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2014-01-30

万能細胞STAP細胞は弱酸性溶液で生後1週間のマウスの細胞をリセット 小保方晴子研究ユニットリーダーの着眼点が凄い@1/30 Natureに掲載→2/5 早稲田の理工で講演会→2/5の公演予定がサイトから消える(補筆)

(補筆 1/31 3:50)
早稲田の理工での講演会だが、現在、該当する内容が、サイトから消えている。
予定に変更がある模様。
理工学部/大学院理工学研究科 講演会
(補筆終わり)

昨夜から今朝に掛けて、FacebookのTLは、この話題で持ちきりだった。
理研の発表。


2014年1月29日 独立行政法人理化学研究所体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見-細胞外刺激による細胞ストレスが高効率に万能細胞を誘導-

ポイント
細胞外刺激により体細胞を迅速に多能性細胞へ初期化する方法を開発
核移植も遺伝子導入も不要な多能性の獲得という新しいメカニズムを発見
初期化された多能性細胞はすべての生体組織と胎盤組織に分化できる

要旨
理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、動物の体細胞[1]の分化の記憶を消去し、万能細胞(多能性細胞[2])へと初期化[3]する原理を新たに発見し、それをもとに核移植や遺伝子導入などの従来の初期化法とは異なる「細胞外刺激による細胞ストレス」によって、短期間に効率よく万能細胞を試験管内で作成する方法を開発しました。これは、理研発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)細胞リプログラミング研究ユニットの小保方晴子研究ユニットリーダーを中心とする研究ユニットと同研究センターの若山照彦元チームリーダー(現 山梨大学教授)、および米国ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授らの共同研究グループによる成果です。

哺乳類の発生過程では、着床直前の受精胚の中にある未分化な細胞は、体のすべての細胞に分化する能力(多能性)を有しています。ところが、生後の体の細胞(体細胞)は、細胞の個性付け(分化)が既に運命づけられており、血液細胞は血液細胞、神経細胞は神経細胞などの一定の細胞種類の枠を保ち、それを越えて変化することは原則的にはありません。即ち、いったん分化すると自分の分化型以外の細胞を生み出すことはできず、分化状態の記憶[4]を強く保持することが知られています。

今回、共同研究グループは、マウスのリンパ球などの体細胞を用いて、こうした体細胞の分化型を保持している制御メカニズムが、強い細胞ストレス下では解除されることを見いだしました。さらに、この解除により、体細胞は「初期化」され多能性細胞へと変化することを発見しました。この多能性細胞は胎盤組織に分化する能力をも有し、ごく初期の受精胚に見られるような「全能性[5]」に近い性質を持つ可能性が示唆されました。この初期化現象は、遺伝子導入によるiPS細胞(人工多能性幹細胞)[6]の樹立とは全く異質のものです。共同研究グループは、この初期化現象を刺激惹起性多能性獲得(STAP)、初期化された細胞をSTAP細胞と名付けました。STAPの発見は、細胞の分化状態の記憶の消去や自在な書き換えを可能にする新技術の開発につながる画期的なブレイクスルーであり、今後、再生医学のみならず幅広い医学・生物学に貢献する細胞操作技術を生み出すと期待できます。

本研究成果は英国の科学雑誌『Nature』(1月30日号:日本時間1月30日)に掲載されます。
(以下略)


動画が2本、Youtubeで公開されている。


公開日: 2014/01/29
Lymphocytes exposed to low-pH conditions are reprogrammed to a pluripotent state within 3 days. GFP shows expression of pluripotency marker Oct4, which is activated within about 2 days. (Work carried out at RIKEN CDB by Obokata et al. Nature 2014)
酸性処理したリンパ球より初期化され、STAP細胞になってゆく最初の3日間の過程を­示します。緑色の蛍光は、Oct4という多能性細胞マーカー遺伝子が活性化しているこ­とをGFPタンパクの発現レポーターで示したものです。もともとGFPタンパクの蛍光­を発していないリンパ球が、2日程度で蛍光を発現しだすことが判ります。2014年1­月30日に行ったプレスリリースの関連動画です。
www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1/
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター細胞リプログラミング研究ユニット
小保方晴子研究ユニットリーダー



