冬季五輪パズル フィギュアスケート編
極めて政治的なスポーツであるフィギュアスケートだが、
フィギュアスケートの国際的な人気度
は
欧米では長期低落傾向
で
日本はダントツ人気
という状況だ。
かつては
白人じゃないと優勝できないスポーツ
とまで言われていたフィギュアスケートだけど、最近は
マーケット拡大のためにも「優勝者の多様性」
が求められている。
優勝すれば、その国や地域、あるいは同人種や民族でファンが増える
からね。
ちなみに
ソルトレーク五輪のフィギュアスケート採点疑惑事件
があって以降、採点方法が改革されている。
トリノ五輪以降の金メダリストと国籍。
■トリノ五輪(ヨーロッパ)
女子 荒川静香 日本
男子 エフゲニー・プルシェンコ ロシア
ペア タチアナ・トトミアニナ/マキシム・マリニン ロシア
ダンス タチアナ・ナフカ/ロマン・コストマロフ ロシア
■バンクーバー五輪(北米)
女子 キムヨナ 韓国
男子 エヴァン・ライサチェク アメリカ
ペア 申雪/趙宏博 中国
ダンス テッサ・ヴァーチュ/スコット・モイア カナダ
基本的に五輪のフィギュアでは
北米 vs. ロシア
は、つねに緊張があるように見られていて、
北米開催のバンクーバー五輪ではロシア勢は金メダルゼロに終わる
結果となった。ま、若手の育成に失敗したとか理由はいろいろあるのだけれども
ロシアスケート界にとっては衝撃
だった。
来年は
そのロシアで開催されるソチ五輪
である。
ロシアとしては、何が何でもフィギュアスケートで金メダルが欲しい
ところだ。
ともかくも
アイスダンスとペアのいずれか
ではメダルを取りたいだろうし、できれば
男子か女子でもメダルが欲しい
だろう。
今年の世界選手権の順位で
五輪出場枠が決定
したのだが、シングルでは
ロシア男子 1
ロシア女子 2
である。ということは
国内で熾烈な五輪出場争い
を経ないとソチのリンクに立てない。
男子では
伸び盛りのコフトゥン(コーチはタチアナ・タラソワ) vs. 老雄プルシェンコ(コーチはアレクセイ・ミーシン)
が1枠を争い、女子では
アデリナ・ソトニコワ(17歳 コーチ エレーナ・ブイアノワ
エリザベータ・トゥクタミシェワ(16歳 コーチ スヴェトラーナ・ヴェレテンニコワ アレクセイ・ミーシン)
ユリア・リプニツカヤ(15歳 コーチ エテリ・トゥトベリーゼ セルゲイ・デュダコフ)
アンナ・ポゴリラヤ(15歳 コーチ アンナ・ザレバ)
の10代の少女4人がしのぎを削っている。
さて、そうなると、ISUにも大きな影響力を持つロシアとしては
■ソチ五輪(ロシア)
男子(出場枠は1獲得) 金なら最高、少なくとも表彰台
女子(出場枠は2獲得) 金なら最高、少なくとも表彰台
ペア(出場枠は3獲得) 金メダルが欲しい
ダンス(出場枠は3獲得) 金メダルが欲しい
って感じだよね?
シングルに限れば、ここ2大会
男子 ロシア(ヨーロッパ開催)→アメリカ(北米開催)
女子 日本(ヨーロッパ開催)→韓国(北米開催)
という流れなので、
ISUとしては、欧米で人気が長期低落傾向のフィギュアの流れを変える
ためには
できれば女子で「非アジア系の金メダリスト」が欲しい
ところなのではないか。
ロシア推し
になるかならないかって辺りか。いま挙げた4人いずれも
3-3をプログラムに入れてくる選手
で、かつ
伸び盛り
なので、ソチ五輪本番では
大化け
する可能性がある。
次回冬季五輪は
韓国・平昌五輪
だということを考えれば、ISUは
ソチ五輪では男女とも「非アジア系が望ましい」
くらいに思っているかもしれない。
とはいえ、こればっかりは
選手の出来如何による
わけだしな。
もう一つの要素は
ロシア開催
ということだ。
北米の選手はそれだけでハンディになる
だろう。実力のある選手だと
男子はP.チャン
女子はアシュリー・ワグナー、グレイシー・ゴールド(いずれもアメリカ)
辺りが北米を代表する選手とみてイイとおもうけど、ソチ五輪では点が出にくい傾向になるんじゃないのかな。
もっとも、各選手にはこうした
フィギュアの政治性
を
軽々と超えていく高レベルのスケート
を目指してほしい。てか
「不正採点疑惑」が再燃
したら
スポーツとしてのフィギュアスケートは終わってしまう
からね。
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