医療崩壊 NICU当直1000泊目 労基法違反の上に過労死まっしぐらのこんな勤務形態が続けば医師は現場からいなくなる
畏友網塚貴介医師が
NICU当直1000泊目
だとか。網塚医師の勤務する「青森県立中央病院新生児科」blogの記事より。
NICU当直1000泊目!
2014.05.09当院NICUは2001年4月に開設され、早いものでもう丸13年になります。NICU開設以来の私の当直回数を調べたところ、昨夜がどうやら1000泊目のようです。1000泊達成までに13年と1ヶ月(≒365日×13年+30日=4775日)ですので、これを1000日で割ると平均して約4.8日に1回の割合でこの13年間当直していたことになります。
(略)
しかしこれからを考えると、もうこんな馬鹿げた勤務体制は我々の世代でそろそろ終わりにしなければとも思います。労基法どころか過労死基準さえ軽くクリアするような勤務条件に辛うじて支えられるような医療に持続性などあるはずがありません。少なくとも当科に関しては、計画的な人材育成によって将来的に安定性のある医療提供体制をしっかり構築してから、次世代にバトンを渡したいと考えています。
(以下略)
嗚呼、網塚くん、毎日お疲れ様です。同期には、網塚医師と同等かそれ以上しんどい勤務条件で働くやはりNICU勤務のNくんもいる。同期生達が心で思っているのは
過労で死ぬな
である。
命を守る現場で、
最も命を守られていない
のが
医療スタッフ
という皮肉。
網塚医師が危惧するとおり
こんな勤務状況が改善もされないまま運用され続ける
ことが
許されて良いはずはない
のだ。
周産期医療の周辺は
産科もやはり死屍累々
だ。
救急も然り。
同期で医師になった内、すでに2人が亡くなっている。
1人は当直明けの交通事故死(恐らく事故の原因は過労)
1人は激務の中、発見が遅れて病死(小児科が薄い地域で総合病院小児科勤務)
だ。
少子高齢化が進むということは
病院にかかる高齢者の数が激増する
反面、
少子化で医師のなり手が減っていく
ということだ。現在でも
男性医師であってもしんどい現場
は、当然ながら、ずっと増えている
女性医師が働きにくい環境
だ。厚労省は、あまり言いたくないようだが
次世代の医師が働き続けることが出来るか
どうかは
医療の要求水準をどうするか
に掛かっている。
医療水準を下げて、増加する患者のアクセスを容認
するのか
患者のアクセスをコントロールして、医療水準を維持
するのか、遠くない内に
国は腹をくくらないといけない状況
になっているのは確かだ。でも
選挙権を持ち、投票行動で意思を示すのは高齢者
なのだから、政権与党は、当然
有権者の歓心を買う
ために
医療水準は今のままでアクセスも制限しない
と
言い続ける
しかないんだろうな。
網塚くん、この文章を書いていたら、涙が出てきてしまったよ。
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コメント
HPへの掲載ありがとうございました。医師の当直回数としては確かにそんなに飛び抜けて多い方ではないと思っています。でもちょっと期間が長すぎますかね。年齢的には40歳から53歳までの期間です。
確かに誰も助けてくれませんから、ここから抜け出すには自己努力以外ありません。現在、2名を国内留学させており、再来年に「満期」を迎えます。うちの人材育成に関しては今年1月に高知で講演させていただいた内容をブログにもアップしています。ご覧いただければ幸いです。
http://aomori-nicu.jp/2331
投稿: 網塚 貴介 | 2014-05-11 13:19