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2016-02-03

ジカ熱 じわじわと感染地域を拡大 渡航歴のない患者は感染者の精液から感染した可能性が

中南米で大流行している
 ジカ熱
は、蚊が媒介する
 ジカウイルスによる感染症
で、原因はよく分かってないのだが
 妊婦がジカ熱に感染すると、胎児が小頭症になる危険性が高くなる
ことが知られている。
いまのところ
 治療法
もなければ、
 有効なワクチン
もない。予防法は唯一
 蚊に刺されないようにする
ことである。

現在、ブラジルでは、4000例を超える小頭症の赤ちゃんの症例が報告されている。
Reuterより。


2016年 02月 3日 10:34 JST ブラジル、ジカ熱関連の小頭症4000事例超える=保健省

[ブラジリア 2日 ロイター] - ブラジル保健省は2日、蚊が媒介するジカ熱との関連が確認された、ないし関連が疑われる小頭症の事例1月30日時点で4074例と、1週間前の3718例から増えたことを明らかにした。
世界保健機関(WHO)は1日、ジカ熱について、公衆衛生上の緊急事態を宣言している。

小頭症は、胎内で脳の発達が妨げられて、極端に頭が小さくなる先天性の病気で、生まれて来た赤ちゃんには、知的障碍や運動機能障害などのトラブルが起きることが多い。
そのため、世界保健機構(WHO)は2/1付で、ジカ熱に関する緊急報告を出した。CNN.JPより。


WHO、ジカ熱で「公衆衛生上の緊急事態」を宣言 2016.02.02 Tue posted at 09:55 JST

Zikamapfeb1(地図はCNNより転載)

(CNN) 世界保健機関(WHO)は1日、中南米などで急速に感染が広がる「ジカ熱」について、「国際的な懸念の対象となる公衆衛生上の緊急事態」だと宣言した。
ジカ熱は蚊が媒介するウイルス性疾患で、妊婦が感染した場合に胎児に「小頭症」という先天異常が起きたり、患者が神経難病のギラン・バレー症候群を併発したりする例が報告されている。
こうした因果関係はまだ立証こそされていないが、WHOは感染地域が広いとみられること、ワクチンや検査法がまだ開発されていないこと、米大陸などの人々の多くに免疫がないことを理由に、緊急事態宣言に踏み切った。
WHOは同日、ジュネーブでこの問題をめぐる初の緊急委員会を開催。マーガレット・チャン事務局長は委員会終了後、現状が緊急事態に該当するとの結論に達したと発表した。
WHOは先週、米大陸でこの1年間にジカ熱感染者が300万~400万人に達したと推定され、ウイルスは「爆発的に広まっている」との見方を示していた。

日本の厚労省もすぐさま2/2付で国内の対策を発表している。厚労省のサイトより。


ジカウイルスと小頭症などの増加に関するWHO緊急委員会報告について
昨日(1日)、ジカウイルス流行地域における小頭症と神経障害に関する WHO 緊急委員会が開催され、別添のとおり、小頭症及び神経障害の集団発生に関する「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」 (Public Health Emergency of International Concern(PHEIC)) が宣言されました。

《宣言の概要》
(小頭症・神経障害への対応)
・特にジカウイルスの伝搬が観られる地域及びそのリスクのある地域において、小頭症及びギランバレー症候群に関するサーベイランスの標準化及び強化
小頭症及び神経障害の集団発生について、ジカウイルス及びその他の因子等との因果関係に関する研究

 上記対応に加え、妊婦等へのジカウイルス感染対策を進める必要性から、予防的措置として、
(1) ジカウイルス感染症のサーベイランスの強化等の流行対策
(2) ワクチン、治療法及び診断法に係る研究開発等長期的対策
(3) 流行地域への渡航者に対する注意喚起等
(4) 情報共有

《今後の日本の対応》
1 感染症法及び検疫法への位置づけ、届出基準等の検討(政省令改正)
2 日本医師会を通じ、臨床情報を医療機関等へ周知
3 自治体及び検疫所における検査体制の整備
4 蚊媒介感染症の対応・対策の手引き(自治体向け)と医療機関向けの診療ガイドラインの改訂
5 自治体及び医療関係者向けの研修会の開催
6 治療・予防法の研究開発

以上に、WHOの報告原文が添付されている。
WHO statement on the first meeting of the International Health Regulations

