Literature Resource Center by Gale Cengage Learning が凄い件
調べ物をしていて、Constantinus Africanusが、モンテ・カッシーノ修道院で翻訳した、イスラム医学の書物
"Pantegni"
の正体を探っていた。なぜ苦しんでいたかというと、元の書物が
フランス語を日本語訳
したもので、
フランス語での人名の読みや書名
を
日本で通常使われるの人名の読みや書名
と
合わせてない
上に
原語表記をしていない
からだ。固より、イスラム医学には闇い。翻訳に出てくる
アリ・アバス
と
『技芸大全』
の原名を知りたくて、あちこち調べて、書名は通称
Pantegni
であることは大体分かったんだけど、最後に、webで引けるデータベースの
Literature Resource Center by Gale Cengage Learning
を検索した。
このデータベースのなにが凄いって、
約300誌の学術雑誌・文芸誌のフルテキスト、13万人以上の作家情報等を収録
しているだけではなく、
データに音声読み上げ機能がデフォルトでついている点
だ。
読み上げる文と単語を逐次色分けしてアニメーション表示
してくれる。
おかげで、アリ・アバスとは
Ali ibn a-Abbas al-Majusti
という名で、音声で英語での読みが確認でき、更に書名は
Kitab Kamil as-sin'a at-tibbiya
で、も一つおまけに、最近の研究で
徹底的な写本研究による原典とラテン語訳との相違等が判明
したところまで分かった。
全くの門外漢でも、5分ほど音声を聞くと、それなりに理解出来るようになる、って辺り、データベースの出来もかなり行き届いている。
こうした
世界中からアクセス出来て、文字だけでなく、音声でも案内してくれるサービス
って、今後標準になっていくと思うけど、日本はどうだろう。
日本文化を世界に発信
するつもりなら
英語など各国語への翻訳作業
はもちろんだけど
日本語でも読み上げるサービス
が大事なんじゃないの?
おまけ。
Duke大学が持っている
Pantegniの写本
とその解説。どうやら12世紀頃のもの、とDuke大学は考えているらしい。
THEORICA PANTEGNI, TOTAL ART OF MEDICAL THEORY
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