伊藤若沖「六歌仙図」が面白い@愛知県美術館
現在、
愛知県美術館
で開催されている
コレクション展特集「木村定三コレクションによる生誕300年蕪村・若冲と江戸絵画」
なのだが、そこで展示されている
伊藤若沖「六歌仙図」
について、愛知県美術館さんがtweetしている内容が面白い。
次回コレクション展(4/1-)は、特集「木村定三コレクションによる生誕300年蕪村・若冲と江戸絵画」。本日はそのなかから、伊藤若冲《六歌仙図》についてちょっと作品解説(ネタバレ?)をしたいと思います。#MuseumWeek pic.twitter.com/MAOpVHHtiY
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
《六歌仙図》は1791(寛政3)年若冲76歳の作。上から水桶を後ろに大きなすり鉢で田楽味噌をする喜撰法師、提箱から豆腐をとりだす後ろ姿の小野小町、田楽を炉に並べてうちわで扇ぐ大友黒主、豆腐に串を打つ在原業平、大盃で酒をあおる僧正遍昭、そして酒瓶の残りを確かめる文屋康秀の姿が。
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
歌仙が豆腐田楽をつくるという一風変わったこの作品。実はその背景に、三十六歌仙に見立てて36通りの豆腐メニューを作る「歌仙豆腐」という遊びの流行があった、というのが馬渕美帆さんの説。若冲はその豆腐メニューの代表格・豆腐田楽を、歌仙たち本人につくらせてみた、というわけです。
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
ですがこの作品、それだけではないんです。「田楽」とは、もともとは音楽と踊りからなる民間の伝統芸能です。ということは、豆腐田楽図であると同時に、これは本来の田楽図でもあるのではないか、というのが新江京子さんの説。つまり...
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
つまり、喜撰法師のスリコギは琵琶、小町の豆腐は鉦鼓?、黒主の炉は琴、業平の盆は小太鼓、串は横笛?、僧正遍昭の大盃は編木(びんざさら)、康秀の酒瓶は鼓の見立てなんです!言われてみれば、なるほど、仕草が皆それっぽい。
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
試しに(無駄にロックバンド風にアレンジしながら)それぞれ楽器に持ち替えさせてみると、すごく、しっくりきます(特に喜撰法師がノリノリすぎる)。 pic.twitter.com/gNTB6Gsk9a
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
伊藤若冲《六歌仙図》が展示されるのは、4/1から始まる「黄金伝説」展と同時開催の第1期コレクション展、特集「木村定三コレクションによる生誕300年蕪村・若冲と江戸絵画」のなかです。重要文化財・蕪村の《富嶽列松図》も展示されますよ、お楽しみに!
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
(より詳しく知りたい方は、馬渕美帆「伊藤若冲筆:六歌仙圖」『国華』1402、2012、pp. 31-33と、新江京子「伊藤若冲の歌仙絵を読み解く」『美術史研究』50、2012、pp. 1-22をあたってみてください)
— 愛知県美術館 (@apmoa) 2016年3月30日
ということなんだけど
無駄にロックバンド風にアレンジ
って、最高ですね、愛知県美術館。
ロックのノリで行ける六歌仙図
って、さすがは若沖。
おまけ。
馬渕美帆「伊藤若冲筆:六歌仙圖」『国華』1402、2012、pp. 31-33
國華 第1402号 第118編 第1冊
美術研究誌『國華』は1冊4731円(税込)とお高いので、公共図書館等で御覧下さい。
新江京子「伊藤若冲の歌仙絵を読み解く」『美術史研究』50、2012、pp. 1-22
『美術史研究』は早稲田の雑誌。
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コメント
見に行ってきました。このツイートとほぼ同じことが解説に書いてあり、びっくり。ロックバンドの六歌仙も掲示されていましたよ。
投稿: 山口(産婦人科) | 2016-04-18 14:49