今回問題視されているのは、上記にあるように
 ジカウイルスが引き金となると思われる先天的疾患の小頭症及び患者に起きることのあるギランバレー症候群の集団発生
である。これまで知られていなかった事態が起きている。

現在の流行は、上記、CNNの地図が示すように中南米が中心だが、接する北米地域にも脅威は及びつつある。
今日、とうとう、
 感染地域に渡航歴のないテキサス州の住民がジカ熱に感染した
との報道があった。原因は
 性的接触

 ジカウイルスに感染した男性の精液に接触したことで感染
したと見られている。CNN.JPより。


性的接触によるジカ熱感染例を確認 米テキサス州 2016.02.03 Wed posted at 10:34 JST

(CNN) 米テキサス州ダラス郡の保健当局によると、主に蚊が媒介するといわれるジカ熱について、性的な接触で人から人へ直接感染した例が確認された。
郡当局によると、この患者は今年、ジカ熱を発症している交際相手と性的な接触を持った後で感染が確認された。交際相手は流行国の南米ベネズエラを訪れて帰国したばかりだったが、本人は同国へ渡航していなかった
確認にあたった米疾病対策センター(CDC)はCNNへのコメントで、検査の結果、渡航歴のない患者の血液からジカウイルスが検出されたと述べた。
CDCはこの結果に基づき、ジカ熱の予防法に関する指針を修正。「蚊に刺されないようにすること」に加えて、「ジカウイルスにさらされたり発症したりした人の精液に触れないこと」を最善の予防法に挙げた。当面の対策として、コンドームの使用を呼び掛けている。
CDCのフリーデン所長は2日、テキサス州の発表に先立つCNNとのインタビューで、「輸血や性的接触による感染例も単独では報告されている。ウイルスは患者の血液中に約1週間とどまるが、精液中に残る期間については現在調べているところだ」と話していた。一方で「蚊を介した感染が大半を占める」とも述べていた。

ジカ熱と性交渉の関連を示す例は、過去に2件報告されていた。2013年に仏領ポリネシアで流行した際、タヒチ島に住む44歳の男性の精液と尿の中にジカウイルスが見つかった。この男性の血液中からウイルスは検出されなかった
08年には、米コロラド州の微生物学者渡航先の西アフリカ・セネガルで感染し、同行しなかった妻も数日後に発症した。
CDCによると、出産中や実験中の感染例も記録にある。ジカウイルスが母乳から検出されたこともあるが、授乳による母子感染は確認されていない

現在、感染源と考えられているのは
 ジカウイルスを保有している蚊→刺されると感染
 ジカウイルスに感染した男性の精液→性的接触で感染
の2つだ。

性的接触によるジカ熱感染に関するCDCの報告は
Didier Musso, Claudine Roche, Emilie Robin, Tuxuan Nhan, Anita Teissier, and Van-Mai Cao-Lormeau (2015) "Potential Sexual Transmission of Zika Virus" Emerging Infection Diseases Journal, Volume 21(2)
DOI: 10.3201/eid2102.141363
に。

航空網の発達している現代では、飛行機がジカウイルスを保有している蚊を運ぶ。今日付のNewsweek Japanより。


豪でジカ熱感染者2人、空港でウイルス保有の蚊を発見 2016年02月03日(水)11時13分
[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の保健当局は2日、ハイチから帰国した2人がジカ熱に感染したと診断された、と発表した。オーストラリアでジカ熱感染者が確認されるのは今年になって初めて。
この2人はシドニーに居住するカップルで、診断されたのは先月29日。症状は軽微で、すでに回復しているという。
また当局によると、シドニー国際空港でジカウイルスを持つ蚊が発見された。ただ、同州ではジカウイルスを媒介するネッタイシマカの生息数は少ないため、感染の拡大は考えにくいと強調した。

もし、日本に今、ジカウイルスを保有する蚊が飛行機に乗ってやって来ても、寒すぎて生存は難しいだろうが、中南米での感染拡大から推すと、春以降、日本でも油断は禁物だ。
ジカウイルスを媒介するのはデング熱を媒介する蚊と同じネッタイシマカだ。厚労省は、ネッタイシマカは現在国内にいないとしているが、定着の可能性は皆無ではない、と見ている。
問13 ネッタイシマカの特徴等について教えてください。
問14 ネッタイシマカは国内に定着できますか?

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