« ボタンを付ける | トップページ | おいしい林檎ジュース「希望の雫」@JAアオレン »

2013-11-26

現役医師がガンで死ぬと言うこと CBT(認知行動療法)を自らに実践して記録する

精神科医で、CBT(認知行動療法)の実践家である、久保田亮先生が11/24朝、ガンで亡くなった。合掌。
たまたま久保田先生の医学部の同級生が、高校の同期生だった関係で、Facebook経由で教えて貰い、久保田先生の緩和ケアを受けている末期癌患者とは思えない、パワフルなblog
ようこそ「ジョニー久保田のBlog」へ 「精神科医・マジシャン・催眠術師」という 複数の顔を持つ「ジョニー久保田」のBlogです
と活動を知った。
これが絶筆である。
2013年11月21日 (木)【CBT】「死後発表を託す」
一部を引用する。


入院以来、私は「マイ・カルテ」
と名付けた
【日常生活記録】
を付けています。
「癌性疼痛 vs 体調」
「面会の有無 vs 体調」
などに
「相関関係」
が有るのか、無いのか・・・

それは、「学会発表」でのお楽しみです
「遺志」を継いで、発表の労をとって下さる「T 医師」に心より感謝申し上げます。

意識状態が正常な間に、何度でも「謝意」
を伝えておきます。

久保田先生が広めようとしていた
 CBT(認知行動療法)
は、現在は精神科領域で行われているけれども、そのやり方を
 末期癌である自分の生活改善に援用
したのが、上記の「ジョニー久保田のBlog」だ。

たとえば、こんな記述がある。


2013年10月18日 (金)【「両膝カックン】「歩行能力頭打ちです」
昨日(10月17日)は大津市民病院の受診日でした。
「JR草津駅」に向かって、「10分程度」歩いたところ、突然「両膝から力が抜ける感じ」で

跪く感じで倒れてしまいました。
(略)
受診に同伴してくれていた妻と相談の結果、
「今後は一人で外出するのは止めた方が良い」
(エスカレーターで転んだ場合に周囲の人を巻き込んでしまう
駅のプラットフォームから転落する危険があるetc)
エレベーターの使用は大丈夫だろう
「車は運転しない」
【タクシーなどで、「Door to Door」】移動する
ことになりました。
この数週間、「歩行能力」はあまり向上していません。
頭打ち状態なので、大きな事故を未然に防ぐ為には良い判断ですよね

「ステロイド内服」に伴う色々なリスクを考えても、合理的な判断になります。
「癌」による「細胞崩壊」と「肝機能障害」が原因と考えています。

せめてこれ以上、筋力が落ちない様に、
自室での「筋トレ」の「強度(負荷)」なども研究したい
と思います。

「大きな事故を防ぐ」=
「あの時、しっかり検討して止めておけば良かった」という
「ネガティブな認知」の発生を未然に防ぐ
=「問題解決技法」
「筋トレ」研究=「詳細な情報収集」、「自己に対する心理教育」
ということで、
いつでも、何処でもCBTです。

自分の行動をメモし、見つめ直し、
 現状を客観的に分析
した上で
 ポジティブな面を捉えて改善
し、
 危険を伴う事象は避けるように行動のルールを変え
て、
 少しでも自分が「気分良く」生きられるように工夫
する毎日が、綴られている。
それにしても
 「癌」による「細胞崩壊」と「肝機能障害」が体内で不可逆的に進行中
なのに
 筋トレで少しでも歩行能力を維持したい
という
 意欲
は凄すぎて、このパッセージを読んだときは、しばし言葉を失った。

久保田先生がステージIVの大腸癌の手術をしたのは、2010年11月の事だった。病歴については、御自分で以下の記事に書いておられる。
2011年5月 1日 (日)「ジョニー久保田のBlog」開始です
この時点で


大きな「多発肝転移」の存在するCT画像を見た時は、
「もう駄目だ・・・・。半年か1年しか生きられないだろうな」
と覚悟しました。
幸い術後経過は順調で、現在は術後化学療法を受けながら「精神科医」として仕事を続けています。

という厳しい状況だった。

緩和ケア病棟に入院したのは今年10月25日。先ほどの
 歩行に問題がある
と書かれた1週間後だ。その事実を考えるといかに上記の
 筋トレも考えたい
という記事が凄いか、おわかり頂けるだろうか。


2013年10月25日 (金)【CBT】「カウンセリング・マインド」に満ちている
昨日、緩和ケア病棟に入院しました。
当たり前のことでしが、
かつて入院した「治療病棟」とは、雰囲気がかなり異なります。

廊下には絨毯が敷かれてあって静かですし、看護職員の物腰は上品で、言葉遣いも丁寧です。
若年でも、タメ口の職員はいません。
「軍艦vs豪華客船」、「戦場vs劇場」、「戦士vs俳優」、「肉食系vs草食系」
くらいの「差」を感じます。

職員さん全員が、カウンセリングマインドの持ち主です。
「緩和ケア病棟」を人生最期の場として選らんで良かった

およそ1ヶ月の入院を経て、久保田先生は旅立ってゆかれるのだが、この後の記事では、病み衰えてゆく姿を隠さず、写真に撮って、医学的データを添えて、
 緩和ケアの実際
を実にユーモラスにかつ時には冷徹と思える位客観的にレポートされる。最期まで
 患者でありながら、医師の目を忘れない
のだ。

冒頭の絶筆にあるように、久保田先生の最後の日々は、主治医の先生によって、後日、学会発表されるとのことだ。

|

« ボタンを付ける | トップページ | おいしい林檎ジュース「希望の雫」@JAアオレン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/58647188

この記事へのトラックバック一覧です: 現役医師がガンで死ぬと言うこと CBT(認知行動療法)を自らに実践して記録する:

« ボタンを付ける | トップページ | おいしい林檎ジュース「希望の雫」@JAアオレン »