フィギュアスケート 本当の闘いはこれからだ
史上最高のメンバーが揃ったと言われる
全日本フィギュア選手権大会
が終わった。昨日の男子の結果は
1. 羽生結弦
2. 町田樹
3. 小塚崇彦
で、先ほど終わった女子の結果は
1. 鈴木明子(初優勝)
2. 村上佳菜子
3. 浅田真央
だった。そして五輪出場選手が発表された。
ペア 高橋成美/木原龍一組(団体戦のみ)
ダンス キャシー・リード/クリス・リード組
女子 鈴木明子 浅田真央 村上佳菜子
男子 羽生結弦 町田樹 高橋大輔←注目!
というわけで、
女子は表彰台の3人
男子3人目は小塚崇彦ではなく、ベテランの高橋大輔
という結果になった。
今夜行われた女子フリーで、鈴木明子は圧巻の演技を見せた。村上佳菜子も、今シーズンこれまでの不調がウソのように、昨日のSPと今夜のFSと両方をノーミスの演技で揃えた。二人とも
素晴らしい演技で五輪出場を勝ち取った
のだった。二人は
GPF出場を果たせなかった
代わりに、
演技の建て直しに時間を取る
ことができた。村上佳菜子は、点数の伸びなかった今シーズンの新SPを2年前のプログラム
ヴァイオリン・ミューズ
に戻して、全日本に挑み、そのチャレンジは見事成功した。もともとヴァイオリン・ミューズは評価の高いプログラムだったこともあり、思い切ったSP変更は大きなプラスに働いた。
一方、GPFで優勝を果たしている浅田真央の立場は異なる。
ほぼ五輪代表の座をつかんでいる
ので、この中から誰が出場できるか分からないという背水の陣で臨むわけではない。しかしながら
GPFまでの連戦で疲れが溜まっている
のは明かだった。今日の浅田真央は、普段に比べると、滑りが重く、本調子には見えなかった。滑走順も今ひとつ浅田真央に味方しなかった。最終滑走は、6分間練習より随分後になるため、一度温まった身体が冷えてしまう。直前に演技を終えた村上佳菜子の点数が出るのにも、予想外に時間が掛かった。身体はリンクの上で冷えていく。浅田真央は必ずしもいい状態でリンクに立てたわけではなかった。
今日は2回入れると決めた3Aも、どちらもクリーンには跳べず、1度目はOT、2度目はパンクして1Aになり手をついた。ジャンプの失敗は体力を奪う。そのせいか、いつもは入れられる3連続ジャンプが入らず、点数が伸びなかった。結果200点に僅かに足りない199.50という点数で3位に甘んじた。
五輪選考の発表の後、1人1人が抱負を述べるのだが、
フジは中継出来ずに放送を終了
した。
NHKニュースに全員の抱負が上がっている。
フィギュア 五輪代表選手が抱負
12月23日 23時0分フィギュアスケートのソチオリンピックの代表選手の発表のあと、選手たちはリンクの上で、選考会を観戦に訪れたファンに向けてそれぞれあいさつしました。
鈴木明子選手は「2度目のオリンピックでは自分のスケート人生の集大成として心を込めて精いっぱいの演技をしたい」と話しました。
浅田真央選手は「きょうは悔しい思いでいっぱいです。でも、この悔しさを忘れずオリンピックにぶつけたい。まだ1か月くらいあるので、そこで最高の演技ができるように頑張りたい」と話しました。
村上佳菜子選手は、「初めてのオリンピックなので、緊張してびびると思うけれど、応援してくれる人や先生などを頼って頑張りたいので応援よろしくお願いします」と話しました。
羽生結弦選手は「初めてのオリンピックということで緊張すると思いますが、すごくうれしいです。また一生懸命頑張っていきたい」と話しました。
町田樹選手は「自分はまだまだ未熟者だが、日本に素晴らしい選手がたくさんいるなか、オリンピックに出させてもらうので、自分を律して誠心誠意やっていきたい」と話しました。
高橋大輔選手は「いろんなことばを考えたけれど、なかなか思うようなことばが見つかりません。きのうはオリンピック出場を絶望していたが、こうして発表の場にいられて本当にうれしく思います。オリンピックでは今までのなまぬるい自分ではなく、追い込んで、日本代表として恥ずかしくない演技ができるよう頑張っていきたい」と話しました。ペアとアイスダンスの代表選手も
新種目の団体のメンバーとして、初めてのオリンピック代表に選ばれたペアの高橋成美選手は、「オリンピックでも自分たちのできることをしっかりやって、もっと成長した姿を見せられるように頑張ります」と話していました。
また木原龍一選手は、「ようやく実感が湧いてきました。自分たちは小さな力かもしれませんが、少しでも日本の力になれるように頑張ります」と話していました。
アイスダンスで2大会連続のオリンピック代表に選ばれたキャシー・リード選手は、「2回目のオリンピックに出ることができて、とてもうれしいです。強い意志を持ってオリンピックに行きます」と話していました。
また弟のクリス・リード選手は、「ここ何年も、けがのためにアップダウンが続いていましたが、応援ありがとうございました。オリンピックでも頑張ります」と話していました。
すでに出場がほぼ決まっていた浅田真央と羽生結弦にとっては
全日本選手権はあくまでも五輪出場の通過点の大会
だった。ただ、初出場の羽生結弦と違い、浅田真央にとってソチ五輪は
2度目の、自らのこれまでの集大成となる試合
である。シニアの大会では、15歳の頃からこれまで、
試合の中で3Aを跳ぶ
のが、浅田真央が自分に課してきた課題だ。バンクーバー五輪では、それを貫こうとして銀メダルに敗れた。来たるべきソチ五輪では
もう一度、3AをSP/FSで合わせて3回跳ぶプログラム
で
ジャンプだけでなく、3年間佐藤信夫コーチと磨き上げたスケーティング技術
を武器に、
ジャンプもスケーティングもどちらもすばらしい演技
を目指している。自ら言うとおり
この悔しさを忘れずオリンピックにぶつけたい。まだ1か月くらいあるので、そこで最高の演技ができるように頑張りたい
という気持ちで、浅田真央は、たゆまず準備を続けることだろう。今シーズンの浅田真央は
アスリートであることを超え
て、
1人の求道者
である。
浅田真央にとって
五輪は参加するだけの大会
ではない。
自分の信念を試す場
なのだ。
今大会で活躍した他の選手も、
一度、日本選手権に向けて持って来たピーク
を
これから建て直して、五輪でもう一度ピークを迎える
ことが必要となる。
目指す高みは、来年の2月だ。
ソチ五輪への本当の闘いは、これから始まる。
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