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2013-07-08

不妊治療で子どもを持てる確率は治療開始が40歳なら1割 35〜39歳だと4割 ただし子どもが一人前になるにはいつ産まれても25年は掛かる

仕事に明け暮れ、気がつけば30代後半。
 お金はあるけど、卵子は老化している、自然妊娠は難しい
となると
 不妊治療
が始まる。
ところが
 不妊治療がどの程度の成功率か
というのは、余り知られていない。

不妊治療のプロ、国立成育医療研究センター不妊診療科の齋藤英和医長が
 30代以降の不妊治療の成功率
について
 具体的
に語っている。
東洋経済オンラインより。


不妊治療のプロが語る、不妊のリアル 日本は妊娠・卵子老化の知識が突出して低い 新木 洋光 : 2013年07月03日

 世界で広がる不妊症。中でも“晩産化”が進む日本の状況は深刻だ。今や男の10人に1人が精子に問題を抱える時代。男も不妊とは無縁ではない。世界のカップルを悩ます不妊症、その最前線を追った(この連載は、週刊東洋経済2012年7月21日号「みんな不妊に悩んでる」を加筆修正したものです)。
30代後半になると、女性の卵子の数と質が急速に低下する「卵子の老化」が、急増する不妊の原因のひとつとして、一般にも注目され始めている。日本の不妊治療の課題は何なのか。国立成育医療研究センター不妊診療科の齋藤英和医長に話を聞いた。

40歳以上の体外受精成功率は、せいぜい1割
2010年に日本で行われた体外受精の治療回数は約24万回(周期)を数え、3年前(2007年)から1.5倍近くに増えています。日本の不妊治療が急増している背景には何があるのでしょう。
妊娠・出産を望む女性の年齢が高くなっているのが、最大の原因だと思います。当センターの初診不妊患者の平均年齢は39歳、体外受精治療患者の平均年齢は41.7歳です。若ければ、体外受精で出産に至る成功率は1回当たり約20%ですが、40歳では7%、44歳なら1%程度に落ち込みます。不妊治療で子供を持つことができる可能性も、34歳までに治療を始めて繰り返せば7割程度になりますが、35~39歳で4割、40歳以上では、せいぜい1割にとどまります。

―かなり厳しい数字ですね。
もちろん、医師としては年齢が高くなってからでも妊娠できる方法を探りますし、不妊治療の技術も向上しています。しかし、体外受精などの高度な不妊治療が増えることが、決してよいことだとは思っていません。費用面を考えても、1回の治療費を30万円、40代半ばの成功率1%と仮定すると、3000万円で1人が生まれるという計算になってしまいます。すべてに助成金が適用されたとしても、半分程度は個人負担になり、大変な費用がかかります。不妊治療をやめる理由には、「資金がなくなった」という声が多いのが実情なのです。しかも、努力をしても結果が得られないケースも増えています。

体外受精も「卵子の老化」の根本的な解決にはならない
――30代後半から急速に進むとされる「卵子の老化」が、妊娠しにくくなる大きな要因として注目されています。
概念的に「卵子の老化」と言われていますが、どういうことなのかについては、人の老化と同じで、よくわかっていません。年齢とともに卵子の数と相関するAMH(抗ミュラー管ホルモン)が減り、卵子の数は減っていきます。しかし、AMHが少なくても若ければ妊娠するケースもあるので、卵子の数だけでなく、卵細胞内のさまざまな物質の変化など卵子の質の低下を含む要因が、総合的に「卵子の老化」にかかわっているのだろうと考えています。
―卵子の老化に対しては、どう治療するのでしょう。
不妊の因子は、排卵に関係する因子、卵管に関係する因子、子宮因子、男性因子などに大別されます。子宮内膜症があれば治療し、卵管が詰まっているなら体外受精によってバイパスすることもできます。しかし、体外受精を含めて、卵子の老化を根本的に解決する治療法はありません。
―体外受精によって妊娠の確率を高めることはできても、卵子の老化が改善するわけではないのですね。
質のよい卵子がなければ、体外受精も成功しません。体外受精のために採卵する過程で、成熟した卵子を数個採ることができれば、質のよい卵子に当たる可能性も高くなり、妊娠・出産に至る確率も上がる、ということも考えられます。しかし、卵子の老化は、強いて言えば、原因不明の不妊ということになり、加齢というだけでは体外受精の適応とは言えないのです。

