朝日新聞の柴田真宏記者、逆転で個人総合優勝を遂げた内村航平を貶める外国人記者の質問を「いい反応を引き出しました。」と絶賛@twitter→元フジアナの長谷川豊も同調(追記)
昨日の朝、途中から、体操男子個人総合決勝を見て、
内村航平 vs. オレグ・ベルニャエフの歴史に残る死闘
に身震いした。
内村選手の演技内容は悪くない。しかし、いくら内村選手がいい演技を重ねても、若いベルニャエフ選手は、更にそれを上回る演技を行い、5つの種目が終わった時点で
0.901の差
があった。いくら、これまで世界選手権男子個人総合で前人未踏の6連覇を果たし、前回のロンドン五輪でも金メダルを獲得し、2009年以来
1人で男子体操界を支えてきた
と言っても過言ではない内村選手の実力があったとしても
1点近い差を鉄棒で逆転することが可能だろうか
と、ドキドキした。
最後の鉄棒の演技順は、内村選手の方が早かった。
今回、予選では
得意の鉄棒でまさかの落下
それも、内村選手が行う離れ業の中では、難度が高くないはずの
コバチでの落下
で低得点に終わり、種目別の鉄棒に内村選手は出場出来ない。そんな
あり得ない失敗
があった後の個人総合決勝である。団体決勝では、多少のミスがあっても、仲間が助けてくれる。団体戦では、内村選手は、疲労の蓄積があったのだろう、正直、いつもの切れを欠く場面があった。それでも、チーム5人の力と心を結集して
アテネ五輪以来の日本団体金メダル
を手に入れたのである。
オールラウンダーこそが、体操の真髄だ
と公言する内村選手は
予選・団体決勝では全種目に出場
している。個人総合決勝では
更にまた6種目をこなさなくてはならない
のだ。そして、
得意の鉄棒
は、
落下という落とし穴のある種目
である。
しかし、こうした
凡庸な心配
は、内村航平という男には全く無用であった。試合後の会見で、内村選手は
「ベルニャエフ選手と競り合う展開だったが、最後の鉄棒しだいだと思っていた。練習を信じて、着地だけは決めようと思って鉄棒に臨んだ。これ以上ない演技ができて、最高の結果を出せて今は本当に幸せな気持ちでいっぱいです」
と語っている。内村航平は、前回のロンドン五輪で団体金を逃した経験を生かし、1年前から決勝の演技内容を固め、週に2度、
通し練習(6つの種目全てを競技会と同じタイムテーブルで行う練習)
を続けてきたのだが、
練習は裏切らなかった
のだ。NHKで解説をしていた塚原直也が
呼吸をするように、あの鉄棒の演技が出来るようになっている
と説明していた。
確かに
内村航平は、鉄棒で今大会最高の演技
をしたのであった。コバチ、コールマン、カッシーナという難度の高い離れ業では、高く跳び、確実に鉄棒を握った。そして、代名詞となっている
内村の着地
は、ぴたりと決まった。15.80。
最後の演技者はベルニャエフ選手。しかし、ベルニャエフ選手は内村選手とは違い、それほど鉄棒が得意という訳ではない。離れ業も、高度なものばかりではなかった。着地はぐらついた。
14.80
という低い点数が出た時、
内村航平の、44年振りという男子個人総合連覇
が決まった。その差、わずか
0.99
というきわどい勝負だった。
印象的だったのは
各種目を終わった後の内村航平と他国の選手やコーチとの交流の様子
だった。演技を終わった内村が、同じ班の選手やコーチ達と、健闘をたたえ合うのだ。競っている筈の相手が、内村とうれしそうな表情で拳や掌を合わせているのだ。意外なことに、ベルニャエフ選手を指導するウクライナのコーチも同様だった。
そして、
敗北が決まった直後のベルニャエフ選手
は、内村選手と肩を組み、互いの健闘をたたえ合った。
その理由は、試合後の記者会見で判明した。昨日付の日経より。
「コウヘイは伝説」 偉業の内村に世界が賛辞
(略)
ともに表彰台に立った2人のメダリストの言葉も内村に対する敬意に満ちあふれていた。
「彼はみんなにとってのお手本。何年にもわたって見てきたが、彼のスコアはおどろくべきもの。最後の鉄棒は言葉がない。あえて言うならクレージーという言葉しか思いつかない」(3位のマックス・ウィットロック=英国)
「コウヘイは伝説だ。若い選手はみんな彼を夢見ている。僕はすいすい演技していると思っているかもしれないけど、とんでもない。彼と一緒に試合をできたことが素晴らしい経験になった」(ベルニャエフ)
内村航平は、
体操界の生けるレジェンド
なのである。昨日、共に闘った他国の選手達にとって
内村航平は、子どもの頃からのアイドルであり、仰ぎ見る対象であり、目指す目標
なのだ。2009年以来、ほぼ1人で男子体操界を引っ張ってきた男、卓越した技倆で技術の水準を上げただけではなく、
美しさを追求した
内村航平は、皆が認める存在なのである。
そうした内村航平に対して、どこの国の記者かは不明だが、
内村に審判は有利な採点をしたのではないか
という大変失礼な質問をした。昨日付日経より。
敗れざる魂 体操男子・ベルニャエフ 採点「フェア」強く潔く
(略)
試合後の記者会見。隣の内村に対して「あなたは審判から好意的に見られていると思うか」と質問が飛んだ。鉄棒の採点について聞いているのは明らかだった。
これに不快感を示したのはベルニャエフだ。「採点はフェアだと選手みんなが分かっている。無駄な質問だ」。潔い態度に拍手が起きた。
(略)
(山口大介)
インタビューを見ていたけれども、3位のウィットロック選手も、その場で、内村航平への敬意を口にして、この質問を一蹴した。
これで、この話は終わったかと思っていた。
しかし、さすがは
朝日新聞
だ。
報道の自由
の前には
個人の尊厳など蹴散らすのがポリシー
らしい。tweet主は
