赤ちゃんと妊婦を守れ 空気感染(飛沫核感染)等で感染する麻疹(はしか)に治療法はない(その9)厚労省 定期予防接種分を優先するよう指示→たぶんワクチンは不足する
SEISAN先生にもコメントを頂いたが、麻疹流行で、追加の接種が増えるために
定期予防接種のワクチンが確保できるのか
という問題については、厚労省が動いた。NHKより。
はしかワクチン 乳幼児の定期接種分の確保を通知
9月10日 5時39分
関西空港を中心にはしかの感染が広がり、ワクチンの接種を希望する人が増えていることから、厚生労働省は、就学前の乳幼児を対象にした定期接種のワクチンが不足するおそれがあるとして、全国の自治体や医療機関などに、定期接種に必要な量のワクチンを事前に確保するよう通知しました。
厚生労働省などによりますと、8月以降、関西空港の従業員や空港の利用者などおよそ40人に、はしかの感染が確認されました。このため、大阪府内の20代から30代を中心に、ワクチン接種を希望する人が増えているということです。
厚生労働省は、今後も感染が拡大して、ワクチン接種を希望する人がさらに増えると、就学前の乳幼児を対象に2度行っている定期接種のワクチンが不足するおそれがあるとして、全国の自治体や医療機関などに定期接種に必要な量のワクチンを事前に確保するよう通知しました。
厚生労働省は、感染拡大を防ぐには、免疫のない乳幼児への定期接種を計画どおりに進めることが重要だとして、今後、自治体のワクチンの接種状況に応じて、メーカー側と供給量を調整していくことにしています。
うまく調整できるといいのだが。
続き。(9/11 5:20)
Yosyan先生が、ご自身のblog「新小児科医のつぶやき」で
麻疹ワクチンの供給状況が芳しくない件
について、詳しく述べておられる。
9/10付記事
2016-09-10 麻疹アウトブレイクとワクチン本数考
によると、麻疹ワクチンは、通常は
自費接種分に供給出来るのは大体年間70万本、その内20万本程度が使われずに廃棄されている
のだが、
そう簡単に増産できる性質のものではない
上に、
麻疹ワクチン製造3社の内1社が、2014年に基準に満たないワクチンを出荷して、その後出荷されてない
ために、
このところ品薄状態が続いていた
という
そもそも「足りなくなる」傾向
があったところへ、今回の麻疹アウトブレイクが起きた。
アウトブレイクが起きると、急激に自費での接種希望者が増える
ことになるのだが、
麻疹ワクチンの供給は今年度は生産に余力が無く、現在すでに逼迫しており、今回の麻疹アウトブレイクにより、9月分は「需要に応じた供給が難しい状況」
というお話だ。
次回10月出荷分がどうなりますかね
と、Yosyan先生は案じておられる。
問屋から回ってこない
のでは、手の打ちようがない。
そうは問屋が卸さない
って決まり文句が、まさに
現在の麻疹ワクチン(MR混合ワクチン)の状態
を如実に表している。
現在の麻疹ワクチンの品薄を招いた、2014年製造麻疹ワクチンの一部が基準を満たしていなかった件については、以下のように
該当するロットの回収
が行われている。
2015年10月30日 『はしか風しん混合生ワクチン「北里第一三共」』並びに『はしか生ワクチン「北里第一三共」』の自主回収について
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