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2016-09-06

赤ちゃんと妊婦を守れ 空気感染(飛沫核感染)等で感染する麻疹(はしか)に治療法はない(その4)ある小児科医の勇気ある決断「他の患者さんを守るため、ワクチンを受けさせてない子どもは受診お断り。」 接種年齢になってない赤ちゃんを襲う、ゆっくりと死に至る亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

ワクチン接種に関しては
 反ワクチン派
と呼ばれる人々が世界中にいて
 ワクチンは毒だから決して打つな
などと、
 新生児を抱えた母親等に指導
してたりする。日本では、初産で、そういう指導を保健師や助産師から受けた、という驚愕せざるを得ない話を時々耳にする。
 保健師や助産師

 看護師資格を取った上で、取得する資格
なのだが、
 「弱い毒」であるワクチンを接種することで免疫を得て、罹患すると命に関わる、治療法がほとんどない疾病を防ぐというワクチンの本態を知らないで、看護師国家試験に合格している
のだとすれば、恐ろしい話だ。
保健師助産師看護師法より。


第二章 免許
第七条  保健師になろうとする者は、保健師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。
2 助産師になろうとする者は、助産師国家試験及び看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。
3 看護師になろうとする者は、看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

さて、
 反ワクチン派の親
であっても
 子どもが病気
になれば、小児科に連れてくる。
こうした
 ワクチンで防げる病気を、ワクチン未接種で意図的に防がず、子どもに感染させる危険性を顧みない親

 自分の子どもの病気が、ワクチンでは防げるが、もし感染すると命に関わったり、今後の人生を大きく損なうことがあり、根本的な治療法がない病気かも知れない
とは考えないらしい。そして、
 反ワクチン派の親の子どもが、麻疹等の重く、免疫を持たない他人に容易に感染させる病気で小児科を受診
すれば
 まだワクチン接種年齢に達していない赤ちゃんや、健康上のやむを得ない事情があってワクチン接種が延びている子ども

 行政の問題や「ワクチン禍報道」等のために、これまで麻疹や風疹等に罹らず、ワクチンも受けてないか、受けていても不十分な妊婦さん

 ワクチンで防げる危険な感染症を待合室等で感染させる恐れ
がある。
 空気感染する麻疹の場合は、特に感染力が強く、待合室で一緒になったら、ほぼアウト
と考えてもいいだろう。
 体育館規模の空間を共有するだけで感染する
といわれているほどの感染力があるのだ。
こうした実態を踏まえて、ある小児科医の先生が勇気ある決断をされている。@io203先生のtweetより。


古くから知られている麻疹の合併症に
 麻疹脳炎
がある。
 それまで普通の発達をしていた赤ちゃんや子どもが、はしかのせいで、知的な発達が遅れる
という症例は、耳にしたことがあるだろう。麻疹脳炎は、
 麻疹に感染した1000〜2000人に1人
の頻度といわれ、
 1/3に後遺症が見られる
という極めて重い合併症だ。
2007年にはワクチン未接種の13歳女児が麻疹脳炎となった症例
が報告されている。ICUに入院、33日目にICUから退室、その後退院したが、退院時は


当院退院時には独歩、会話が可能となったが、記銘力低下や集中力低下といった高次機能の低下が認められ、知的にも退行がみられている。今後も通院とリハビリテーションの継続が必要な状態である。

と、大変お気の毒だが、後遺症が残った。
麻疹にも、麻疹脳炎にも

麻疹に対する特異的な治療法はなく中枢神経合併症に対しても、対症療法が主体となる。

と、
 現代でも、有効な治療法はなく、対症療法が中心
になる。
脳は、1度壊れると、ほとんど回復しないと考えられている。
 上記13歳の女の子の罹った麻疹脳炎は、麻疹の予防接種を受けていれば防げた不幸な病気であり、後遺症
なのだ。

麻疹の転帰の1つで、恐ろしいものに
 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
がある。1歳未満の、まだ麻疹ワクチン接種年齢に達してない赤ちゃんが麻疹に罹ると、
 8000人に1人が冒される、積極的治療法がなく、経過が長く、ほぼ致死的な病
である。
麻疹の予防接種年齢に達してない0歳の時期に小児科で、麻疹患者から麻疹に感染、その後、小学5年の時に亜急性硬化性全脳炎となったお子さんの親御さんが、昨年、体験を話されている。病原微生物検出情報 (IASR)より。


