岩波現代文庫が、講談社学術文庫と比べて、とっても不親切な点
岩波の現代文庫なのだが、惹句に次のように書いてある。
20世紀後半以降に刊行された名著を現代に甦らせ、21世紀に生きる術をそこから見出してほしいという願いが込められています。
つまり、現代文庫に収録されている作品は、岩波のオリジナルとは限らない。従って、広告やカタログに、
元になった書物の情報
が必要だと思うのだけれど、
9月の新刊
を見ても、その中の1冊からリンクされている
詳細情報
を見ても
元本の情報が全く書かれてない
という素晴らしさだ。
大岩波から出すんだから、元の出版社だの、刊行の年月日だの、そんなのはどうでもいい
というステキな判断なのか、岩波?
岩波の現代文庫と同じように
元は他社の出版物を含む講談社の学術文庫
では事情は違う。
たとえば、今月出たばかりの辻惟雄先生の
若沖
があるのだけれども、その紹介ページの末尾には
初出:本書の原本は1974年、美術出版社より刊行されました。
と、ちゃんと明記してある。
どっちの態度が
オンライン書店などで買おうとしている読者により親切
かは、言うまでもあるまい。てかさ〜、
似たようなタイトルの書籍を複数出版している著者
などの場合
どれがまた出版されたんだ
というのが、岩波のやり方だと、手に取るまで全く分からない。今の時代、誰でも岩波の書籍を書店で実際に触れるわけじゃないでしょ。講談社学術文庫のように、初出を明記してくれれば、間違った書籍を買わずに済む。
これだけ、街の本屋が潰れ、岩波の出版物を常時置いているような
良心的な書店が減っている
というのに、岩波は大多数の読者に歩み寄るつもりはないようだな。
ウチの書籍を常時置いてる大型書店or生協書籍部の顧客
か
岩波と名が付けば、なんでも買ってくれる読者
だけを相手にするつもりなら、しょうがないですな。
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