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2016-07-07

在宅酸素療法では「火気取扱」に注意を 喫煙だけでなく、装置の周囲2m以内には火気厳禁

1度、TBSが
 早朝のニュースで放送事故
を起こしたのに遭遇したことがある。
 病室で患者さんが焼死
というニュースで、酸素テントで喫煙しようとして引火、
 焼死した患者さんを放映
してしまったのだ。酸素テントの範囲にだけ火災が起きたのが歴然としていた。合掌。
酸素テントが必要なくらい、呼吸器にダメージを受けていた患者さんの、その病気の主因は、恐らく喫煙だろう。治療のために入院していたのに、ああいう状態で亡くなってしまうと、遺族も堪らなかっただろうなあ。
亡き父は、ヘビースモーカーで、最後は間質性肺炎+肺癌だったが、酸素療法の可能性があった。上に書いたニュースがあまりにも衝撃的だったのでその話をして、
 在宅酸素療法になってから、煙草で焼死は勘弁して欲しい
と言ったところ、やがて喫煙を止めた。結構恐がりだったので、やっぱり本人が怖くなったんだと思う。アルコールの方は、主治医ももう止めなかったので、ほとんど最後になるまで飲んでいた。

呼吸器の疾患で酸素が必要になる患者さんにとって
 在宅酸素療法
は、命の綱なのだが
 相手が酸素
である以上
 火気厳禁
だ。しかしながら、普通の生活を営んでいると
 火をうっかり近づける
ことは起こる。
 煙草だけでなく仏壇の蠟燭や線香に点火する
等の行為や
 線香の火などに近づいた
ことが
 酸素に引火、火災が発生して、患者さんが重い火傷を負ったり死亡する
という悲劇に結びつく事例が、続いているために、厚労省が7/1に改めて注意を呼びかけた。2010年にも同様の注意がなされているのだが、状況が好転していないのだ。7/5付日経メディカルより。


厚労省が在宅酸素療法の火気取り扱いで注意喚起
2016/7/5

 厚生労働省は7月1日、在宅酸素療法として酸素濃縮装置などを使用している患者が、喫煙などが原因と考えられる火災により死亡するなどの事故が繰り返し発生しているとして、在宅酸素療法における火気の取り扱いについて注意喚起した。
 この問題に関しては、2010年1月に「在宅酸素療法における火気の取扱いについて(注意喚起及び周知依頼)」(医政総発0115第1号・医政指発0115第1号・薬食安発0115第1号)という通知が出されているが、その後も事故が繰り返し発生していることから、今回改めて注意喚起が行われた。
 日本産業・医療ガス協会医療ガス部門まとめによると、2016年6月末時点重篤な健康被害事例2003年12月から16年4月までに61件火災事故原因別では喫煙43%、漏電8%などとなっている。

 厚労省は、在宅酸素療法を受けている患者やその家族が注意すべき項目として以下の3点を挙げている。
1)高濃度の酸素を吸入中に、たばこなどの火気を近づけるチューブや衣服などに引火し、重度のやけどや住宅の火災の原因となる。
2)酸素濃縮装置などの使用中は、装置の周囲2m以内には、火気を置かない。特に酸素吸入中には、たばこを絶対に吸わないようにする。
3)火気の取扱いに注意し、取扱説明書通りに正しく使用すれば、酸素が原因でチューブや衣服などが燃えたり、火災になったりすることはないので、過度に恐れる必要はない。医師の指示通りに酸素を吸入する。

【参考資料】
「在宅酸素療法時は、たばこ等の火気の取扱いにご注意下さい。」(在宅酸素療法における火気の取扱いについて(厚生労働省2010年1月15日[2016年7月1日更新])

在宅酸素療法における火気の取扱いについて(2010年1月15日[2016年7月1日更新])

「在宅酸素療法時の喫煙などの火気取扱いの注意について」(医薬品医療機器総合機構(PMDA)安全情報[2008年6月No.4])

酸素療法時の火災の再現実験映像は、リンク先に。衝撃的だ。
在宅酸素療法中の火災危険について たばこ火が酸素により拡大!!最終更新日2010年1月19日

これまでに起きている在宅酸素療法に関係した重大な事故については、一般社団法人 日本産業・医療ガス協会が纏めている。
[2015.12.21]「在宅酸素療法を実施している患者居宅で発生した火災による重篤な健康被害の事例」
上記資料から。火災の原因。ほぼ半分は煙草の火だが、残りは
 喫煙の習慣がなくても引火の恐れはある
わけで、
 酸素療法中は本人が火に近づかない
ようにするしかない。
20160707_44101
最近の事故例。「不明」が多いのは
 思いも寄らないものが酸素に引火する恐れがある
ということだ。
20160707_44115

2010年の注意喚起については、NATROM先生が以下の記事で論じておられる。
2010-03-31 在宅酸素療法中の喫煙と火災

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コメント

わかっていてもやめられない人は多いようで、知り合いからも酸素を吸いながらタバコを吸っている人の話を聞いたし、自転車置き場で酸素を引きずりながらタバコを吸っている人も見ました。さすがに半径2メートル以内に近寄らないように避けて通りました。

投稿: 山口(産婦人科) | 2016-07-07 08:11

山口(産婦人科)先生、コメントありがとうございます。
う〜む、確かに「酸素ボンベ付きで煙草を吸っている」方の至近距離にいるのは危険ですね。たぶん
 吸うな
と言うと、揉めるでしょうし。

投稿: iori3 | 2016-07-08 06:52

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