SSPEの悲惨さと青空の会の思い - (IASR Vol. 36 p. 67-68: 2015年4月号)国立感染症研究所
(略)
我が家の次男洸亮は、現在17歳、高校2年です。1997(平成9)年7月7日、元気に産まれてきました。0歳の時に突発性発疹にかかり、病院に受診した際に麻疹に罹患しました。その時は10日程で全快しましたがその後、そのことが原因でこのようなことになるとは夢にも思いませんでした。
洸亮はすくすくと育ち、幼稚園から英会話を習い始め、年長から兄について野球を始め、小2からサッカーも始めました。また同じく小2から絵画教室にも通い始め、さらに小4からは吹奏楽部に所属し、アルトサックスを担当しました。習い事が増えていっても、一つも辞めることなく、月曜から日曜までの一週間、毎日毎日人一倍忙しい子供でした。その中でも友達と遊ぶ時間をしっかり作り、充実した毎日を送っていたと思います。今思えば、病気になることがわかっていて、元気なうちにいろいろやっておこうと、かなり急いでいたような気がしてなりません。
小5の9月、2泊3日の移動教室、運動会も無事終えたころから、少しずつ洸亮に異変が表れてきました。(略)そんな矢先、早朝に大きな声をあげ、初めて発作を起こし、救急車で病院へ行きました。その時はすぐに意識は回復しましたが、私達は不安でいっぱいでした。そして後日、改めて検査入院をすることになりました。
検査入院時は、おかしな行動が増えてきたとはいえ、まだ本人も理解できていたので、毎日続く検査に「何で僕が…。」と泣いていました。そしてとうとう病気がSSPEであると確定し、医師から宣告された時のことを、今でもはっきりと覚えています。まるでドラマの一場面であるかのような光景でした。(略)
病気が確定し、SSPEが難病であることから、神経系の専門の病院に転院を希望し、現在の病院に移りました。転院してその日に、医師から外泊を勧められ、「今度病院に戻ってきたら、当分家には帰れなくなります。そしてもうすぐ食べられなくなるので、好きなものをたくさん食べさせてあげて下さい。」と告げられたのを、今でも鮮明に覚えています。(略)外泊期限前に発作を起こし、救急車で病院に戻ってから、階段を転げ落ちるように、洸亮の状態は悪くなっていきました。
(略)すぐに腰椎からのインターフェロン注2)治療を始め、12月中旬に脳室オンマイヤー注3)留置術を受けました。もうこの頃には何の反応もなく、洸亮は寝たきりの状態になっていました。そして年が明け、2月に胃ろう増設術も受け、3月に退院するための準備を始めました。
生活面でも、歩いて入院した子が寝たきりの状態で家に帰ってくるわけですから、それはもう大変でした。福祉車両、介護用ベッドの購入、また住んでいたところがエレベーターのない3階でしたので、1階への引っ越し、そして特別支援学校への転籍など、しなければならないことが山積みでした。(略)
発症して6年が経ちました。(略)主治医にお願いし、中2の秋からTRH療法注4)を始めました。それ以後少しずつ変化が表れ、声を出して笑うようになり、口から食べることができるようになってきました。現在もその状態を維持しています。しかし進行性の病気、いつまた悪くなるのか、不安と隣り合わせの毎日です。
SSPEは本当に悲惨な病気です。今まで元気に生活し、大切に大切に育ててきた我が子が、ある日突然発症し、数カ月で寝たきりになってしまうのです。目の前で見ている親の気持ちは言葉では言い表わすことなどできません。そして、患児の兄弟姉妹も、親ですらはかり知れない精神的負担を強いられます。このような、私達と同じ辛い思いをする家族がこれ以上出ることのないために、SSPE青空の会は、麻疹の恐ろしさ、SSPEの悲惨さを多くの人に知ってもらい、予防接種の大切さをこれからも訴え続けていきたいと考えています。麻疹の予防接種率が95%になればSSPEはなくなります
注2)ウイルスの増殖を抑制する薬剤の名称の一つ
注3)頭皮の下に外科的に設置される、脳室内に薬剤を送り出す医療機器
注4)遷延性意識障害や脊髄小脳変性症等の治療として甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を用いる療法

もし、このお子さんが小児科を受診したその時に遭遇した麻疹患者が、2度のワクチン接種さえ済ませていれば、麻疹に罹ることはなく、
 まだ接種年齢に達していない赤ちゃんが、小児科を受診した麻疹患者から感染、11年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症
することもなかったのである。

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)について。難病情報センターより。


亜急性硬化性全脳炎(SSPE) あきゅうせいこうかせいぜんのうえん(SSPE)

