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2014-02-10

ソチ五輪 プルシェンコ讚

バンクーバー五輪に、プルシェンコが出場を決めたとき、わたしは涙した。というか、プルシェンコに心を寄せる人は皆、涙したと思う。
その時の話はこちらに。
2009-10-26 GPシリーズ ロシア杯 プルシェンコの帰還 浅田真央はGPFに出ない方が五輪シーズンには吉→NHKスポ報は現在進行している浅田真央のNスペ用密着取材を縁起が悪いから辞めてくれ
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/10/gp-gpf-dd1c.html
そして、プルシェンコは
 4回転ジャンプを跳ばなくても優勝できる男子フィギュアの当時の状況
に対し
 軽々と4回転ジャンプを決め、男子フィギュアのその後の趨勢を変えた
のである。その話は以下に。
2010-03-07 ソチ五輪 ロシアが本気でやってくる
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2010/03/post-7e84.html

満身創痍のプルシェンコは2位に甘んじたものの、いま、
 男子で4回転ジャンプを跳ばない選手

 ほぼ上位入賞は望めない状況
に変わった。バンクーバー五輪当時、女子で、プルシェンコと同じ
 難しいジャンプをプログラムに入れて挑戦する選手の筆頭

 3Aを跳ぶ浅田真央
だった。女子の場合は、後に続く選手が出ず、残念ながら、バンクーバー五輪当時と同じ状態が続いている。

さて。
 バンクーバー五輪当時でも、氷の上で演技するのが奇跡的
だったプルシェンコだが、地元ソチで開かれる五輪を前にして昨年
 腰を痛め、大手術を受けた
のだった。
 もう2度と氷の上でプルシェンコを見ることはないのではないか
 滑るとしても、競技には出られないのではないか
そうした不安を、プルシェンコが吹き飛ばしたのが昨年11月。
2013-11-16 お帰り、プルシェンコ
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2013/11/post-b2f6.html

ところが、五輪選考の鍵となる
 ロシア選手権大会
で、
 プルシェンコは、若手のコフトゥンに敗れ2位
となった。
これに先立つ2013年の世界選手権は
 五輪出場枠を決める大事な大会
だったのだが、10位以上でなければ2枠にならないのに
 コフトゥンが17位に沈み、ロシア男子は1枠
となっていた。
 コフトゥンかプルシェンコか
どちらを五輪に出すのか。形勢はプルシェンコ不利と見えたのだが、続く
 ヨーロッパ選手権でコフトゥンが再び5位に沈む
という、ふがいない結果に終わった。
 大きな大会に弱い
コフトゥンの弱点は、五輪直前になっても克服されていない。危機感を覚えたロシアの関係者は
 非公開の審査
を行い
 老雄プルシェンコがロシアの五輪代表に選出
されたのである。

プルシェンコは偉大だ。
偉大な上に、
 ヘンタイ(褒め言葉です)
である。いまはおじさんだが、
 美少年キャラ
で通してもイイ頃から
 Sex Bomb(ググってみてください)
という
 ヘンタイエキシプロ
を踊り、競技本番では
 誰もできないようなステップ
を踏み、
 競技会で転倒することは非常にまれ
である。そして、一部マニアに
 プルグラム
と揶揄されるように
 ぶった切りの編曲で、要素を詰め込んだ演技
をする。
 プルシェンコ以外の誰も出来ないし、許されない演技構成+編曲
なのだ。

で。
 大手術を受けたプルシェンコが団体戦に出る
と言いだしたとき
 まさか、SP/FSの両方出るわけじゃあるまいな
と思った。思ったが、
 今回のフィギュア団体戦のSP/FSの両方にプルシェンコは出場し、高得点を得た
のである。

まだ、ソチ五輪の開会式も行われていない2/6から
 フィギュア団体戦
は始まった。
2014-02-06 ソチ五輪 フィギュア団体 男子SPとペアSDは今夜
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2014/02/spsd-3f1e.html

昨年、競技実績のなかったプルシェンコは、第一グループで滑走する。
縁起担ぎか、無精鬚を伸ばしたプルシェンコが、大歓声の下、氷に降りた。その途端
 プルシェンコは場を支配した
のである。明らかに雰囲気が変わった。
プルシェンコは、身体を絞ってきていた。いつになく細身になって、アスリートらしくなっている。SPの曲は、ロクサーヌのタンゴ。プルシェンコが得意とするプログラムだ。
戦闘意欲を漲らせたプルシェンコは、軽々と4T-3Tの連続ジャンプを決める。軸はやや曲がったりするのだが、確実に降りる。
さらに、手で足をつかんで
 キャッチフットレイバックスピン
を見せる。内心、悲鳴が上がる。腰は大丈夫なのか。
そんな外野の心配など、まるで無視して、プルシェンコは、SPを滑り終えた。
 91.39(TES 48.18/PCS 43.21)
堂々の復帰戦だ。途中の振り付けで
 観客を煽る部分
があるのだが、この日もきっちり煽り、大歓声の中、見せ場の
 ヘンタイ(褒め言葉です)ステップ
を踏んでいった。

そして今日未明。
団体戦男子FSに、またしてもプルシェンコは登場する。
皇帝プルシェンコの登場に、会場の熱狂はいやが上にも高まる。轟轟と拍手が鳴り、歓声が起きる中、プルシェンコはいつも通り、平静な表情を保って、氷に立った。曲は
 Best of Plyushchenko
すなわち
 過去の五輪でプルシェンコが演技した曲を継ぎ合わせた編曲
で、
 自分自身の手で「プルシェンコ名場面集」を演技する内容
なのだ。これが
 ヘンタイ
じゃなかったら、なんだ???てか
 FSでやらない
だろう、普通。やるとしても
 エキシプロ
だろう、プルシェンコ。これを
 自他共に許す
のが、プルシェンコのプルシェンコたる所以だ。

今日は2回予定していた4回転ジャンプを1度にし、連続ジャンプにもしなかったけれども、
 168.20 81.48 86.72
の堂々たる点数で1位となった。さすがに、後半バテバテだったのは、年齢と身体の状態を考えると致し方ない。
途中で、やはり
 人差し指を口に当てて、歓声を静めてステップに入る
など、
 氷の上の皇帝は会場を支配
していた。

プルシェンコとリプニツカヤの活躍で
 最後のアイスダンスを待たずに、ロシアの優勝
が決まった。
毎日にこんな記事が載っている。
五輪フィギュア:ロシア興奮 大統領、プルシェンコと抱擁

国民的英雄プルシェンコが、文字通り
 祖国ロシアのために粉骨砕身して得た金メダル
が、今回の
 フィギュア団体金
だ。

しかし、
 本当にプルシェンコは男子シングル

 出られる
のか?
 男子シングルFSが終わった直後に死ぬ覚悟
で、競技に臨んでいるのではないか。

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コメント

(´;ω;`)ウウ・・・ジェーニャ、ありがとうっっ
もう充分です。
ソチは貴方で始まった。
シングルは思い切りオリンピックを楽しんでください。
少年時代から貴方を追い続けてきた私たちは、オリンピックで滑る姿が見られるだけで至福です。
でも貴方はまだ挑戦し続けるつもり。
ここまでハラハラ一挙手一動を見守ってきましたが、もうここまできたら開き直って私も楽しんじゃおう~~

投稿: じじ | 2014-02-11 11:42

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