公開日: 2014/01/29
On injection into a mouse blastocyst, STAP cells contribute to embryonic development. Using tetraploid complementation, it is possible to generate chimeric mice in which 100% of the embryo's somatic tissues are derived from STAP cells. (Work carried out at RIKEN CDB by Obokata et al., Nature 2014)
STAP細胞をマウス胚盤胞(着床前胚)に注入して、仮親マウスの子宮に着床させ、発­生させたものです。マウス胚盤胞は、特別な処理(細胞融合による4媒体形成)により胎­盤にはなれるが、胎仔にはなれないものを使用しました。緑色の蛍光は、注入したSTA­P細胞由来の細胞であることを示します。胎仔全体がSTAP細胞由来であることがわか­ります。胎生10.5日胚。
心臓がよく動いており、生きていることを示します。
2014年1月30日に行ったプレスリリースの関連動画です。
www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1/
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター細胞リプログラミング研究ユニット
小保方晴子研究ユニットリーダー

理研の発表は、すごくわかりやすくて、
 優秀な中学生ならなんとか理解出来るレベルの書き方
なので、我と思わん小学校高学年以上の科学少年少女は是非上記リンクにアクセスしてトライを。

これは、非理系でも、今回の発表の意味が分かるように書いたダイジェスト版。
60秒でわかるプレスリリース

で、こちらがNatureに載った論文。
Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency
著者と掲載号の書誌情報。


Haruko Obokata, Teruhiko Wakayama, Yoshiki Sasai, Koji Kojima, Martin P. Vacanti, Hitoshi Niwa, Masayuki Yamato & Charles A. Vacanti

Nature 505, 641–647 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12968
Received 10 March 2013 Accepted 20 December 2013 Published online 29 January 2014

こちらが日本語要約。
細胞:外界刺激が誘導する体細胞から多能性細胞への運命転換

なんか
 機械翻訳っぽい
ですね。

今回の発表は
 弱酸性の溶液に生まれて1週間のマウスの細胞を25分間浸したところ、細胞がリセットされて、「万能細胞」になった
というもの。原理は
 細胞にストレスを与えると「初期化される」
という。上記理研の発表から。


また、酸性溶液処理以外の強い刺激でもSTAPによる初期化が起こるかについても検討しました。その結果、細胞に強いせん断力を加える物理的な刺激(細いガラス管の中に細胞を多数回通すなど)細胞膜に穴をあけるストレプトリシンOという細胞毒素で処理する化学的な刺激など、強くしすぎると細胞を死滅させてしまうような刺激少しだけ弱めて細胞に加えることで、STAPによる初期化を引き起こすことができることが分かりました。

この
 少しだけ弱めて細胞に加える
というところがポイントだな。原理は違うけど、
 パストゥールのニワトリコレラワクチン作成の実験(弱毒化した株を使う)
を思い出した。どうしてこうした
 細胞にストレスを与える
ことを思いついたかというのが、あちこちの新聞に載っている。ここは読売より。


論文一時は却下…かっぽう着の「リケジョ」快挙
(略)
 小保方さんは早稲田大理工学部を2006年に卒業後、高校時代から憧れていた再生医学の研究を開始。この年、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製したと発表した山中伸弥・京都大教授の講演を聞き、研究に打ち込む決意を強めた。刺激で細胞を変化させるという今回の成果につながるアイデアが浮かんだのは08年に留学していた米ハーバード大でのことだった。
 実験で極細のガラス管にマウスの細胞を通すと、予想より多い幹細胞ができた。「狭い場所を通る刺激がきっかけになったのではないか」と発想を転換して研究を続けた。

同じ現象には、小保方さんだけでなく、多くの研究者が遭遇していたのではないかと思う。もともと化学を学んでいたというバックグラウンドが、
 生物プロパーの研究者なら、見過ごしてしまう点
を見逃さなかった。山中伸弥教授のラボでも
 大学院まで全くバイオサイエンス研究の経験がなかった高橋和利・現講師の「逆転の発想」がiPS細胞完成
に導いた故事がある。

さすがに、
 生物学の常識では考えられない実験結果
なので、
 今回論文を載せたNatureが最初はrejectした
というのも、分からないではない。その辺りを上記読売の記事から。


 権威ある科学誌ネイチャーに論文を投稿したが、掲載は却下され、審査した研究者からは「細胞生物学の歴史を愚弄している」という趣旨のメールも届いた。肩を落とす小保方さんを、幹細胞研究の第一人者である笹井芳樹・副センター長(51)らが支援。データを解析し直し昨年3月、論文を再投稿。掲載が決まった。

まあ
 普通に生物学プロパーの研究者だったら、まず信じない
だろう。その点
 理研の周囲の年上の研究者が小保方さんをサポート
してくれたというのが良かった。てか、
 若い女性研究者の「アイデア」を潰さず、伸ばす研究環境が日本に存在する
というのは、実に素晴らしいと思う。大抵は、
 嫉妬と「思い込み」

