道民の「胃袋」
年代にもよるだろうけど、古くから北海道に住んでいる人のお家にお邪魔すると、
ご飯食べて行きなさい
と言われることがある。こちらの意向を尋ねてくれるなら、まだましな方で、あまり親しくない関係(初めて訪問した等)だと、
いきなり、目の前に一回分の食事が出る
ことすらある。内地(津軽海峡以南)での
お茶とお茶請け
の感覚で食事が出てくる。それも
お客用の気取った食膳
ではなく、
普段、家族が食べているあり合わせのもの
だったりする。ただし、ご飯はごっそり盛られているのがデフォルトだ。
開拓地で、広い北海道のこと故
お客をもてなすやり方
が、
遠い土地をはるばる尋ねた客人へのもてなし
と似ているところがある。実は、
まず食事
というのは、簡略バージョンで、
お風呂入りなさい
から始まるのが正式。
午後以降の客人
には、風呂を勧めるのが古い慣習で、これは内風呂が普及してなかった頃は内地でも同様だったろう。客用の着替え・湯道具等は普段から用意してある。
で。
ご飯食べて行きなさい
と言われたときに
一体道民はどのくらいをデフォルト
としているかがわかりやすいtweetがあったので、@kusare30さんのtweetをお借りすることに。久々に実家に帰ったら、お母様が歓待というシチュエーションだとか。
いずれも朝食の写真で、さすがに
道内でも朝食としては超大盛り
だけど、昼以降なら、これはデフォルトでもおかしくない量。
これは昨日の朝飯。朝からザンギ(北海道では唐揚げ改をザンギと呼ぶよ)を揚げ、カレーを高校生が食べるくらいの量を盛り、トマトが美味いからとひとり一個切り、何故にそんなに好きなのか福神漬がカレーショップの壺くらいにある。 pic.twitter.com/4DmViQuY8Y
— 腐れ30男。 (@kusare30) 2014, 10月 25
トマトが美味いからとひとり一個切り
というのは、道民の食卓では、割とデフォルトではないか。てか、内地に来てから、
トマトは一人一個じゃないことが往々にしてある
ので驚いた。
実家三日目最終日の朝飯。北海道民はいくらと納豆の区別があまりついてないのではと思うほどにダクダクにいくらをぶちこむ。 pic.twitter.com/cVHvB96xov
— 腐れ30男。 (@kusare30) 2014, 10月 25
北海道民はいくらと納豆の区別があまりついてないのではと思うほどにダクダクにいくらをぶちこむ。
というのはその通りで、時々
「こぼれイクラ」をウリにしている寿司屋や北海道物産展の弁当
があるけれども、
だから何
なのだ。てか、
なんだか貧乏くさいね
と道民は見ている。腹一杯イクラを食べたいなら、丼で別にイクラだけ盛って食べる方が潔い。
丼イクラ
は、北海道料理を標榜する、まあまあなお店なら、時期になると、コース料理に含まれているんじゃないかな。別バージョンとして
正月の数の子を、切らずにそのまま一人で何本もボリボリ食べる
というのも。もっとも、数の子一気食いは、大人はあまりやらない。大体、小学生のころに一回はやってみるんじゃないかな。その後もやるのは、数の子が好きな人。で、正月の親戚回り等で
誰それは数の子が好物だ
というのが知れ渡っていると、行く先々で
ほら、お前の好きな数の子用意しといたから、食べて帰れ
と、それこそ丼一杯に、切ってない数の子がたっぷり盛られて出てくる。あまり箸が進まない様子だと
どうした、遠慮しないで食べれ
とだめ押しされる。で、残すと
汁が漏れないように包んだから、持って帰りなさい。
と、先ほど盛られた量より更に大量の数の子を漬け汁に浸した状態で入れた容器を渡される(大抵、タッパー+ラップ+ポリ袋の上にスーパーの袋の重装備)。
好きな物を腹一杯食べさせる
のも、北海道のもてなしの基本だ。
こんな調子なので
道民は内地だと大食だと思われる
こともある。食べる量と飲む量は比例しがちなので、本人は大して飲んでないつもりでも
大酒飲み
と思われることすらある。ちなみに、前にも書いたが
沖縄に行ったら、道内と盛りが一緒で感激
した。沖縄の人もよく食べ、よく飲む。
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