■概念・定義
亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis) は、その頭文字をとってSSPEともいわれている。麻疹に感染してから数年の潜伏期間の後に発病する。治療法は確立されておらず、発病後は数か月から数年の経過(亜急性)神経症状が進行し、全大脳機能を喪失して死に至る予後不良の中枢神経感染症である。このように潜伏期間が長く、亜急性進行性の経過をとるウイルス感染症を遅発性ウイルス感染症と呼び、SSPEはその代表的な病気の一つである。
■疫学
麻疹に罹患した人の数万人に一例1歳未満で罹患した場合にはおおよそ8000人に一例がSSPEを発症するとされている。SSPE患者数は麻疹ワクチンの普及後、麻疹の流行規模の縮小に数年遅れて減少してきている。最近の我が国における新たな発症者数年間1-4人であり、国内の生存SSPE患者数は150人程度と推計されている1)。
SSPEの発症は、1歳未満の乳児期免疫機能が低下している状態で麻疹に罹患した場合に多い。男女比は1.6-1.1:1で男児にやや多い。潜伏期間は平均7年である。したがって、SSPEを発症する好発年齢は学童期であり、この時期の発症が全体の約80%を占める。
麻疹ワクチン接種後のSSPE発症は、自然麻疹罹患後の約10分の1とされている。麻疹ワクチン接種が徹底している欧米諸国では麻疹の大きな流行はなく、SSPEもほとんど見られない

まさに
 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は麻疹ワクチン接種によって減少した致命的な疾病
なのである。この恐ろしい病気は、
 予防接種を受けずに麻疹に感染すると10倍の発症率になる
わけで、そのことからも
 予防接種の有効性
が明かだ。
大脳を直接冒す病気だから当然とはいえ、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の経過は厳しい。

■臨床症状 SSPEは中枢神経系感染症であるため、臨床症状は神経症状が中心になる。初発症状としては、学業成績低下、記憶力低下、いつもと異なる行動、感情不安定といった精神症状が多いが、病院を訪れる頃には、歩行時にふらつく、もっているものを落とす、字が下手になる、ビクッとなる発作などの運動症状を訴えることが多い。このような症状から、初期には心因反応、精神病、てんかん、脳腫瘍などと間違われる。 発症後は類型的な経過を呈する傾向があり、Jabbourはこれを4期に分類している2)。

1期 大脳徴候が出現する時期で、集中力の低下、学業成績低下、記憶力低下、性格変化、行動異常、言語の退行、不明瞭な発語などの症状が現れる。

2期 痙攣や運動徴候が出現する時期で、最も特徴的なミオクローヌス発作や失立発作、大発作などのさまざまな痙攣がみられ、知能障害が進行し、歩行障害や嚥下障害などの運動症状が明らかになる。

3期 昏睡に至る時期で、知能、運動の障害はさらに進行し、精神活動は低下し、歩行困難、摂食不能になる。この時期には体温の不規則な上昇、唾液分泌の亢進、発汗異常などの自律神経障害も出現する。

4期 脳皮質機能が高度に傷害される時期で、意識レベルの低下は高度になり、筋緊張は著明に亢進、ミオクローヌスは消失し、自発運動がなくなる。除脳あるいは除皮質硬直の肢位を呈する。

通常、全経過は数年であるが、数か月でⅣ期にいたる急性型(約10%)や、進行の緩徐な慢性型(約10%)の病型も存在する。


最近は、進行をゆっくりにする薬があるのだが、あくまで

■予後
上記の治療を行うことにより、症状の進行が抑えられたり、症状に改善が認められる例が見られるようになり、従来に比し死亡までの期間は著しく延長した。しかし、治癒することはまれであり、予後は不良である。ワクチンにより麻疹罹患を予防することが重要である。

ということで
 治癒することはまれ
だ。
診断がつき次第、治療が始まるが、
 介護が必要な容態が長く続く
ことになる。

■介護
診断は1期あるいは2期の初期につけられることが多い。できるだけ早期に治療を開始し、治療スケジュールを確立し、在宅介護に移行することが推奨される。3期では不随意運動、筋硬直、経口摂取困難、自律神経症状(発汗過多、口内分泌亢進、高体温など)などが著明となり、これらに対する介護が主体になってくる。4期では筋強直、栄養、呼吸などの管理が重要となる。

こうしたリスクを
 自分の子どもだけでなく、自分の子どもの麻疹を感染させ、他人に及ぼす
のが
 反ワクチン派の親が及ぼす危険
なのだ。自分の主義主張で
 他人の人生を滅茶苦茶にしても構わない
と、果たして考えているのだろうか。

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コメント

駄レス失礼します。

助産師・保健師ですが、2007年4月以前は看護師資格がなくても取れたので、
「看護師資格がない(標準的な医学の見識に欠ける)助産師・保健師」は一定数いるかと。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/03/tp0302-1.html

投稿: とーます | 2016-09-07 16:55

「助産師学校」の受験資格は「看護師免許のあること」ですので、看護師資格のない助産師は存在しません。最低でも「看護師教育は終了してまだ免許を手にしていない」状態が要求されるはずです。

投稿: suzan | 2016-09-07 22:35

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