ドイツのパンは美味しい(その3)Japan Nothing
「失われた20年」の間に、国際社会における
日本の地歩
は
後退
どころか、
消滅した
というのが
Japan Nothing
だけれども、今回、バルト海の要衝、Kielに行って実感したのは
北ドイツにおける日本の存在感の無さ
だった。
どこへ行っても、まず
China!
とか
Chinese!
とか声を掛けられる。帰国時にKieliusというハンブルク国際空港とKiel駅を結ぶ空港リムジンに乗ろうとして、荷物を荷物室にどう入れようか悩んでいた時、白人のおばさまに
等一下!(まってなさい)
と何度も普通話で言われた。おばさまからすると
黄色い奴は中国人
らしく、中国語と違う言語を話しているとは思ってないらしい。
日本人同士で、軍港Kielのクレーンの近所で建造されていると覚しい海軍の船の方に向かったら
你好!
と、やはり白人の人達から声を掛けられた。
日本人がKielにあまりやってこない上に、アジア系の外国客は中国人が中心だというのは、ホテルの衛星放送のチャンネルを見ても分かる。
東アジアのチャンネルでは、日本語放送のNHKの国際放送はまったく入っていない。入っているのは中国の
CCTV(中央電視台)
だけだ。
北ドイツだけではない。
今回KLMを利用して往復したのだが、空港でもやはり
東アジアの人間の中心は中国人
だった。
わたしは視覚障碍があるので、飛行機に搭乗する際はいつもattendをお願いする。
今回attendが必要な人は、日本からEUの入口になるオランダ・アムステルダムのスキポール国際空港で、乗務員と同じ出入国窓口を通ったのだが、入国時にはまず
China?
と聞かれ、日本人だと答えると、
Oh!
とか一瞬びっくりされた。帰りも同じ陽気なおにいさんだったが、今度は
コニチハ!
と挨拶してくる。学習能力が高いぜ、スキポール国際空港の出入国管理官のおにいさん。まあ、それだけ
日本人が珍しい
ってことになるんだろうな。
学会会場では、英語がそれほど堪能でない年代の中国人研究者の多数の参加を見越して
中国語通訳
として、ドイツの他大学で中国語を教えている中国人の先生がアルバイトに来ていた。学会自体は、英語縛りだったのだが、いま、エラい人達は、まだ中国で外国語教育が復興し始める段階で大学教育を受けた人達が中心だから、必ずしも英語が上手とは限らない。そのために、ネイティブの中国語の専門家が雇われているというわけだ。
というわけで、学会では、英語・日本語・北京語で話をしていた。ドイツ人もそれほど英語が得意なわけでもないから(日本人と比べたら遥かに上手だけれども)、
中間言語として英語
が、使われていた。中間言語の英語は、
シンプルイズベスト
というわけで、平和に学会は進んで行った。
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