 凄い研究の芽を摘み取ってしまう
ことが多いんだよね。

今後はまずは
 生まれて1週間という若い細胞ではなく、オトナの細胞でもうまく行くのか
が最初の壁だ。世界中でもう追試が始まっていることだろう。
実用化に向けては
 ヒトの細胞でも同じことが効率的にできるのか
という辺り。

ところで、小保方晴子ユニットリーダーなのだが
 2002年に始まった早稲田のAO入試第一期生
なのである。


早稲田応用化学会 2007年度給付奨学生からのメッセージ

小保方 晴子(常田研 M2)

 小保方晴子私は幼き頃より、研究者を志し、特に再生医療に強い興味を持っておりました。また、早稲田大学応用化学科にはAO入試と言う特別入試枠で入学いたしました。そのときの面接において応用化学科の先生方が私の夢に真剣に耳を傾けてくださったことに感激し、これまで目標を見失わず大学生活を過ごすことができました。今回の面接においても、応化会OBの代表である選考委員のみなさまが私の未熟な考えを温かく受け入れてくださったこと、このご恩を忘れず、日々の研究に更に精進してまいりたいと考えております。
 現在、応用化学科のOBである東京女子医科大学岡野光夫教授との共同研究の下、かねてから希望していた再生医療の研究を行っています。日々の研究生活は非常に充実しており、このような環境を与えてくださったOBのみなさまには感謝の気持ちが募る一方でございます。
 博士後期過程進学後は、応援してくださるみなさまのお心に応えるべく、また応用化学会の更なる発展に少しでも寄与できるよう日々努力してまいります。このたびは本当にありがとうございました。

大学院に進んでから、もともとやりたかった
 再生医療研究
を、早稲田OBの岡野光夫東京女子医大教授の指導下で始めたのが2006年。今回のアイデアを思いついたのは、ハーバード大学に留学していた2008年だということだから、
 若い内、早い内に優れたアイデアが生まれる
という
 理系の王道
を歩んでいることになる。

そういえば、東大・京大で
 推薦入試
を導入する予定なのだが、
 第一期生の中から、たぶん小保方さんのような優秀な学生が生まれる
だろう。これは
 どの大学でも第一期生には「型破りの人材」が集まる
からで、入試方法が知られるようになると
 万全な対策をして入学に備える
から、
 なかなか面白い学生は入ってこなくなる
のが、一般的だ。東大の推薦入試の条件が発表されてたけど
 あんなに厳しくするなら、海外の大学にも入学できるレベル
じゃないのかな。
 推薦で東大に合格したのを蹴る
というのは、日本の高校では許してくれなさそうなので、
 だったら、最初から海外の大学へ行く
選択になっちゃう悪寒。アメリカ等では
 いくつもの大学からオファーが来て、その中から自分で選択する
わけだから、東大の条件は、それに比べると良くないよね。

さて、マスコミに一つ注文。
 早稲田出身の若い女性研究者
というので、
 ただでさえ多いマスコミの「早稲田閥」が沸き立っている
のは分かるのだが
 小保方晴子ユニットリーダーの仕事は研究
であって
 マスコミ対応
じゃないので、その辺り、勘違いせず、研究の邪魔をしないで欲しい。

おまけ。
海外の報道。
BBC
Stem cell 'major discovery' claimed

The Independence
Stem cell breakthrough: Japanese scientists discover way to create 'embryonic-like' cells without the ethical dilemma

The Scientist
New Method for Reprogramming Cells

TIME
Growing Your Own Tissue: Just Add Stress and Stir

USA Today
Researchers turn adult cells back into stem cells

さらにおまけ。
2/5に早稲田の理工学部で、小保方晴子ユニットリーダーの講演会が開かれる。


理工学部/大学院理工学研究科 講演会
2014/2/5(水) (14:40-15:20) [50- 先端生命医科学センターTWIns 2- ラウンジ]
演題: 幹細胞性と可塑性
講師: 小保方 晴子 (理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 細胞リプログラミング研究ユニット 研究ユニットリーダー)
対象: 学部生、大学院生、教職員、一般
主催: 【大学院】 先進理工学研究科 生命医科学専攻

一般のヒトも聴きに行けるみたいだけど、この発表の後なので、凄いことになるかもね。
Facebookでも友人と講演会の話題になった。ここは
 streaming希望
だな。やるよね?早稲田。

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