朝日新聞のリオデジャネイロ特派員です。スポーツを中心に取材しています。2016年リオ五輪に向けた話題や、サッカー、生活、文化など、南米の空気を伝えていきたいと思います。(略)
という
柴田真宏(@MasShibata)記者
である。
記者は時に、嫌がられたり的外れに思えたりする質問をわざとぶつけて選手の本音を引きだそうとします。それもテクニックの一つ。この記者はいい反応を引き出しました。
— 柴田真宏 (@MasShibata) 2016年8月11日
銀メダリストが助け舟 内村への採点の質問「無駄だ」:朝日新聞デジタル https://t.co/BTyYVxKrd8
こんな
先輩記者
に
取材のイロハを教えられる後輩記者達も災難
だな。
この柴田真宏記者は
少なくとも、内村航平という稀代のアスリートへの敬意はこれっぽっちも持ち合わせてない
ことがわかる。こんな
人間として最低の部類が、リオ五輪で「日本の記者でござい」とジャーナリスト面をしている
と思うと
日本のスポーツジャーナリズムの質がどの程度か
は
推して知るべし
ですな。
ググってみたら、
2014年サッカーW杯
で
残念ながら参加32チーム中、最低レベルのチームだということが分かりました。
— 柴田真宏 (@MasShibata) 2014年6月19日
「日本はどんな強豪と当たっても十分勝てる可能性があるよ」と言いふらしていたのが恥ずかしい。思い上がりは捨てて、謙虚にやり直すしかありませんね。
とtweetした人物であることが判明した。要するに
アスリートをこき下ろすことで、「俺って正義」と自己陶酔するタイプ
なんだな。まあ、朝日新聞運動部らしいこと。
しかし、
目の前にいる不世出の才能
を
蔑ろにする
以外には、
「質問を引き出す」テクニックが無い
のだとすれば、ジャーナリストとしては
終わっている
のではないか。
日本は
嫉妬の国
と言われることがある。この柴田真宏記者のように、
目覚ましい業績を上げた人物に対し、感情を損なう発言をすることを「良しとする」のが当たり前な風潮が根絶されない
のであれば、いま日本の労働人口を磨り減らしている
いくらがんばっても、いつまでも賃金が上がらない「ブラックな労働環境」
はなくならないだろう。どう考えてもおかしな、
親方日の丸(いくら働いても賃金は一緒だから、最低限しか働かない)の逆パターン
が横行するのは
他人に対する敬意が欠如
しているからに他ならない。ブラックな労働環境では、
いくら過剰にサービスしても、認められない
どころか、
そんなんじゃ足りない、もっとサービスを心がけろ
と疲弊し尽くすまで、搾り取られる。
人権どころか、人格さえ認められない
訳だ。
天下の大新聞「朝日新聞」
で、ベテランとおぼしい柴田真宏記者が絶賛した
ひとげない行為
が大手を振ってまかり通っているとするならば、
優れた才能を嘉し、讃える
ことなど、できはしないだろう。むしろ
そうした才能を、隙あらば潰そうとする嫉妬心
が、
一見、優れた才能を評価している記事の下に渦巻いている
ことになる。
いま、日本では、
特殊な技能を必要とする分野でそれを日々磨く人々
の多くが
努力に対する評価の低さ
に参っている。技術者であろうと、研究者であろうと、市井の職人であろうと、
評価が低く、報酬も低い
ことに変わりは無い。ある者は日本を棄て、自分を
高く買ってくれるところ
へ移って行っている。たとえば、ハワイの知人によれば
ハワイでは、医師や看護師は高収入
だという。
命を救う技術を持っている人達には、それに応じた報酬が与えられている
ということだ。
健康や命は、金銭で簡単に手に入れられるものではない
のだ。
高度な医療技術
も、
それを使いこなす医療関係者
がいて、
それを安価で享受出来る社会環境
があって初めて、自分に適用されるのである。アメリカには、日本のような行きとどいた医療保険の制度はない。もし、高度な医療を受けようと思えば、
多額の医療費が必要
である。
日本では、国保等の医療保険が
高度な技術を安価で提供することを可能に
している。そして、
日夜、骨身を惜しんで働く医療関係者の努力
が、それを支えているのである。今後、
超高齢化かつ少子化社会
が急激に進む日本では
医療ニーズは高まる一方
だが、すでに
医療現場はブラック労働
と言われている。この柴田真宏記者が朝日新聞退職後、切実に医療が必要になったとしても、その時、
日本の医療は焼け野原
になっている可能性は低くない。それもこれも
優れた他者を認める度量がない、息苦しい社会を「良しとする」態度
が引き起こすだろう未来である。
おまけ。
2006年に開かれたトリノ五輪では、競技前に開かれた記者会見で、話題作りのために、
まだ高校生だった安藤美姫のプライバシーに触れ、泣かした記者
というのが存在した。後に、NHK関連の記者だと判明している。
あれから10年経っても
アスリートは、自分たちが好きに扱って良い存在
だと、メディアは思っているらしいね。
その時の話はこちらに。
2006-02-21 トリノ五輪 自局の話題作りのために、「父親への誓い」という質問で安藤美姫を号泣させた「日本のテレビ局」はNHK記者か?
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/02/nhk_973c.html
続き。(8/13 10:00)
元フジアナ長谷川豊も、この
えげつない手法を絶賛
している。
海外メディアが内村選手に「失礼な質問」をしたって?いや、それは完全に逆です。
ま、
同じ穴の狢
ということで。
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