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2013-10-11

本日朝刊掲載の凍結卵子ビジネスに関する記事中「赤ちゃんが生まれる確率」について朝日の記者と掲載を認めたデスクが酷い件

次の文章は正しいかどうか。
今朝のasahi.comに載っている記事である。
(追記 5:30 本日朝刊の社会面 ニュースQ3にも掲載)

署名によると担当は岡崎明子記者。

見出しは
 卵子凍結保存、85万円のビジネス 女性「未来へ投資」
で、取材に対し、卵子バンクが答えている中身がこれだ。


「うちの技術なら卵子を解凍しても生存率は100%1個の卵子から赤ちゃんが生まれる確率は10%なので、理論上10個凍結すれば大丈夫」と話す。

え〜
 1個の卵子から赤ちゃんが生まれる確率が1/10の場合、10回人工授精すれば必ず1回は赤ちゃんが生まれる
って
 命題は真
なのか、岡崎明子記者とデスク。
 卵子バンクの言い分が「正しい」と信じた
から、
 この文章を載せている
んだよな?
ところで、上記の文章だけど、人間の生命の始源を扱うにしては、相当ざっくりした表現をしている卵子バンクの言い分を単純化すると、
 10枚の内、1枚当たりのある宝くじがあります。この宝くじを無作為に選んで10枚買った場合、必ず1枚は当たっている確率を求めなさい。
って、数学の問題と同じになると思うんだが。
もっと単純化すると、教科書に出てくる次の設問になる。
 サイコロを振って、1〜6のどの目の出る確率も1/6の場合、サイコロを6回振ったら、必ず1の目が出るという命題は真か偽か。その理由も述べなさい。
つまりは
 1/6+1/6+1/6+1/6+1/6+1/6=1だから6回サイコロを振れば1が出る
という命題は
 真か偽か
ってことですがね。これを1/10でやれば分かる話。
日本の教育水準が疑われるんですがね、朝日。

まさかと思いますがね、
 日本の宝くじの末等が当たる仕組みと勘違い
してるんじゃあるまいな。
 日本の宝くじのはバラで買っても連番で買っても、末尾1ケタは0から9まで揃っている
から
 10枚買えば下一桁の末等は当たる仕組み
だが、
 上の「確率論」はそういう計算じゃない
だろう。それとも
 人間の生命に関する話だから数学は吹っ飛ばして構わない
ってことか? 凄いな、岡崎明子記者とデスクの
 数学力
って。

しかも、肝心のことを言い忘れている。
 生物である以上、10回人工授精しても「かならず1回は妊娠する保障」はない
んだぞ。てか
 「生存率100%の卵子10個」で高齢になっても確実に妊娠できる
のであれば
 現在、不妊治療を受けているすべての患者さん達がなぜ苦しんでいるのか
って話になる。そもそも
 妊娠しない
のが最初の困難で、その次には
 妊娠はしたけれども、流産してしまった
という困難が待ち受けることは、しばしばなのだ。
それなのに、この卵子バンクは
 うちの卵子では、1/10は赤ちゃんが生まれる
と言っているわけで、
 1/10で妊娠に成功して、そのまま妊娠が持続され、出産できる
って明言しているのだ。
 妊娠の成功と「赤ちゃんが生まれる」のとは違う
んだけど、
 凄い自信
だよね。

何が岡崎明子記者の琴線に触れたか謎だが、数学的に見ても、誤った発言を
 堂々と載せているasahi.comの見識(追記 5:30 朝日新聞にも載った)
は素晴らしいですね。

突っ込みどころが多すぎて頭が痛いけど
 もし1/10の確率で「赤ちゃんが生まれる」
なら
 凄い出産成功率
なんだが、
 卵子バンクは出産を扱うわけではない
んだよね。記事によると
 今年5月から稼働している卵子バンク
だそうだが、
 5月からの卵子バンク稼働後の出産例はまだない
筈だ。そうすると、一体
 どうやって、1/10の確率で赤ちゃんが生まれるという凍結卵子の「予後」のデータを得た
のか、そっちも知りたい。てか
 この発言をwebや紙面に掲載した以上、岡崎明子記者と朝日は「ウラ」を取っている
んだよね?

しかし
 1/10の確率で赤ちゃんが生まれる事象
というのは
 受け入れる母体の年齢・身体的条件が同一
じゃないと、おかしいんじゃないの?それとも
 あらゆる年齢(一般的に妊娠が非常に難しくなる40代以上も含めて)の母体に受精卵を戻しても1/10の確率で「赤ちゃんが生まれる」
のか?
なんか凄いんですけど。

おまけ。
無料で読める元記事はここまで。


卵子凍結保存、85万円のビジネス 女性「未来へ投資」
朝日新聞デジタル 10月11日(金)0時9分配信

卵子凍結について説明を受ける女性たち。真剣な表情でメモを取っていた=東京都新宿区

 【岡崎明子】将来の不妊リスクに備え、卵子を凍結する独身女性が増えている。有償で請け負う民間業者も登場。「卵活」がビジネスになってきた。

 「40~44歳以上で出産しているのは4%。自分がその4%に入れますか」

 「卵子の老化は体外受精では救えません」

 9月中旬、東京都内のビルに、30代後半を中心に約50人の女性が集まった。「卵子保存ナイトセミナー」。主催は、独身女性の卵子凍結事業を営む「リプロセルフバンク」だ。

 神奈川県内のITエンジニアの女性(39)は「いつかは子どもが欲しいと思っていたが、気づいたらこの年になっていた」と参加した。「40歳で産める確率がこんなに低いなんて、知りませんでした」と驚く。

 同バンクは今年5月から卵子凍結を始め、これまでに23人が利用、平均年齢は36・5歳という。費用はカウンセリングや採卵、保管料も含め、10個の卵子を保存すると85万円程度。翌年以降、1個につき年1万円の保管料が必要で、50歳の誕生日まで預かる。

朝日新聞社 最終更新:10月11日(金)0時43分

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