ソチ五輪 さらば、プルシェンコ
悪い予感は当たった。
いま競技が続いている
男子フィギュアSP
の第2グループ1番滑走は
エフゲニー・プルシェンコ
の筈だった。
今朝の練習から、プルシェンコはほとんど滑っていない。
演技前の6分間練習で、アクセルジャンプを跳んだ後、プルシェンコはバランスを崩した。明らかに腰の具合がおかしい。その後、もう一度アクセルを跳ぼうとしたが、ジャンプの形にならない。
もう腰は保たないだろう。
プルシェンコが、フィギュア団体戦でSP/FSの両方に出たとき、うっすらと悲しい予感はあった。
あれだけの大手術。
あれだけの厳しいリハビリ。
何度も身体にメスを入れ、そのたび、少しずつアスリートに必要な関節の可動域を失いながら、プルシェンコはそれでも氷に戻ってきた。
でも。
今回は違う。
プルシェンコは、先ほど、ほぼ間違いなく、競技人生を終えた。
名前を呼ばれる前、子どもの頃からプルシェンコを指導しているミーシンコーチと何やら話し合っていた。プルシェンコの表情から察するに、よい話ではない。
そして、プルシェンコは、ジャッジ席に向かって滑っていった。端にいた審判と言葉を交わし、もう一度リンクの真ん中に戻り、一礼した。
棄権。
プルシェンコのソチ五輪は終わった。
最後に手にした団体での金メダルが、プルシェンコの競技人生の花道を飾った。
あるいは、プルシェンコの今回の振舞をエゴと非難する向きもあるだろう。
でも、満身創痍、最後の力を振り絞って、祖国ロシアに、2大会振りの金メダルをもたらすため、プルシェンコは氷に立ったのだ。
さらば、プルシェンコ。あなたの闘いは終わった。
ゆっくり身体を休めて欲しい。
続き。(3:24)
NHKニュースより。
フィギュア プルシェンコが棄権 引退へ
2月14日 2時53分ソチオリンピック、フィギュアスケート男子シングルの前半、ショートプログラムで、前回、バンクーバー大会銀メダリストのロシアのエフゲニー・プルシェンコ選手が棄権しました。プルシェンコ選手は練習で腰を痛め、現役を引退する考えを明らかにしました。
棄権したプルシェンコ選手は「きのうの練習でジャンプを降りたときに腰を痛め、きょうの試合前の練習で3回転ジャンプをしたら腰の痛みが悪化し、無理だと思った。オリンピックよりも体を選んだ」と棄権した理由を説明しました。
そして、「こういう形で自分のキャリアを終えるのは残念だ。もう少し違う終わり方にしたかったが、神様にこれ以上は無理だと言われた気がする」と話し、現役を引退する考えを明らかにしました。
今後については「アイスショーに出たり、ビジネスをしたりしたい」と話しています。
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