検出できる。)
H5N1病毒與2009甲型H1N1病毒很有可能在自然界發生基因重配。(H1N1型インフルエンザウイルスと2009年A型H1N1型豚インフルエンザウイルスは自然界で遺伝子再集合を起こす可能性が高い。)
H5N1病毒能否在這種重配過程獲得人與人空氣傳播的能力、令人高度擔憂。(H1N1型ウイルスがこの種の遺伝子再集合でヒトとヒトとの空気感染能力を獲得する過程にあるかどうかは、人類を大いに憂慮させる。)
為此、他們在嚴格生物安全條件下、採用反向遺傳技術、在保留H5N1病毒HA基因的前提下、構建了含有1個至7個不等的2009甲型H1N1病毒基因的所有127種可能的重配病毒。(このため、陳化蘭のチームは、厳格なバイオハザード対策の下、リバースエンジニアリングの手法で遺伝子操作を行い、H5N1ウイルスの遺伝子を保留する前提で、1個から7個までの異なった2009年A型H1N1型ウイルスの遺伝子をもった127種の可能な遺伝子再集合を行ったウイルスを組み立てた。)
利用小鼠測試了這127種重配病毒對哺乳動物的致病力、發現其中三分之二以上對小鼠高度致死。利用豚鼠模型對21種重配病毒進行傳播能力的評估、結果發現、有8種病毒能夠[多句]經空氣傳播、其中4種獲得高效空氣傳播能力。(マウスを用いて、この127種の遺伝子再集合を行ったウイルスが哺乳動物に対して病原性をもつかどうかを実験したところ、その内の三分の二以上では、マウスに対して高度な致死性が現れた。豚鼠モデルを用いて、21種の遺伝子再集合を行ったウイルスの感染能力評価を進めた結果、8種のウイルスでは、空気感染が可能で、その内4種は効率の良い空気感染能力を獲得していたことが分かった。)
這項研究證明H5N1病毒確有可能通過與人流感病毒的基因重配、獲得在哺乳動物之間高效空氣傳播的能力、從而具備引起人間大流行的潛力從一個全新的角度揭示了H5N1病毒對全球公共衛生構成的現實威脅。(この研究はH5N1型ウイルスが、確かにヒトインフルエンザウイルスと遺伝子再集合を行って、ほ乳動物の間で効率の良い空気感染能力を獲得し、したがって、人間に大流行を引き起こす潜在力を持っていて、まったく新しい角度から、H5N1型ウイルスが全地球の公衆衛生に対して現実の脅威となることを明らかに示している。)

『Science』同時為該項研究配發了摘報評論(Science 3 May Vol 340、533)和專題報道(Single Gene Swap Helps Bird Flu Virus Switch Hosts)。

『Nature』也進行了報道(Scientists create hybrid flu that can go airborne)。

ええと
 アホ
か。なにが
 まったく新しい角度から、H5N1型ウイルスが全地球の公衆衛生に対して現実の脅威となることを明らかに示している
だ。
 自分がやりたかった実験を、倫理を無視してやって、人類に新たな脅威となるウイルスを作り上げた
ってだけの話。
上記記事の後の方に
 ScienceとNatureのリンクがはってある
けど、どちらの記事も
 この実験の危険性を指摘
している。
そもそも
 研究室からウイルスが漏れ出る恐れがない
わけじゃないだろう。というか
 作ってはいけないウイルスを作った
のである。
 哈爾浜で大量死
が起きたら、
 その原因は中国農業科学院哈爾浜獣医研究所から漏れた「新型ウイルス」
だろう。 
 Independentなどが早速この実験を非難
しているのだが
 日本のマスコミの反応はGWボケなのか鈍い
ね。こちらがIndependentの記事。
'Appalling irresponsibility': Senior scientists attack Chinese researchers for creating new strains of influenza virus in veterinary laboratory(「ぞっとするほどの無責任さ」学識経験者達は獣医学実験室でインフルエンザウイルスの新たなストレスを作った中国の研究者を非難)

てか
 中国製の「空気感染タイプH5N1型インフルエンザ」

 来襲
するとしたら
 ヨーロッパじゃなくて、まずはアジアかロシア
だろうよ。
 日本には「飛んでこない」
とか、暢気に高見の見物してるんじゃねえよ、日本のマスコミ。
 日本着の航空機内で飛散
させられたら、人間が感染したことのほとんどないタイプの上に
 致死率の極めて高いウイルス
だ。
 あっという間に日本は「改造型H5N1型インフルエンザ」にやられる
んだぞ。

続き。(9:17)
Facebookで知人が言ってたのだが
 捏造かも
と。今回の実験に関しては
 捏造だったら、どんなにいいだろう
と真実思う。

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