20代後半までに第一子が理想
―卵子老化による不妊を防ぐには、若いうちに妊娠・出産した方が望ましいということでしょうか。
医学的には、若いときのほうが妊娠・出産に適していると言えます。不妊治療治療費の経済的な負担だけでなく、通院の時間、注射などを受ける身体的な負担治療がうまくいかない場合にうつになる患者さんも多いなど精神的な負担も無視できません。年齢が高くなれば、出産のリスクが高くなることも知られています。若いうちに妊娠、出産するという選択をしていれば、そうした負担をせずに済む可能性があるのです。

―不妊治療の節目は35歳と言われますが、何歳くらいまでの妊娠・出産が望ましいと考えていますか。
医学的には、20代半ばから後半あたりだと考えています。また、妊娠・出産はゴールではありません年齢が高くなれば、子育てをすることも体力的にきつくなります。また、子どもが独立する年齢を25歳とすると、35歳で生まれても、親の手を離れるのは60歳ですから、子どもを持つ年齢が高くなるほど、教育費など子育てにかかる費用についても不安が高まります。第二子、第三子を考えるためにも、20代後半までに子どもを持つことを理想として掲げるべきでしょう。
―不妊についての受診の目安は、どう考えたらよいでしょうか。
日本では、避妊をせずに2年以上、妊娠しなければ不妊と定義されていますが、1年という国もあります。私は診察を受けるだけなら、半年くらいで検討してもいいと思っています。診療では、まず卵管の状況やホルモンをチェックする検査から始めるので、年齢の高い方は早めに受診するのに越したことはありません

妊娠・出産適齢についての知識を踏まえた人生設計を

―若いうちが望ましいとしても、いつ子どもを持つのかは、個人それぞれの結婚観や家族観に委ねざるをえない部分です。
いつまでに産むべきだ、と主張したいわけではありません。医学的に妊娠・出産に適した時期があり、年齢に伴って、その能力がピークアウトするという知識をまず持ってもらう。そのうえで、若くて選択肢の幅があるうちに、人生設計を考え、いつ頃、子どもを産むのか、あるいは産まないのか、を選択していただきたいのです。
卵子の老化については、生殖医療に携わる医師の世界では理解されていましたが、一般の方には十分、知られていませんでした。妊娠にかかわる知識の習得度に関する国際調査では、日本のスコアがほかの先進諸国に比べて突出して低くなっています。WHO(世界保健機関)が提唱するReproductive Health/Rights (性と生殖に関する健康と権利)を行使するための前提となる知識が、日本では普及していないのです。40歳でも妊娠・出産はまったく不可能というわけではありませんが、後になって、厳しい現実を初めて知って後悔することのないようにしてほしいと思います。
(以下略)

要するに
 見た目は若くても、人間が生物である限り、生殖能力は昔とほとんど変わらずに推移している
わけで、医療の進んだ現代にあっても
 35歳を過ぎると、妊娠しにくくなり、40歳を過ぎると、妊娠は難しくなる
のである。
しかし、国立成育医療研究センター不妊診療科で
 初診不妊患者の平均年齢は39歳、体外受精治療患者の平均年齢は41.7歳
って、上記の談話から考えれば
 この内6割〜9割は妊娠しない可能性が高い患者さん
ってことでしょう。
 ゼロとは言えないが、極めて妊娠の確率の低い患者さん達
に対して
 いつ治療をやめてもらうか
について、もっと議論が必要なのではないか。

