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2015-09-20

ラグビーW杯2015 日本 2度の優勝を誇る南アフリカを撃破

「まさか、日本が南アに勝つなんて」
世界中のメディアが驚愕している。さっき、イギリスのTelegraph紙のインターネット投票をちらっと覗いたら
 日本が勝つとは思わなかった 98%
 日本が勝つと思った 2%
と、圧倒的に
 日本不利
と見ていた人が多数で、他のメディアを見ても、数が多少前後こそすれ
 日本が勝つとは、なんてこった
という意見がほとんどだった。
それほど、日本の勝利は期待されていなかった。

その気持ちは痛いほど分かる。
日本人でも、
 南ア戦は「捨て試合」
と見ていた人が少なくないのじゃないか。

95年のW杯南ア大会で、日本はオールブラックス(NZ)戦で
 145-17
という、史上最悪の惨敗に終わり、
 アジアからW杯にチームを選抜する必要はないんじゃないか
という議論を巻き起こすほどの低調ぶりだった。あの試合をわたしも見ていたのだが、目を覆うような戦況で、すでに決勝進出を決め、控えが中心のオールブラックスが、赤子の手を捻るような試合運びで、トライの山を築いていった。
まあ、この当時の日本代表の小薮監督の方針は、前任者宿沢監督のやり方から「後退」したとしかわたしには見えなかったので、残念ながら、負けるのは当然ではあったのだが、それにしても、負け方が酷かった。

日本人はWorld Rugby(IRBから昨年改称)の中では
 体格が際だって小さい
のが特徴だ。ラグビーの戦術から見れば
 軽くて、低い
わけで
 フォワード戦では重くて背が高い方が有利(スクラムやラインアウト)
だから、どうしても
 押し負ける
のである。では、
 軽くて、低い
という「欠点」を長所に変えるとしたら
 速くて、自在なバックスの展開(走力 パスとキックの正確性)

 低く、相手に確実に刺さり込むタックル
が必要になる。少なくとも、95年の「ブルームフォンテーンの悪夢」を克服するためには、かつての宿沢ジャパンが目指していたこの方向性を磨く必要があったのだった。

さて、今朝、奇蹟の勝利を呼び込んだエディー・ジョーンズ ジャパンだが、かつて宿沢ジャパンが目指していた方向性を、更にブラッシュアップした形でこの4年間メンバーに課し続けていた。
 低く、確実なタックル
 変幻自在なステップを織り交ぜたバックスの展開
 タイトで、確実なスクラム
などなどである。これをエディー・ジョーンズHCは
 JAPAN WAY
と呼んでいる。
 日本人の特質を十二分に発揮するラグビー
が、今朝、南アに勝利するという形で実を結んだのである。

更に言えば、
 フィールドは、途中から日本への応援が増えていた
のである。何故、増えたか。それは、
 日本の方が、スプリングボクスよりも、より「勇気」ある試合をしていた
からだ。
試合の分かれ目は73分、所謂
 後半の後半
だった。五郎丸のPGで同点とされていたスプリングボクスが、
 PGを選択した
のである。スタンドはブーイングの嵐となった。
 のこり7分、3点とって置けば、日本は振り切れる
そう考えたのだろう、後半18分にSOのランビーと交替していたポラードは、PGを蹴った。3点差。32-29。
かつての日本代表であれば、ここで力尽きていたかも知れない。今朝、世界中のラグビーファンのほとんども、そう考えただろう。
しかし、日本代表は、勇気を奮い立たせた。
普通ならばててしまう、後半の後半の更に後半という深い時間に入っているのに、日本の攻撃も防御も一向に緩まない。
王者スプリングボクスは、得体の知れない日本の底力に、明らかに焦りを強くしていた。焦りは平常心を失わせる。
試合終了間際の79分、とうとうスプリングボクスの緊張の糸が切れた。フォワード第1列の3番(右PR)のウェストハイゼンがシンビンへ送られる。スプリングボクスは1人足りない人数で日本と闘うこととなる。それでも
 スプリングボクスなら、日本をやり過ごすだろう
と、世界中のラグビーファンのほとんどは見ていただろう。
試合終了は40分だが、シンビン等があったので、若干延びた。
日本のスクラムは、崩れ落ちない。
そして、相手側ゴールライン近くまで攻め入ると、PGならば、同点という場面で果敢に次の攻撃を選択した。フィールドは歓声に満ちる。スプリングボクスファン以外は、日本を応援していたのではないか。
44分、ヘスケスがトライを決める。
徹頭徹尾、勇気をもってプレイを続けた日本は、24年振りの勝利を、王者スプリングボクスから得たのである。

より勇気に勝るチームを、スタンドも応援していた。ここイギリスはラグビー発祥の国なのだ。

おまけ。
あの東スポの1面がラグビー。
どんだけ凄いんだ、この勝利は。


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コメント

映画「インビクタス」で感動したわたくしですが、あのスプリングボクスに日本が勝ったとは、今も信じられません。日本人も捨てたもんではありませんね。

投稿: suzan | 2015-09-21 10:06

suzan先生、コメントをありがとうございます。
痺れる試合でした。この試合を伝えていた世界中のメディア(たぶん南アを除く)が、試合終了時間が近づけば近づくほど、ボルテージが高まっていました。

投稿: iori3 | 2015-09-21 10:22

ラグビー大好きな男です。試合中目が潤んで家族にみられたらどうしようと言う気持ちで見てました。ラストのペナルチーでスクラム選択した時はとうとう泣いてしまいました。勝利の瞬間はただただ感動してしまい、嫁を起こしに行ってしまいました。ラグビー好きには興奮の夜だったと思います。

投稿: 田舎の大工 | 2015-09-30 22:50

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