以前には
 四十の恥かきっ子
という言葉があったように、母親が40歳過ぎで妊娠出産することは、もちろん皆無ではなかったけれども、通常の出産年齢からは外れている、という認識だった。妊娠出産で命を落とす女性が多い時代には、40歳を過ぎると無事に生まれてくることが難しい、という医学的背景もあっただろう。
江戸時代の記録等を見ていると、父親が40過ぎてから子どもを持つことも少なくないが、これは子どもに恵まれなかったり、育たなかったために、何度も結婚していたり、極めて晩婚だった結果だったりする。(もっとも、厄年の42歳で子どもが生まれると、親に仇なす子として、里子に出す習俗も地域によってはあった。黒石生まれの父方の祖父が、まさにそれで、里子に出された。)家存続のためには
 長子(つまりは長男)が必要
だった。どうしても男子がいなければ、娘に婿を取らせた。まったく子どもがいなければ、
 養子・養女
を取った。戦前までは
 養子・養女に家を継がせる
のは、今ほど抵抗はなかったように思う。現代は
 民法改正によって家が解体
された御陰で
 誰もが「跡継ぎが欲しい」状態
となり、しかも
 血縁じゃないとダメ
という妙な縛りが付いている。だから
 不妊治療は苦しくなる
のだ。

いまの日本は、
 平均寿命が80歳近い
といっても
 会社等で雇用してくれるのは65歳まで
だ。終身雇用制度も崩れている。年金も心許ない。65歳まで雇用されても、
 ある時期から給料は下がる一方
になってきているし
 再雇用の場合は待遇も賃金も以前とは段違い
になる。それを考慮すると
 40代で子どもを持って、果たして責任を持って育てることが出来るか
というと、経済的によほどの余裕がない限り、難しいだろう。
 今、お金を掛けて子どもを「妊娠・出産」
できたとして、
 これからもっとお金が掛かるのに子どもを育てることができるか
という課題を、高齢で不妊治療する人達は考えないといけない。
 不妊治療でお金を使い果たす
のも、
 自分達夫婦の将来設計
を考えると、やはり問題があるだろう。

子どもを持てるかどうかは
 両親の才能にも経済力にも関わらない、個々の医学的な問題
であり、
 子どもができない
と気がついたときに、初めて直面する問題である。
 子どもを産むのを延期していたカップル
というのは、
 経済的にも社会的にも成功しているカップル
だからこそ
 なぜ、ここまで努力して、他人より優れている筈の自分たちに子どもが出来ないのか
と悩むのだろう。
 努力しても、不可能なことはいろいろある
のだが、その一つが
 妊娠出産
だ。そして
 不妊治療にいくらお金を掛けたとしても、子どもの能力も資質も性格も掛けたお金の多寡とは関わりない
のである。

逆に言えば、高齢で不妊治療を始めるカップルは
 それまでの社会での「成功」

 自分に起きている医学的な不都合を無視する要因
になっている場合が少なくないだろう。
 「成功」が妊娠時期を引き延ばした結果起きている不妊の原因
とは、誰しも考えたくないだろうから。
自分が成功していればしているだけ
 子どもの才能が「自分同様かそれ以上」だと信じたい気持ち
が出てくるわけだけど
 子どもは子ども
だ。

そういえば、高齢で出産した知り合いカップルが、低年齢の子どもの躾けに手を焼いているので
 犬を飼ったことがあるか
と聞いたら、そういう経験もなかった。
 躾け
とは
 子どもを社会化する過程
なのだから、
 言語化が不十分な、ある時期の子どもは、「犬を躾けるように躾ける」必要がある
のだけれども
 子どもを犬扱いなんてとんでもない!
という表情だったのが忘れられない。たぶん
 子どもに「嫌われたくない」
というのが
 高齢の親たちの子育て
には、大きな要因としてあるんじゃないのかな。
犬だろうが、人間だろうが
 相手の信頼を失わずに社会化する方法
というのはある。ただ
 躾ける側が根気よく、毅然としてやらないとダメ
だ。これには
 かなりの体力と気力が必要
で、
 高齢の親だと、この辺りでギブアップ
するのではないか。

基本的な躾け(社会化)が出来てないと、後で苦労するのは子どもの方なのだが。

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